2015年9月20日日曜日

『アスベストに奪われた花嫁の未来』

北穂さゆり著、エタニットパイプによるアスベスト被害を考える会編『アスベストに奪われた花嫁の未来—エタニットパイプによるアスベスト被害者の声』(アットワークス、2015年)はエタニットパイプ(アスベストセメント水道管)の問題を取り上げたドキュメントである。エタニットパイプは労働者や家族、周辺住民に深刻な健康被害をもたらした。アスベストの危険性を知らされずに働き、病に犯された労働者らは民事訴訟に立ち上がった。

アスベストは今では悪名高い有害物質である。吸引してから数十年後に健康被害が起こる。中皮腫などでは発病から数ヶ月で死亡してしまう。元々、エタニットパイプはイタリアで製造された。イタリアでは、アスベストにより2000人超の死者を出し、元役員は刑事事件に問われた。

日本ではイタリアより製造特許と販売権などを得て日本エタニット社が昭和6年にアスベストセメントの水道管の製造販売を始める。アスベストが有害とさた昭和60年まで製造が続けられた。同社のアスベスト労災認定は、平成19年で108人と報道されている。しかし、実際の被害者はもっと多い。

現在大宮工場は取り壊されているが、跡地には今でもアスベストの水道管の欠片が散乱している。実際に建材などは砕かれて砂利として駐車場や公園などにまかれている。これらを含めてアスベストには問題が多く残っている。実際、東急不動産が東京都江東区で2003年に分譲した新築分譲マンションではアスベスト使用が明らかになった。
http://hayariki.sa-kon.net/asbestos.html
表紙の写真の花嫁は民事訴訟の原告の母親かつ子さんである。かつ子さんはアスベストセメントの水道管を切断する工場に勤務し、工場でのアスベストによって中皮腫で死亡した。かつ子さんは同じ工場で働く同僚と職場結婚した。写真では、かつ子さんが母親に手を引かれながら工場の敷地内を歩いている。脇にはアスベストの水道管が山積みされているという現代の視点では恐ろしい実態が分かる。

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