2015年6月15日月曜日

革命の終焉

#小説 #書評 #歴史 #読書
佐藤賢一『小説フランス革命・革命の終焉』は小説フランス革命シリーズの最終巻である。前巻までにダントンもデムーランもエベールも断頭台に消え、テルミドール反動を残すのみになった。残された主役は、サンジュストとロベスピエールである。デムーランに感情移入して読んでいたために寛容派粛清の流れに腹立たしい思いがあった。本書では寛容派粛清がロベスピエールにも大きな傷を残した。
テルミドール反動は自壊という面もある。ロベスピエールは絶望の中で死んでいった。因果応報的である。ロベスピエールに好意を抱かない読者も納得できる書き方である。革命第一世代に比べると小物感のあったサンジュストであるが、最後は毅然としていた。ロベスピエールを主人公として、大河ドラマ的な主人公補正をすると、悪いのはサンジュストとすることも可能であるが、そのようにしていないことはジャコバン派のマイナス面に向き合っている。
フランス革命の挫折を分析するならば、自由や封建的な身分差別撤廃は確立できたが、貧富の差を解消しようとして抵抗されたということになる。自由や形式的な平等は達成できたが、貧富の格差は解消できていないという点は現代社会に重なる。進歩歴史観ではフランス革命をブルジョア革命と低く評価する傾向があるが、既に自然権として生存権を主張していた。
貧富の差の解消への支持を徳という精神論で押し付けようとしたところがロベスピエールの失敗である。カルト的なイデオロギー押し付けは現代日本の左翼過激派の失敗とも重なる。

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