2016年8月2日火曜日

サンダース自伝

サンダース自伝はアメリカ大統領選で旋風を巻き起こしたバーニー・サンダース氏の自伝である。
サンダース氏が注目される理由はサンダース現象が起きたためである。社会現象として重要なことは若者らがサンダース氏を熱狂的に支持したことである。サンダース氏自身が何を考えているかということと、支持者が何を考えているかが一緒とは限らないし、一緒でないとしても後者が間違っているとは言えない。本書は前者を教えてくれるが、それが後者になるとは限らないことに注意する必要がある。
前者と後者のギャップと言えばサンダース氏のヒラリー候補支持があるだろう。サンダース氏は反エスタブリッシュメント、反エリートの姿勢が支持された。それを踏まえればサンダース支持者がヒラリー候補よりもトランプ候補を支持することは十分に成り立つ。サンダース氏の批判の矛先はリベラルのエスタブリッシュメントにも向けられたものだからである。むしろサンダース支持者がトランプ候補を支持するような投票行動こそが保守・リベラルの枠を超え、欺瞞的な既存の政党政治を打ち破る力になる。
ところが、サンダース氏はヒラリー候補を支持した。それは本書を読めば説明がつく。サンダースは一貫してキングリッチ改革のような小さな政府路線に対抗してきた。それを踏まえればサンダース氏としては何としてもトランプ大統領を阻止するため、ヒラリー候補を支持するしかないだろう。ヒラリー候補に自らの政策を呑ませた上での支持表明であり、サンダース氏にとってヒラリー支持表明は屈服ではなく、政治的勝利になる(支持者には不満を抱く人がいるとしても)。
この議論は日本でも無縁ではない。東京都知事選挙では宇都宮けんじ氏と鳥越俊太郎候補にサンダース氏とヒラリー候補の役回りを期待する声も出たためである。これに対しては第一次的には鳥越候補をヒラリー候補になぞらえることはヒラリー候補に失礼という実態があるが、もし反新自由主義を強力な共通認識にするならばサンダース的な選択もあり得たことになる。しかし、日本では反新自由主義で突っ走ることは広範な市民的支持が得られないだろう。アメリカとの相違を指摘したい。アメリカは良くも悪くも新自由主義を徹底している。キングリッチ改革などで連邦政府の予算執行が止められてしまうほどである。アメリカに比べれば日本の構造改革は不徹底である。郵政民営化が東急リバブルに千円で郵政施設を売り飛ばす「かんぽの宿」問題を起こしたように、日本の構造改革は国家利権の大企業への分配に過ぎない。このような日本では新自由主義に進歩的な側面がある。
日本において反新自由主義を唱えることには左翼シニア世代の狡さが感じられる。八十年代頃に日本に入ってきた新自由主義を批判するならば自分達に跳ね返ることはなく、自分達が傷つくことはないからである。

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