2018年1月1日月曜日

天は赤い河のほとり

#歴史 #書評 #マンガ
『天は赤い河のほとり』は現代日本の女子中学生が紀元前のヒッタイトにタイムスリップする漫画である。異なる世界に転生して活躍する話はテン年代に流行っているが、本作品は生け贄にするために召喚されたという悲惨な状況である。ヒッタイトは日本人には馴染みが薄くて歴史知識を活かしてチートという訳にもいかない。しかも、神官が呪術のような超自然的な力を行使する世界である。異なる世界で生きのびることの大変さが描かれる。(イケメンが都合よく登場して助けてくれる点は少女漫画ならではの展開である)
これに比べると、テン年代の転生物が気楽に見えるが、そこには現実の日本への絶望があるだろう。異世界でも行かなければ活躍できないという絶望である。まだ一億総中流の幻想があった時代との差異を感じる。
実際、主人公は現実の生活に満足している。志望校に合格し、恋人もいる。今風に言えばリア充である。そのために現代日本に戻りたいという意識が強い。そのあまり短絡的に行動して逆に窮地に陥っている。

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