2016年5月4日水曜日

中国は民主主義に向かう

『中国は民主主義に向かう』は中国共産党幹部が中国の民主主義の進展を論じた書籍である。中国の民主主義の進展を好意的に評価している。著者が中国共産党幹部のために割り引いて考えるべきかもしれないが、日本の民主主義についても考えさせられる。
本書は冒頭でエンゲルスがマルクス主義の最も基本的な思想を「各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件となる」と答えたというエピソードを紹介する(16頁)。
これは衝撃的であった。正直なところ、マルクス主義に個人解放の思想というイメージを抱いていなかった。ソ連型社会主義は個人を抑圧する体制であった。ソ連型社会主義は歪められたマルクス主義で、真のマルクス主義ではないとしたとしても、労働者階級など人々を集団として捉え、個人を軽視する傾向が見られる。そこが日本の左翼の弱点であり、若者の貧困などの新しい問題や個別的問題への理解が乏しい要因と考える。
マルクス主義の基本的な思想が上記のようなものならば、自由主義者などとも、どのように解決するかという方法論の差異であり、目指すゴールは同じことになる。そのようなものならば、真の意味でのイデオロギーを超えた共闘も可能だろう。
興味深い点は中央官僚の腐敗と逆に村民組織は透明性が高いとの指摘である。日本の町内会や自治会の実態は古い家父長的体質が横行しており、とても民主的組織とは言えない。本書の記述が正しいならば、地域レベルの住民意識は日本よりも進んでいるかもしれない。
かつて農場が集団化されていた時代は中央官僚の視察時には農作物を官僚に贈与する悪習があった。

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