2015年3月10日火曜日

女王の花

#女王の花 #読書感想 #review #BOOK
タイトルの女王の花は千年に一度だけ咲き、どのような願いもかなえてくれるという伝説の花を意味する。
『女王の花』2巻は主人公が戦場に赴く。隣国の王子からの縁談話も舞い込む。主人公は母親を毒殺した相手への強い復讐心を持っている。そのために力を持ちたいと思っている。しかし、権力欲は持っていない。権力を持つ立場にあったとしても、そのようなものは捨ててしまいたいと思っている。それを語る主人公が清々しい。天下万民のためというような偽善臭漂う動機よりも、個人の思いを貫く主人公に共感する。
日本では右翼も左翼も個人よりも国家・社会という全体主義的な傾向が強い。そのような日本だからブラック企業という特殊日本的なものが存在してしまう。

『女王の花』は古代中国風の架空の国の王女を主人公とした少女漫画である。史実とは無縁の物語であるが、中国の故事成語が引用され、歴史的な雰囲気を盛り上げる。小学館漫画賞を受賞した。
少女時代の王女の置かれた状況は過酷である。後ろ楯のない主人公が己の才覚と信頼できる人々の助力で女王になる展開が予想される。しかし、その割には主人公は本当の意味で賢くない。主人公には相手をギャフンと言わせる才覚はある。それは心地よいくらいである。ところが、それによって主人公の立場は悪くなってしまう。そのため、後先考えないという批判も出てくるだろう。完全無欠の存在ではない。一方で王子様を待つだけのお姫様でもない。現代女性が感情移入しやすい物語である。完全無欠の聡明さを備えていなければ英雄になれないならば味気ないだろう。
物語のヒーローは金髪碧眼の奴隷の少年である。金髪碧眼を気持ち悪いものと忌避する人が多い中で主人公は綺麗と言う。これが忠誠を誓う動機になる。単純であるが、力強い動機である。

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