2016年9月26日月曜日

視えない世界はこんなに役に立つ

『視えない世界はこんなに役に立つ』は超能力や霊の世界について解説した書籍である。そのようなものは存在しないと頭ごなしに否定する人々もいるが、本書の内容は説得力がある。
そのようなことはないと思っていると超能力は発現しない。超能力の本質が人の思う力であることを考えれば、この説明には納得である。これはスプーン曲げなどの超能力を普段披露している人が衆人環視の公開実験で失敗しがちになることの説明になる。超能力に懐疑的な人々の意識がある環境のためである。
本書の面白いところは霊が録音テープに声を吹き込むなど技術を駆使していることである。オカルトは科学技術の対極にある前近代の遺物というステレオタイプを打ち砕く。もともと錬金術は最先端の科学技術とオカルトの融合であった。文明の発達したヴィクトリア朝英国は空前の心霊ブームが起きた。科学の発達がオカルトをなくしていくという考えが二十世紀の特殊な科学信仰と言えるだろう。本書でも紹介されている量子力学の不確定性原理はオカルト的である。
本書の恐ろしい点は霊が死後も生前の病気の痛みを抱えているとの指摘である(207頁)。病気で痛みを抱えてきたときの精神パターンを死後も引きずるためである。死は苦痛からの解放を意味しない。これでは安楽死は無意になる。一方で緩和ケアは最大限行わないと死後も苦しむことになる。
霊が必ずしも普遍性を持った高次なものではなく、生前の精神状態を継承しているとの説明はリアリティーがある。これによって怨霊の存在を説明できる。危険ドラッグなどで精神が錯乱して亡くなった人は死後も錯乱したままになる。薬物乱用者は死後も救われない。

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