2014年7月12日土曜日

二子玉川ライズ反対運動

イムスジョン『建築紛争に周辺住民とデベロッパーの「共同利益」の成立可能性ー世田谷区二子玉川再開発反対運動を事例にして』は二子玉川ライズの問題を取り上げた論文である。東京都世田谷区玉川の二子玉川ライズは東急電鉄・東急不動産中心の再開発であるが、超高層ビル中心の計画が住環境を破壊するとして住民から反対運動が起きている(林田力『二子玉川ライズ反対運動1』Amazonキンドル)。二子玉川ライズ・オフィスのビル風で転倒者が出るなど深刻な問題を起こしている。
二子玉川ライズにはショッピングセンターや分譲マンションなど営利目的ばかりで公共施設がないという批判がある。その中で東急は再開発ビルから約50平米を無償で世田谷区に提供し、世田谷区は図書の予約・貸し出し・返却サービスを提供する図書館ターミナルを提供すると発表した(85頁)。
これを本論文は「東急は、速効性のある経済的利益から「利益」の捉え方を広げ、地域貢献を通じた新たな可能性を見つけたのではないだろうか」と評価する(86頁)。これを企業と住民間の「共同利益」の達成の事例とし、「地域において、こうした小さな協議成果が積み重なることによって今日の土地所有権の絶対性と排他性が崩れていく可能性が生まれるのではないだろうか」と展望する(87頁)。
本論文の特徴は東急側の無償提供という譲歩を企業と住民の共同利益と見ていることである。そして、そこに土地所有権の絶対性と排他性を崩す可能性を見ている。
但し、その共同利益は、本論文のタイトルに可能性とあるように、未だ可能性にとどまる。

二子玉川RIZEの喫茶店のコーヒーはただ酸っぱいだけで、疲れた気分が癒えるどころか逆に重たくなってしまった。東急不動産のせいで無意味な疲労とモヤモヤしたものばかりが日々募る。

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