2015年3月12日木曜日

立正佼成会附属佼成病院裁判

立正佼成会附属佼成病院裁判(平成26年(ワ)第25447号 損害賠償請求事件)は治療中の母親に対し、酸素マスクすらつけず、死に至らせたとして、兄夫婦(長男夫婦)と病院経営団体を相手に提起した裁判である。事件が係属する民事35部は医療専門部である。

論点は89歳で他界した母親の治療に最善が尽くされたかである。訴状は、原告の母が人工栄養の点滴や水分も与えず、酸素マスクもせずに、咽喉に痰が絡んでも看護師を呼ばず、咽喉に痰が詰まって亡くなったと主張している。

医師記録(カルテ)の2007年8月20日には「family (son)は延命につながる治療を全て拒否。現在Div.で維持しているのも好ましく思っていないようである」と書かれている。長男(息子son)は母親の延命につながる治療を全て拒否し、点滴(Div.: Drip Infusion into Vein)で生命維持していることさえ好ましくないと考えているとある。医師記録は上記に続けて「本日にてDiv.終了し、明日からED(注:経腸栄養療法Elementary Diet)を再開する」と記す。長男の要望で点滴を終了したことになる。

長男は8月27日にも医師の勧める高度医療を拒否した。医師記録には「……変更、増強したいところであるが、familyはやんわりとであるが、高度医療は拒否されている」とある。

9月3日には母親の呼吸状態が悪化したが、長男は酸素吸入(O2 inhalation)も断った。9月3日の医師記録には「familyの要望どおり、O2 inhalationも行わない→当直時間帯のみ許可」とある。夜間のみ酸素吸入を行ったため、日中に症状が悪化し、夜間に持ち直すという状態が繰り返された。

さらに長男が入院中の母親の経管栄養の流入速度(注入速度)を速めたことも判明している。原告の指摘に対し、兄の代理人は「長男が母親の点滴を早めたなどの主張をしておりますが、それは点滴ではなく流動食であり、何ら問題ないものです」と回答し、経管栄養(流動食)の流入速度を速めたことを認めた(平成20年7月4日付「ご連絡」3頁)。

経管栄養は医療行為であり、ミスをすれば患者を死に至らしめる危険のあるものである。「薬と毒は、生体に影響を与える物質という意味において、本質的に同じ物だ。どんな薬でも、分量や投与すべき状況を誤れば、それは患者の死に繋がる」(マスキングテープ『死に損ねた男』「第7話 舞い戻った男」)

医者が定めた流入速度を「時間がかかりすぎる」という理由で勝手に速めて良いものではない。国立がんセンターはウェブサイトで経管栄養について「栄養剤の注入方法」と題して「1日の必要量・経管栄養剤の種類は患者の個別性があるため、患者氏名・栄養剤の種類・量・流入速度を医師の指示表と確認して準備します。」と記載している。流入速度が速過ぎて下痢など患者の症状を悪化させた例は多い。被告長男の行為は不完全かつ危険極まりないもので、このような行為は厳しく責任を問われるべきものである。

現実に長男が経管栄養の流入速度を速めた後で母親は嘔吐している。「経過記録」の8月15日には「Bedに戻り臥位になった時嘔吐してしまう」と記録されている。その夜の16日1時過ぎにも嘔吐した。医師が診察し、医師記録には「原因判明するまでintubation feeding(注:経管食事法)は中止し、Div.(注:点滴)管理とする」と記された。その後、母親は点滴管理とされて小康状態になったものの、8月20日には前述のとおり、生命維持を長男が好ましく思っていないと記され、点滴を終了した。病歴要約には「ご家族は一切の延命的治療を望まれなかったため、DiV (注:点滴)とエンチベース(注:皮膚のかぶれ等にぬるボデイクリーム)のみとした」と記載されている。

これらの治療拒否は被告である長男の独断で実施され、ことさら苦しめてまだ生きられる母の命を縮めて絶ったとしている。長男は経管栄養の流入速度も速めた。これは患者の健康に深刻な影響を及ぼしうるものである。酸素吸入によって取り除ける苦しみを取り除こうとはしなかった。高齢者虐待ともいえる事件である。
http://beauty.geocities.jp/souzoku_nakano/kosei1.html
ブログでは以下のように紹介されている。「兄は、「母親の介護は地獄だ、年に不足はない。親が先に死ぬのはよい」と発言しており、また、死の前日には葬祭会社と契約をしていたことから、不作為の殺人とすら思える」(「埼玉の女性が裁判で問う「命」」アドバンテッジ被害牛角株主のブログ2014年10月18日)

病院(東京都中野区)から患者の長女である原告に対して、延命治療についての説明や、中止するにあたっての説明がなかったとしている。

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