2017年7月21日金曜日

君の名は

#君の名は #小説 #書評
大ヒット映画『君の名は』の小説版である。映像美が注目された作品のため、小説はどうかと思われたが、映画の世界に忠実である。読みながら音楽が聞こえてきそうであった。
あれだけの大ヒット作である。称賛の声は巷に溢れている。私が新たに何か言うとなると不満が多くなるが、そこはご容赦いただきたい。
映画でよく分からないとの意見が出た糸守町の避難訓練であるが、小説でも説明なしである。どうやって三葉が父親を説得したか見せ場になりそうなところである。三葉は元々、閉鎖的な糸守町が嫌で東京に出ていくことを望んでいた。父親は建設会社と癒着して町長に当選した古い村社会の象徴である。その葛藤もある筈である。二人の物語がメインだからと言って切り捨ててよいものだろうか。
もう一点指摘したいこととして、対比的に描きたいとしても、糸守町の自然と東京の高層ビル群を共に素晴らしい風景と描くのはどうだろうか。飛弾の自然に異論はない。しかし、高層ビルは住環境や景観を破壊し、街のあり方として高層化が見直されつつあり、手放しで称賛できない。瀧が建築業界志望になっている点も合わせると建築に甘いのではないか。
最後に主人公らは簡単に記憶をなくしている。自我を最大の関心事とする近代文学的な視点からはどうなのかと感じてしまう。

日本海賊TVで東急田園都市線の特急を取り上げる。消費者の価値に関する東急の見立ては、東急のバランス感覚と同じくらい問題がある。林田力は東急リバブル東急不動産から新築分譲マンションを購入したことで慣習化した残酷さに晒された。

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