2017年9月2日土曜日

人間の条件

#書評 #哲学 #思想
ハンナ・アレント『人間の条件』は全体主義の問題に向き合った書籍である。ジャン・ジャック・ルソーについて、国家の抑圧に対する反抗ではなく、「人間の魂をねじまげる社会の耐え難い力にたいする反抗や、それまで特別の保護を必要としなかった人間の内奥の地帯にたいする社会の侵入にたいする反抗」を評価する(61頁)。この視点は集団主義的な日本社会にとって特に重要である。
本書は詩や音楽、小説のような芸術の隆盛と連動して建築のような公的芸術が衰退したと指摘する(62頁)。ここにはトレードオフの関係がある。公的芸術は壮大であるが、集団的な成果を追求することは個人を押し潰す面がある。大勢の人を駒としなければ成立しない芸術が衰退することは個人主義の見地から好ましいことになる。
本書はプルードン解釈も面白い。プルードンは私有財産を批判したが、全面廃止には躊躇したとする。何故ならば全面廃止は暴政というより大きな悪をもたらすためである。これはソ連型社会主義の失敗を踏まえている。

マンションだまし売りの東急リバブル東急不動産は間抜けな恥を晒すことが趣味なのか。

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