2015年7月5日日曜日

家政婦は名探偵書評

#小説 #読書 #書評 #新刊
『家政婦は名探偵』はヴィクトリア朝を舞台とした推理小説である。本書の特徴は使用人がチームを組んで謎解きすることである。探偵役の一人だけが真理を見通すという感じではない。そのために各キャラクターが活き活きとしている。ハウスメイドのベッツィと馭者のスミスは張り合うことが多いが、外部の人間には共闘する(222頁)。
本書ではアヘンを使って患者に秘密を喋らせ、それをネタに患者を脅迫する悪徳医師が登場する。ドクハラが社会的に認知されつつある日本でタイムリーな刊行になった。また、アヘンを人を害する道具として使っていることも現代的である。ヴィクトリア朝推理小説とアヘンと言えば、シャーロック・ホームズを連想する。ホームズは自己の快楽のためにアヘンを吸引していた。それは現代的な道徳観念からは受け入れられない。日本でも危険ドラッグが社会問題になっている。危険ドラッグ乱用者の運転でひき殺されるなど、興味本位で危険ドラッグを吸引した人の自業自得では済まない問題が起きている。本書の悪徳医師のような使われ方も考えられる。薬物犯罪は被害者のない犯罪ではないと実感した。

0 件のコメント:

コメントを投稿