2016年7月12日火曜日

東急グループ仙台空港民間委託に不安

仙台空港が2016年7月1日から東急グループ中心で民間委託されることは大きな不安である。東急田園都市線など東急の鉄道は混雑・遅延が常態化しており、空港を運営する能力があるか疑問がある。Twitterでは以下のように指摘される。「きょうも遅れた東急田園都市線。東急電鉄は仙台空港の運営なんかに出資していないで、鉄道事業に本腰を入れて正確な電車の運行をまずは実現しろ」

仙台空港の運営主体は仙台国際空港株式会社であり、東京急行電鉄株式会社、東急不動産株式会社、株式会社東急エージェンシー、東急建設株式会社、株式会社東急コミュニティー、前田建設工業株式会社、豊田通商株式会社が出資する。7月1日から30年間の運営を請け負う。

仙台空港運営の東急陣営の落札には疑問が多い。そもそも東急陣営は金額面では1位入札ではない。「三菱地所・ANA陣営は運営権対価の額で最も高い評価を獲得したが、トータルでは東急陣営にあと一歩及ばなかった」(大坂直樹「東急グループが「空港運営」に情熱を注ぐ理由」東洋経済オンライン2015年11月30日)。総合点で東急陣営が勝利したとされるが、総合評価方式の入札は評価の公平性に問題が生じやすい。

柳川範之・東京大学教授は以下のように述べる。「経済学的には民間企業が支払う運営権価格が適切かどうかが重要です」「競争入札は本来、最も高い価格を付けた企業が落札します。最も効率的に経営し、最も収益を増やせる企業だからこそ、将来収益の現在価値である運営権価格を最も高く設定して応札できると考えます」(「空港民営化、何がメリット?」日本経済新聞2015年4月15日)

空港民営化は地域経済の活性化が期待されるが、東急陣営は地域性が薄い。競合の三菱商事・楽天陣営は楽天が地元球団の東北楽天ゴールデンイーグルスを保有している。三菱地所・ANA陣営は地元企業の仙台放送が参画している。

民営化への懸念として、税金で建設された国民の共有財産であるインフラを外資に叩き売りされることがある。この点、東急陣営はオーストラリアの投資銀行・マッコーリー銀行がファイナンシャル・アドバイザーとして参画している。東急電鉄は有料自動車道路事業・箱根ターンパイクの経営に失敗し、2004年にマッコーリーに売却している。
http://www.hayariki.net/sendai.html
東急が空港を運営する利点として東急グループが過去に日本エアシステム(JAS)に携わっていたことが指摘される(「仙台空港きょう民営化。東急だけでなく前田建設、豊田通商が参画する理由とは」日刊工業新聞2016年7月1日)。しかし、日本エアシステム(JAS)は経営難で日本航空(JAL)に実質的に吸収された失敗例である。その後のJALの不振もJASを背負い込んだことが遠因となるような厄病神である。東急にとってJASの過去はマイナスポイントである。

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