2015年2月26日木曜日

ガンダム・アグレッサー、連邦の腐敗

#新刊 #review #本が好き #SF
『機動戦士ガンダム・アグレッサー』は一年戦争のサイドストーリーである。主人公はジオン公国兵士であったが、地球連邦に亡命し、元ジオン関係者らで構成される地球連邦軍アグレッサー部隊でジオン軍と戦っている。
この枠組みは、あまり面白いものではない。ガンダム世界において連邦は腐敗、卑怯、卑劣、非効率、官僚体質というマイナスイメージの象徴になっている。本来は敵であるジオンに感情移入するファンも多い。デラーズフリートのように、そのようなファンを念頭に置いた作品もある。故にジオンを裏切って連邦で戦うという設定自体に残念な感覚がある。
しかし、本書は主人公が連邦に属するからこそ、連邦の腐敗や無能、差別意識を十分に描いている。連邦にも主人公らを受け入れる士官はおり、だからこそ主人公らも活躍できるが、そのような士官の方が逆に嘘臭く感じるほど連邦の腐敗に迫っている。
主人公らはジオンが民間人を虐殺したことを問題視している。これは正しいが、本書でもジオン兵は人質を殺さずに逃走する一方で、連邦は人質の生命を気にせずに攻撃を仕掛けるなどジオン兵の方が騎士道精神を持っている。やはりガンダムは連邦を嫌悪し、ジオンを応援したくなる。林田力

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