2017年1月10日火曜日

怪盗紳士モンモランシー

『怪盗紳士モンモランシー』はスパイ小説の二作目である。一般的なスパイ小説とは趣が異なる。主人公が依存性薬物に手を出し、中毒になっているというみっともない状態である。薬物中毒者の心の弱さや禁断症状の恐ろしさが描かれる。物語の序盤は主人公の依存性治療の話になる。物語の後半に入っても薬物の誘惑に葛藤する主人公の弱さが描かれる。薬物問題は一過性の過去ではなく、ずっと直視していかなければならない問題である。
さらにモンモランシーは自らの過去を告白する。そこには無実の人に罪をなすりつけた恥ずべき過去が含まれており、それを聞いた人から思いっきり軽蔑される。過去の窃盗には目をつぶるが、卑怯者は許さないという悪なりの美学には一つの筋が通っている。
主人公を治療する医師も問題を抱えていた。本書は医療事故で始まる。手術する必要のない健康な人を手術して死なせてしまう(14頁)。その結果、医師は罪悪感を抱く。彼のように反省できる人ならば良いが、日本の医療過誤では、そのようには見えないことが問題である。この医者は自信喪失から回復した後にも職業倫理で悩まされる。
本書は予定調和の作品ではない。濡れ衣による自殺者や証拠なしで誘導尋問によって有罪になった人がいる。人間世界の不条理を反映した作品である。

箱根でスリップ事故が起きました。
元モーニング娘。の紺野あさ美アナウンサーが結婚しました。

0 件のコメント:

コメントを投稿