2015年2月7日土曜日

イスラム国かISILか

呼称の問題は少しだけですが、以下でも言及されました。
日本海賊TV 2015.02.06 � 金曜8時は今週のふりかえり 山内和彦 林田力 山口あずさ 井筒高雄:
https://www.youtube.com/watch?v=bSyt_cZ394w

もしイスラムと呼ぶことが不適切ならばISとの表記自体が不適切です。
Islamic Stateの略ですので、英語が分かる人にはイスラム国そのものです。
英語が分からない人に対する、ぼかし以上の効果はないと思います。
また、ISILと表現することは、イスラム国の支配地域を越えて、東地中海地域を含むことになるため、誇大広告になり、不適切です。
ここまでは先のメールで言及しました。

ISILと表現した場合に「アイエスアイエル」ではなく、「アイスル」と読むことには問題があります。
それはアラブ諸国でイスラム国に敵対する政治勢力がイスラム国をダーウィッシュと呼んでいることと構造的には変わらず、イスラム国を侮蔑することになるためです。
イスラム国に敵対する政治的立場の人々が使うことを否定しませんが、それは全ムスリムに中立的な表現というようなものではなく、他者に使用を要求するものではありません。

イスラム国の人々は自分達こそがイスラムの正道と考えています。
サラフィー主義という政治思想あり、言われるほど極端で異常な勢力ではありません。
世俗的なムスリムの人々が「イスラム国はイスラムではない」と考えることは理解しますが、それも多様なイスラムの中の一つの考えに過ぎず、それが唯一絶対というものではないと考えます。「イスラム国はイスラムではない」という主張も一つの政治的立場を反映したものです。

「イスラム国という名称を使うな」は「日本のイメージが悪くなるから日本赤軍を別の呼称に言い換えよう」というようなものと感じています。

ここからは脱線しますが、どうも日本の所謂市民派は、アラブの人々との連帯と言った場合に世俗的で社会主義と親和性のあるアラブ社会主義的な人々を善玉と見る傾向が強いように思えます。ここはナセル大統領をリアルタイムで英雄と賞賛していたような世代とは共有できないギャップがあるかもしれませんが、アラブ社会主義は冷戦構造(ソ連の後押し)があってのもので、シリア・アサド政権やイラク・フセイン政権のような独裁権力の維持には役立ちましたが、アラブ社会の地に足ついた政治思想ではなかったと思います。逆にサラフィー主義の方が欧米イスラエルへの対抗軸として自然です。冷戦時代的な社会主義寄りの姿勢で、サラフィー主義勢力を軽視・否定するならば、苦しみ怒れるアラブの人々との真の意味の連帯にならないと思います。

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