2014年12月14日日曜日

中央区と江東区の明暗

#江東区 #中央区 #東京都 #バス
東京都BRTの中央区と江東区の明暗
林田力
東京都が進める東京都心部と臨海副都心を結ぶ公共交通は、中央区と江東区で明暗が分かれそうである。山崎孝明・江東区長が東京都に要望した湾岸ロープウェイは実現しそうにもない。認識が甘すぎたと言えるだろう。

東京都は2014年8月に都心と臨海部を結ぶ公共交通機関を整備する計画を発表した。「都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通に関する基本指針」はBRT(バス高速輸送システムBus Rapid Transit)を念頭に置いており、この時点で江東区長のロープウェイ構想は分が悪かった。中央区の「基幹的交通システム」構想では将来的にはLRT(次世代路面電車)の可能性も入れつつ、当面はBRTを想定していた。

東京都は導入する交通システムやルートなどの検討を行う「事業協力者」を募集し、7件の応募があった。提案内容は全てBRTだった。基本指針発表の時点で江東区側はBRTに決定した訳ではないと説明していたが、ロープウェイは事業者にとっても現実性ある計画ではなかったことになる。

東京都と中央区は蜜月ぶりをアピールする。中央区環境政策課側が「これまでも都の協力はあったが、より実現に近づいた」と期待すれば、東京都都市整備局交通企画課側も「中央区のニーズにも対応できるルートが出てくると思っている」と話す(小佐野カゲトシ「BRTはどこから? 新拠点相次ぐ東京バス新時代」ケンプラッツ2014/11/28)。

その結果、江東区が割を食うことにならないか懸念される。交通機関の整備はロープウェイ構想の敗北、BRT採用で終わる話ではない。どのルートを通るかなど江東区民と中央区民で利害が対立する問題もある。その際に当初からBRTを検討していた中央区と、ロープウェイという明後日の方向を見ている江東区の何れの意見が重視されるか。最初からロープウェイ構想にはニーズや実現性などが疑問視されていたが、そのような構想が区から公式に提起されたことは今後の江東区の発言権を弱め、区民に無形の損失を及ぼしかねない。

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