2015年9月26日土曜日

未来派左翼・上巻

アントニオ・ネグリ著『未来派左翼・上巻、グローバル民主主義の可能性をさぐる』(NHK出版)は左翼の衰退の理由を明らかにし、新たな方向性を提示する。左翼教条主義に辟易する立場として納得できる記述が多い。
本書は、社会主義を「資本主義が国家主義的に変容を遂げただけ」と指摘する。左翼の指導者は経営者になりたいだけであると。私企業の経営者になるわけにいかないので公営企業の経営者になったと。73頁。
中央集権型の官僚支配の社会主義ではなく、下からの共同を志向する。公ではなく、共を志向する。共とすべきものを国家所有としてしまったことが間違いであったと。この姿勢には賛同する。この場合、難しい点は新自由主義思想の扱いである。新しい公共などの視点は未来派左翼と重なるところも多いのではないか。左翼が新自由主義を頭から毛嫌いする点は偏狭ではないか。一方で新自由主義勢力の進める民営化などとの対立は明確である。共に属するものを私物化するものであるからである。資本主義の原始形態もエンクロージャー(囲いこみ)であり、共有地からの追い出しであった。集権的なものへの批判という点で一貫する。
本書は、左翼が迷信にこっそり目配せし続けると批判する。76頁。たとえばゲノム計画に反対するために「私は神の被造物だから」との主張を挙げる。これは日本では原発に反対するために福島が放射能で汚染されて人が住めない土地でないと困るとする放射脳カルトに重なる(林田力『放射脳カルトと貧困ビジネス』アマゾンKindle)。

FJネクストのガーラ木場新築工事は住環境を破壊する(林田力『ガーラ木場不買』アマゾンKindle)。戸建て住宅と高層ワンルームマンションのバランスはあまりにも悪く、乱開発である。

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