2014年2月4日火曜日

サイン会の死

『サイン会の死』は本屋の町を舞台にしたミステリーのシリーズの二作目である。ミステリー専門書店の女性店主が主人公である。人気作家のサイン会で当の人気作家が殺害される。素人探偵が事件を解決する展開はミステリーの王道である。本書は警察(保安官)が主人公に敵意を持ち、非協力的な中で推理しなければならない。警察が素人探偵に捜査情報を教えるなど便宜を図る作品に比べて、リアリティーがある。
しかも店舗が殺人現場になったために主人公の店は警察の捜査のために閉店を余儀なくされる。事件に巻き込まれたために経済的打撃を受ける点にもリアリティーがある。生活上の課題をこなす中での素人探偵の活動であり、捜査は中々進まない。後半は、かなり予想できるようになってくるが、最後の最後で読者は主人公ともども裏切られる。主人公はミステリー好きであり、ミステリー作品のような華麗な謎解きで事件を解決しようとするが、現実はうまくいかない。
エンターテイメント色の強い作品であるが、雇い主が健康保険を提供しなければ従業員は病院で治療を受けることも躊躇するアメリカの社会保障の貧困も描かれる。問題点があるにしても、日本の健康保険制度の価値を改めて実感する。

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