2015年2月14日土曜日

林田力書評・へうげもの

#漫画 #茶の湯 #戦国時代 #江戸時代
『へうげもの』は武将茶人・古田織部を主人公とした歴史漫画である。現代人的な感性で語られ、時代考証的にはありえない作品であるが、当時はアヴァンギャルドであった茶の湯の真髄を意外と突いているように感じられるから不思議である。
本書では千利休が黒を好む理由も語られる。わびさびという枯れた感じでは必ずしもない。軍船の色を黒で塗るべきと信長に進言するように黒の使い方も茶の湯に限られない。実際のところ、千利休は羽柴秀吉が恐れるほどの野心家であった。
黒の価値は大名物などのアンチテーゼとして存在する。大名物などの否定ではなく、それらの素晴らしさが前提になる。それを忘れてブラックイズビューティフルとなるならば滑稽である。
物語は織田信長の家臣時代から始まる。松永弾正の最後の謀反のタイミングである。平ぐもを抱えて自爆する有名なエピソードである。松永弾正の言葉は古田織部の最後を思うと意味深長である。本書は織田信長を新時代を作る魅力的な主君として描かれている。それ故に謀反を起こすという面白い視点を提示する。

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