2013年1月31日木曜日

ルパン三世お宝返却大作戦v林田力レビュー

ルパン三世お宝返却大作戦はテレビスペシャルである。死亡した大泥棒マークのトリックダイヤを獲得するため、彼の遺言にしたがって、彼が盗んだ品物を元の場所に返却していくという一風変わった展開である。
敵勢力には次元大介や石川ゴエモンの好敵手が用意されており、バトルも充実している。オートマチックへの嫌悪など次元の狙撃手としての職人的なポリシーが披露される。銭形警部とルパンの逮捕・逃走シーンは似たような展開を繰り返しており、笑いを誘う。林田力wiki
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ブラック士業研究

ブラック士業は人間を廃人や脱け殻に変える場所である。ブラック士業の幹部は手柄の横取りと責任転嫁に終始する。ブラック士業に良心を求めることは暗雲の垂れ込める空に晴れてくれと説得するようなものである。
ブラック企業が社会問題になっているが、ブラック法律事務所(ブラック弁護士法人)の問題も認識されつつある。悪徳弁護士だけでなく、悪徳行政書士や悪徳社労士を含めてブラック士業とも呼ばれる。ブラック法律事務所は三重の意味でブラックである。
第一に世の中のブラック企業と同様に従業員を酷使して使い捨てにする。労働法無視の法律事務所である。法を守る弁護士が率先して労働法を無視する点で世の中のブラック企業以上に悪質である。
第二にブラック法律事務所はブラック企業の指南役になっている。ブラック法律事務所がブラック企業に違法なパワハラや給与カット、サービス残業強要などの悪知恵をつけている。業種も異なり、互いに接点のないブラック企業が同じようなブラックな手口を採っていることを不思議に思ったことはないだろうか。これはブラック法律事務所が複数のブラック企業の顧問弁護士となってブラックな手口を指導しているためである。ブラック法律事務所の撲滅がブラック企業撲滅の第一歩である。
第三にブラック法律事務所は弁護士への信頼を破壊する。サービス業のブラック企業は低価格で消費者にサービスを提供する側面もある。しかし、ブラック法律事務所はブラック企業のような違法前提の依頼人を除いて関係者に害悪しか及ぼさない。利益至上主義のブラック法律事務所にとって一般の依頼人は搾取の対象である。
ブラック法律事務所の最大の被害者は訴訟や交渉の相手方である。依頼人は騙された面があるとしても、自らの選択でブラック法律事務所に依頼した。これに対して相手方は巻き込まれた存在である。ブラック法律事務所からデタラメな根拠で損害賠償を請求されたケースがある。
ブラック法律事務所はゼロゼロ物件などの貧困ビジネスもクライアントにする。ゼロゼロ物件では家賃滞納者への暴力的な追い出し行為が社会問題になった。住まいの貧困に取り組むネットワークなどの活動で、追い出し屋への社会的な批判も高まった。このためにゼロゼロ物件業者はブラック法律事務所を代理人にして建物明け渡し請求をする方向にシフトしている。真っ当な弁護士ならば手掛けない貧困ビジネスをブラック法律事務所では企業法務と称している。林田力wiki
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村上さとこ落選で山本太郎幻想も消滅

くまモン政治利用が問題視された村上さとこ候補は北九州市議会議員選挙で落選した。小倉北区で最下位である。北九州市議会議員選挙は参議院議員選挙の前哨戦と位置付けられる。山本太郎が熱心に応援した村上さとこの惨敗は脱原発政党に放射脳との距離を置く必要性を改めて示唆している。
先の総選挙で山本太郎は石原相手に七万票を獲得した。ここから参院選に期待する向きがあったが、北九州市議会議員選挙の結果は山本太郎の集票力のメッキを剥がした。総選挙で山本太郎は「あと一週間あれば」と述べたが、実態は時間が経てば経つほど山本太郎の実像に呆れて票は離れていく。山本太郎の七万票は短期決戦故のものである。実際のところ、総選挙では多くの候補者が期間の短さに泣かされたが、山本太郎に限ればもっと早くに出馬表明をすることもできた。後だしジャンケン的な出馬表明は他の候補にも迷惑をかけた。出馬表明後の用意周到さを踏まえれば後だしジャンケンを意図していたと考えることは不自然ではない。従って参議院議員選挙で七万票の勢いを維持できると考えることは過大評価である。
山本太郎が撹乱要因にしかならない背景として、村上さとこ陣営の選挙戦術がある。村上さとこ陣営は既成政党全てを否定するキャンペーンを展開した。村上さとこは市民派を自称するが、脱原発で共闘を求める市民派とは相容れない放射脳カルト的な偏狭さである。脱原発政党も含めて既成政党全てを批判することに意味がないと主張するつもりはない。しかし、村上さとこ陣営の主張は「福岡市議会はオール与党」というものである。オール与党との言葉は既成政党の宣伝文句である。それを借用する陣営の底は浅い。
村上さとこの選挙は脱原発政党が放射脳カルトを相手にしてはならない理由を明らかにした。
山本太郎支持者も村上さとこ支持者も公職選挙法を露骨に無視する点で共通する。北九州市議会議員選挙期間中にも、あからさまに村上さとこを宣伝する呟きがTwitterに溢れていた。これは衆議院議員選挙期間中の山本太郎応援ツイートと同じである。
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/
福岡県北九州市の瓦礫焼却阻止の活動家で北九州市議会議員選挙に小倉北区から立候補した村上さとこ氏が熊本県のゆるキャラ「くまモン」を政治利用して問題になっている。村上さとこ氏のブログには「くまモンが熊本から応援に来た」とあり、くまモンの被り物をした人物と一緒に写った写真を掲載した。熊本県のマスコットを自己の主張に有利に政治利用しているとして問題になっている。熊本県などに通報を呼び掛ける声が出ている。
そのブログ記事には山本太郎から「守る」と書かれたパーカーを受け取ったとし、山本太郎と同じものを守っていくと述べている。山本太郎は落選後に「自民党や公明党に投票した人物以外の命を守る」と述べた人物である。差別を公言する人物を支持する見識は疑われる。
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2013年1月30日水曜日

ブラック企業v林田力amazon

ムネカタスミト『ブラック企業の闇—それでもあなたは働きますか?』晋遊舎、2008年
恵比須半蔵『就職先はブラック企業—20人のサラリーマン残酷物語』彩図社、2008年
恵比須半蔵『実録・ブラック企業の真実』彩図社、2009年
恵比須半蔵『あらゆる就職情報は操作されている 〜ブラック企業が仕掛ける就活のワナ〜』扶桑社、2012年
恵比須半蔵作、ichida画『うちの会社ブラック企業ですかね?』彩図社、2012年
蟹沢孝夫『ブラック企業、世にはばかる』, 光文社新書, 2010年
今野晴貴『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』文藝春秋、2012年
笹山尚人『人が壊れてゆく職場—自分を守るために何が必要か』光文社新書、2008年
間宮理沙『内定取消!終わりがない就職活動日記』日経BP社、2010年
「「ブラック企業」見分け方学ぼう 就活学生、研究し自衛」朝日新聞2011年1月14日
週刊ニュース深読み「就活の落とし穴! "ブラック企業"にご用心"」NHK総合2012年12月1日
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新世界より下巻v林田力Amazon

『新世界より』は超能力が使える千年後の関東地方を舞台としたSFホラー小説である。アニメにもなった。
千年後の世界は文明は崩壊し、人々は牧歌的な生活を送っていた。人間社会は呪力と呼ばれる超能力で支えられていた。ユートピア的な世界であったが、実はディストピアであった。
世界観設定には舌を巻くが、感情移入しにくい点は主人公が体制側の人間になることである。社会の維持安定のために不安分子を排除することは管理統制社会そのものである。主人公の親友に大人達の欺瞞を明白に語らせている。この展開では主人公が体制を破壊する側に立つことが自然であるが、そうなっていない。反対に虐げられ、搾取されてきた生物への無理解も露呈する。
体制の中から体制を変えていくという試みも意味があるものである。妄想的な革命家よりも余程真面目に社会を考えている。しかし、『新世界より』では主人公は指導的立場に立つことを期待された存在であり、大人が敷いたレールの上を走っているだけとも受け取れる。

超能力が使えたらいいと思うことは少なくない。『新世界より』は超能力が使えるようになった場合の問題点を明らかにする。超能力は人間の意識によって物理法則に影響を与える。超能力が使えるならば人間の深層意識が世界に影響を及ぼすことも考えられる。その怖さを『新世界より』は描いている。林田力wiki
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2013年1月29日火曜日

藤井哲夫『僕はビートルズ』

藤井哲夫原作、かわぐちかいじ作画『僕はビートルズ』はタイムスリップ物の漫画である。ビートルズのコピーバンド「ファブ・フォー」の4人組(ショウ、マコト、コンタ、レイ)が、ビートルズがデビューする前の1961年の東京にタイムスリップする。そこでビートルズの楽曲を発表し、自分達がスターになろうとする。

伝統的なタイムスリップ作品ではタイムスリッパーが何とかして元の時代に戻ろうと悪戦苦闘する。最後は元の時代に戻るという展開が定番であった。一方で『戦国自衛隊』のように戻らない作品も登場している。『信長協奏曲』のように主人公に戻ろうとする意識の低い作品もある。『信長のシェフ』のように記憶喪失になり、元の時代への望郷の念を持ちようがない作品もある。かわぐちかいじ『ジパング』もタイムスリップで戻らない作品であった。この流れに『僕はビートルズ』も属する。タイムスリップ物の新たなスタイルが生じている。(林田力)
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2013年1月28日月曜日

デジコンNPOが破産v=?iso-2022-jp?B?GyRCTlMbKEI=?=田力

世田谷区デジタルコンテンツ問題の元凶のNPOが破産した。このNPOは世田谷区からデジタルコンテンツ産業集積の名目で補助金を受け取りながら、総務省から不正を指摘された後に事業中止となった。破産によって世田谷区が補助金を回収できる見込みが著しく低減し、税金の無駄遣いが一層露骨になった。世田谷区は補助金返還の契約でNPO法人役員を連帯保証人とすべきであったなどと批判されたが、批判の正しさが証明された形である。
問題はNPO法人側が、破産の原因が世田谷区にあると非難していることである。即ち、総務省の不正指摘に世田谷区が過剰反応し、補助金返還を強硬に貫いたことが破産の原因と主張する。しかし、総務省から不正を指摘されたNPO法人について世田谷区が補助金支出者として点検することは正当である。世田谷区の補助金返還請求も交付額を大幅に圧縮した大甘のものである。むしろ世田谷区は強硬に補助金を回収すべきと批判されている程である。この問題では住民監査請求、住民訴訟が起こされている。また、デジコン問題の徹底解明を求める請願も世田谷区議会に提出された。
デジコン事業は熊本前区政で決まったもので、保坂区長は本来ならば尻拭いをさせられる被害者的な立場である。問題を徹底的に明らかにすることが、NPO法人の世田谷区への責任転嫁の対抗策である。林田力wiki
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/

安倍晋三首相脅迫メールで書類送検

安倍晋三首相の殺害を予告するメールが相次いで送られた事件で、警視庁などの合同捜査本部は近く、岡山県に住む20代の無職の男を偽計業務妨害容疑で書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。またメールには一連の遠隔操作事件への関与を示唆する記述もあったが、無関係だったことが確認された。
捜査関係者によると、男は2012年10月上旬、首相官邸に「安倍総裁を殺す」などと記したメールを6通送信し、自民党本部の警備を強化させるなど業務を妨害した疑いが持たれている。
捜査本部はメールの送信元を特定し、11月に男を聴取したが、男は「ウイルス感染したかもしれない」と否認していた。しかし男のパソコン(PC)を解析したところ、感染の形跡がないことが判明。男はその後、容疑を認めたという。
捜査関係者によると、男は公共施設のPCからも脅迫メールを送っていたとみられる。男は捜査本部の聴取に別の脅迫メールを送信していたとも明かし、実際に被害があったことが確認された。男のメールには「他人のPCを踏み台にしている」などと遠隔操作事件の「真犯人」を示唆する表現もあり、捜査本部が関連を調べていた。
同種の犯罪事件に東急不動産係長逮捕事件がある。東急不動産(金指潔社長)ソリューション営業本部係長・高田知弘容疑者が顧客女性に嫌がらせ電話を繰り返したとして2010年8月18日に逮捕された。被害者は大阪府堺市のホテル運営会社の女性社長である。運営会社は2009年10月、東急不動産とコンサルタント契約を締結したが、契約内容や支払いに関してトラブルになっていた。高田容疑者は東急不動産側の担当者で、2009年12月から2010年6月にかけ、取引相手であったホテル運営会社社長の携帯電話に番号非通知設定で、嫌がらせ電話を繰り返したという。
嫌がらせ電話の内容や回数はソースによって区々である。ほとんどが無言電話であったが、「壊れろ、壊れろ」という呻き声で女性を畏怖させたこともあったとされる。また、回数は最低でも数十回であるが、約200回との情報もある。
高田容疑者は「社長とトラブルになり、恨みを晴らしてやろうと思った」と述べている。東急不動産は9月3日付ニュースリリース「弊社社員の逮捕について」で、「お相手の方、及び弊社のお客様、お取引先などの皆様には多大なご迷惑とご心配をお掛けし、深くお詫び申し上げます」と述べた。
http://hayariki.x10.mx/

世田谷区デジコン事件のNPOが破産

世田谷区デジタル・コンテンツ問題の元凶となったNPO法人ディジタル・コンテンツ・インスティテュート(DCIn)が破産した。このDCInは世田谷区から「デジタル映像コンテンツ産業誘致集積支援事業」の補助金として約2000万円を受け取り、「二子玉川ライズ オフィス」に入居したが、資金調達困難を理由として2011年6月に事業から撤退した(林田力『二子玉川ライズ反対運動3』「税金たかりの二子玉川デジタル・コンテンツ問題」)。
この時点からDCInに支払った補助金は税金の無駄遣いと批判されていたが、破産によって世田谷区が補助金を回収できる見込みが著しく低減し、税金の無駄遣いが一層露骨になった。世田谷区は補助金返還の契約でDCIn役員を連帯保証人とすべきであったなどと批判されており、その批判の正しさが裏付けられた形である。
問題はDCIn側が、破産の原因が世田谷区にあると非難していることである。総務省の立入検査や報道に世田谷区が過剰反応し、補助金返還を強硬に貫いたことが破産の原因と主張する。しかし、総務省から不正を指摘されたNPO法人について世田谷区が補助金支出者として見直しすることは正当である。
世田谷区の補助金返還請求も交付額を大幅に圧縮した大甘のものである。むしろ世田谷区はもっと強硬に補助金を回収すべきと批判されている程である。デジコン問題では住民監査請求、住民訴訟が起こされている。また、「「デジコン映像事業の破綻」の真相究明と産業振興政策の見直しを求める請願」が世田谷区議会に提出された。
デジコン事業は熊本哲之前区政で決まったもので、保坂展人区長は本来ならば尻拭いをさせられる被害者的な立場である。問題を徹底的に明らかにすることが、DCInの世田谷区への責任転嫁の対抗策である。
http://www.hayariki.net/shimokita.html

2013年1月27日日曜日

東急不動産係長と就職ジャーナル編集長の脅迫事件

世の中には卑劣な犯罪者がいる。女性を脅迫した東急不動産係長や就職ジャーナル編集長が一例である。安倍晋三首相脅迫メール送信者も該当する。安倍首相脅迫メール送信者は、安倍首相の殺害を予告するメールを繰返し送信した。東急不動産係長は契約トラブルになった顧客女性に脅迫電話を繰り返した。就職ジャーナル編集長も女性を脅迫した。いずれも卑劣な犯罪者である。
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/
安倍首相脅迫犯は遠隔操作によるものと言い訳したが、ウィルス感染は確認されなかった。東急不動産係長逮捕事件では東急不動産係長の犯罪を明らかにした人が誹謗中傷のターゲットになっている。

二子玉川ライズでも武蔵小杉でもビル風

二子玉川ライズではビル風被害など近隣住民の生活に支障が生じている。高層ビルのビル風は川崎市中原区の武蔵小杉でも問題になっている。23階建てビルの前は地元で「突風が吹く」と悪評高い場所である。2012年夏に住民運動が通行人105人に聞きとったところ、「傘が壊れて困る」「母が転んで眼鏡が壊れた」など89人がビル風を経験したり、見聞きしたりしていた。転んで骨折し、3カ月入院したと答えた人もいた。
中原区内の女性(71)は、ビル前の交差点で強風にあおられて自転車に乗ろうとしたところ転倒し、右手の薬指を負傷した。「しがみついても吹き飛ばされそうになるぐらいだ」(「高層マンション 建設続く武蔵小杉」朝日新聞神奈川版2012年11月11日)
二子玉川ライズのような営利施設を風致地区に作る意味も問われている。二子玉川ライズは分譲マンション(二子玉川ライズ タワー&レジデンス)、商業施設(二子玉川ライズ ショッピングセンター)、賃貸オフィス(二子玉川ライズ オフィス)と営利施設で占められている。「十分な広さの敷地がある東京湾臨海部に新築したほうがよい」との意見もある。
http://www.honzuki.jp/book/202887/
しかも、二子玉川ライズには膨大な税金が投入されている。二子玉川ライズは補助金あっての事業である。補助金に甘える東急グループが市場から評価されることはない。二子玉川ライズの建設費や補助金に対しては「収益性を検討した上での予算なのか」「この資金を東日本大震災の復興支援に回すべき」との声が出ている。
住民無視の二子玉川ライズはスマートシティにはなり得ない。「現地では、長年培われた文化や生活、習慣がそれぞれあります。そこで暮らす人々が望むような都市にするための仕組みを作ることが、スマートシティの肝でしょう。」(田中芳夫「現地生活を体験せずして実現できず 誰のためのスマートシティなのか(その4)」日経ビジネスオンライン2013年1月18日)
二子玉川ライズは人口減少が進む30年後を考えていない。二子玉川ライズの維持管理コストは将来の懸念材料である。高層化すれば維持費がかさむ。2012年12月の中央自動車道笹子トンネルの崩落事故は、インフラ老朽化の深刻な実態を改めて浮き彫りにした。超高層マンションでは大規模改修が必要になった時、高齢化した入居者が費用を払えずにスラム化する危険が高い。

市民派から見た緑の党の評価

緑の党は今後の選挙で注目すべきアクターである。脱原発の運動は色々とあるが、緑の党は政党として立ち上がった点が大きな特徴である。

単純に脱原発を進めたいという考えならば既存の脱原発議員を応援する圧力団体となる選択肢もあった。政党として結成したところには脱原発を標榜する既成政党を否定する意義がある。電力産業の労働組合に支えられている政党や科学の発展を無自覚に肯定するイデオロギーを持つ政党では根本的な脱原発にはならないという思いがある。

環境に軸足を置く緑の党は脱原発のみならず、開発優先の土建国家の根幹へのアンチテーゼとなる。これまで革新政党でも土建国家を根本的に批判できなかった。むしろ開発利権のおこぼれを中小企業にまわすことを主張するだけとの限界を感じることも少なくなかった。

それ故に最初から既成政党と共闘を進めることは緑の党にとって自己否定となる。消去法で既存の革新政党に投票していた不満層の票を奪うぐらいの勢いが欲しいところである。現実問題としても単独で議席を取れるくらいの力がなければ、他党は対等の相手として協議のテーブルにすらつかないだろう。この点において環境問題などに取り組んできた地方議会の無所属議員が緑の党に合流していることは大きな希望である。

緑の党が政党として存在感を示すことは政党政治を活性化させる。往々にして民主党などと同一歩調をとりがちな社民党も、緑の党の存在で安易なすり寄りがしにくくなる。共産党も自分以外の政党をオール与党と批判する特権的立場を失うことになり、これまで以上に世論に敏感にならざるを得ない。
http://hayariki.net/8/29.htm
何よりも有権者にとって選択肢ができる。共産党や社民党の支持者が皆、共産主義や社会民主主義を信奉している訳ではない。現体制への批判票として、極論すれば仕方なく革新政党に投票している人も少なくない。共産党や社民党の票が緑の党に流れたとしても、それは票の横取りではなく、正しい受け皿ができたという歓迎すべき結果になる。

一方で緑の党のオルタナティブ性には危険がある。緑の党の主義主張は本来ならば社会民主主義や共産主義のイデオロギー政党よりも幅広い市民に訴求できる。しかし、放射脳カルトなどの異常者が入り込み、主導することでイデオロギー政党以上に偏狭なカルト政党に陥る危険がある。それでは良識的な市民を離反させる。

放射脳は実に苦しむ国民の生活課題から乖離している。その種の問題を一生懸命に拡散しても市民の共感は得られない。むしろ直面する生活課題から目をそらすために有害である。放射能汚染などの不安を煽ることで一時的に頭の弱い人の支持を得られる可能性があるが、良識派は離反する。不健全な快楽のために健康を蝕む脱法ハーブと同じである(林田力「山本太郎の立候補に批判」真相JAPAN第134号、2012年12月4日)。

コンフォリア・レジデンシャル投資法人の魅力なさ

東急不動産物件の魅力のなさである。東急不動産のマンションブランドは評判が悪い。分譲マンションではドエルアルスやアルス、ブランズなど名前を変えることで悪評から逃げていると分析できる。ドエルアルスは欠陥マンションで有名であり、アルスは東急不動産だまし売り裁判で有名である(林田力「東急不動産のブランズBRANZ統一は成功するか」PJニュース2010年8月18日)。

コンフォリア(COMFORIA)は東急不動産の賃貸マンションのブランド名である。「コンフォリア日本橋が手数料なしに」などの宣伝文句で入居者を集めている(2013年1月確認)。これは貧困ビジネスとして社会問題になっているゼロゼロ物件と同じ宣伝手法である。また、コンフォリア浅草橋は「☆キャバ・風俗・ホスト・水商売 賃貸情報☆台東 1K 駅近5分!」と紹介されている。
http://hayariki.zero-yen.com/cul/11.htm
主な物件にコンフォリア麻布十番、コンフォリア愛宕、コンフォリア市谷柳町、コンフォリア恵比寿、コンフォリア大山、コンフォリア御茶ノ水、コンフォリア亀戸、コンフォリア北沢、コンフォリア銀座EAST、コンフォリア九段、コンフォリア笹塚、コンフォリア芝公園、コンフォリア新宿御苑、コンフォリア代官山、コンフォリア中野、コンフォリア東池袋EAST、コンフォリア東中野、コンフォリア西麻布、コンフォリア二番町、コンフォリア日本橋、コンフォリア原宿、コンフォリア原宿NORD、コンフォリア碑文谷、コンフォリア三田伊皿子坂、コンフォリア南青山、コンフォリア三宿、コンフォリア目黒長者丸、コンフォリア両国サウスなどがある。

コンフォリア・レジデンシャル投資法人の物件は「正直、無個性過ぎて褒めるところもありません」と評される。「設計担当もやりがいないだろうなあという感じ。キラリと光る感じもない。設計コストから削ってるんだよと言われるとお見事ですが、不動産屋としてはもっと愛着を持ってほしい」(「コンフォリア・レジデンシャル投資法人のすべて&仮条件決定」こちら新宿J-REIT研究所!(仮)」)。これは「売ったら売りっぱなし」で物件への愛着の欠片もない東急不動産の実態を突いている。

物件の魅力のなさは商業施設やオフィス中心のアクティビア・プロパティーズ投資法人も共通する。アクティビア・プロパティーズ投資法人の保有物件には東急プラザ赤坂、エビスキュープラザ、東急プラザ表参道原宿、新橋プレイスなどがある。東急プラザ表参道原宿は「魅力のない店ばっかり」「もっと個性的なものが良かった」「目新しいものはない」「わざわざ足を運ぶ魅力ないわ」と酷評された(林田力「東急プラザ表参道原宿が酷評」)。

東急プラザ表参道原宿には短期間で消えるのではないかとの分析も出ている。それを予期したようなアクティビア・プロパティーズ投資法人への組み入れである。東急プラザ表参道原宿が損失を出しても、投資家にツケを負わせることができる。サブプライムローンと同じ構図である。「売ったら売りっぱなし」の東急不動産だまし売り裁判と同じ構図である。

ハプスブルクの宝剣下巻v林田力Facebook書評

藤本ひとみ『ハプスブルクの宝剣』下巻ではオーストリア継承戦争に巻き込まれる。主人公とマリア・テレジアはスレ違いを重ねる。頑迷過ぎるマリア・テレジアには腹立たしいが、最後は主人公の方が価値観が変わり、栄達に関心を示さなくなることが小気味良い。権力者の与える餌に魅力を感じなくなる。
歴史を知っている立場では七年戦争がどのように描かれるか期待しながら読み進めたが、そこまで到達せずに物語は終わる。この点は心残りであるが、序盤に登場したキャラクターを終盤に再登場させ、物語としては見事に決着をつけている。
終盤でシオニズムが希望を持って語られる。ユダヤ人少女に「ユダヤ人だけの国を作る」と語らせている。パレスチナ問題ではイスラエルは占領者であり、加害者であるが、アパルトヘイトにもたとえられる民族浄化の占領政策の背後に差別され続けたユダヤ人の独自の国を持ちたいという思いがある。それでも『ハプスブルクの宝剣』で描かれたユダヤ教の教えには異民族も含めて生命の尊重を求めている。やはり現在のイスラエルには問題がある。林田力wiki
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2013年1月26日土曜日

桜宮高校の入試中止v林田力Facebook

橋下徹大阪市長の桜宮高校の入試中止や教員異動要求は正当である。教師の暴力によって生徒が自殺に追い込まれたという結果は重大である。第一次的に非難されるべきは暴力教師である。しかし、継続的に特定生徒に暴力が繰り返され、生徒が自殺するまで誰も止められなかった桜宮高校という空間も異常である。これは大阪市の責任であり、大阪市が責任をもって改善しなければならない問題である。
生徒や受験生の不利益を指摘する声があるが、万が一にも教師の暴力が繰り返され、自殺に追い込まれる生徒が出ないことを最優先に考えることが当然である。
食中毒が発生すれば飲食店は営業中止を余儀なくされる。これは食中毒に責任がない従業員や、その飲食店での食事を楽しみにしていた消費者に不利益をもたらす措置である。食中毒の原因は特定の日に仕入れた食材に起因することが多く、仮に営業を続けても食中毒が再発する可能性は低い。それでも営業中止は必要な措置である。桜宮高校への措置も同じである。桜宮高校の場合だけ不利益を言い立てるならば、公務員利権との公務員バッシングに正当性を与えることになる。
脱原発も同じである。これほど脱原発の声が広がった背景は福島第一原発事故が起きたからである。原発事故を繰り返さないために原発の見直しが主張される。脱原発で不利益を受ける人々のことを優先するならば脱原発はできなくなる。「利権集団の原子力村の不利益はどうでもいいが、桜宮高校教員の不利益は重大だ」と言うならば二重基準である。市民的支持を広げられない。
嘆かわしい問題は橋下徹大阪市長を目の敵にしている人々が、この問題に乗じていることである。橋下維新の新自由主義的政策を批判するならば理解できる。この問題で橋下批判を展開することは逆効果になる。実際のところ、公務員の不祥事に今回の橋下市長ほど率直に問題を認めた首長は珍しい。反権力的な言動の政治家でも首長としては官僚の責任逃れのレールに乗っかることが多い。
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行政の変化を求める人々は、橋下市長の荒療治を期待し、歓迎する。二子玉川RIZEのビル風問題についての住民と世田谷区の協議でも「橋下市長くらいの覚悟で」と住民から世田谷区に注文が付けられた。この市民感覚は理解する必要がある。林田力wiki

安倍首相脅迫と東急不動産係長逮捕事件

世の中には卑劣な犯罪者がいる。安倍晋三首相脅迫メール送信者や脅迫電話で逮捕された東急不動産係長が該当する。安倍首相脅迫メール送信者は、安倍首相の殺害を予告するメールを繰返し送信した。東急不動産係長は契約トラブルになった顧客女性に脅迫電話を繰り返した。どちらも卑劣な犯罪者である。安倍首相脅迫犯は書類送検され、東急不動産係長は逮捕された。
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/
安倍首相脅迫犯は遠隔操作によるものと言い訳したが、ウィルス感染は確認されなかった。東急不動産係長逮捕事件では東急不動産係長の犯罪を明らかにした人が誹謗中傷のターゲットになっている。

木密不燃化プロジェクト研究

東京都は木密不燃化プロジェクトを進めています。一月の広報では裏面で特集するほどの力の入れようです。
不燃化の中心は道路の拡張です。広い道路が火災時の防壁となるという考え方です。
そのために沿道沿いの住民が立ち退きを余儀なくされます。そのようなことはイメージ図には書かれていませんが、想像力を働かさなければなりません。
新たな沿道沿いの土地は大通りに面しているということで高さ規制が緩和されます。その結果、高層マンションがボコボコ建設され、低層住宅地の良好な住環境が失われます。
防災はもっともらしい目的ですが、それを名目にした土建利権の復活です。
防災が強調される背景は東日本大震災を受けてのものですが、震災時は自動車こそが火災の原因になります。大型道路は沿線住民にとって危険です。
日常生活では通過交通による渋滞や排気ガスによる大気汚染、騒音と大型道路は迷惑施設です。
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2013年1月25日金曜日

東京都知事選を振り返る集い3

第二部は勝手連報告。地域窓口の取りまとめ役。無所属の市議会議員や区議会議員が集まった。市民が主体的に関われる体制構築を目指した。12月は議会中であるため、議員が動きにくいところはあった。地域によっては色々な街頭宣伝活動をした。
国立勝手連。住基ネット不接続や都民投票の仲間がつながった。次は勝ち取っていきたい。
八王子勝手連。密度の濃い選挙戦ができた。会派を越えて議員の連携が良かった。新しい市民層も従来の反戦平和運動も加わり、幅広い年齢層になった。八王子駅前の街頭宣伝は盛況であった。地域が得したと思っている。シングルイシューを越えた繋がりができた。
調布勝手連は市民運動が手を繋いだ。九条の会や土建、都民投票など。毎回10人から30人くらい集まった。都民投票が手製のビラを作った。最終的にはビラを20万枚まいた。これからどうするか、今後検討する。
たんぽぽ舎。たんぽぽ舎有志などで構成された。8万枚ビラをまいた。水道橋駅での街頭宣伝を実施した。宇都宮選挙は、みんなでできる選挙として燃えた。今後にも活かして欲しい。名前の入ったビラをもっとまきたい。東海村村長選挙も取り組みたい。
杉並勝手連。総括会議を実施した。脱原発杉並デモでつながった。お神輿を作った。宇都宮氏はノリがいいので、お神輿に乗ってくれた。サウンドカーを出すなど賑やかにやった。お散歩デモを実施し、通行人らと話をして勉強をした。
民主党の円さんも街頭宣伝には顔を出した。生活保護バッシングが強かった。浮動票が取れなかった。猪瀬への幻想があった。
中野勝手連。「脱原発中野も」、中野アクションというグループが中心になった。「脱原発中野も」のお散歩デモを採り入れた。一人一人に話し掛ける。駅前よりもビラ受け取り率も高い。独自チラシを作った。独自チラシは反応が良かった。
練馬区勝手連。個人として参加する。選挙運動が初めてという人もいた。会議を重ねる度に人が増える。独自ツールを作った。ポスターやネームプレートを作った。失ったものは何もない。色々な人が集まり、一緒に動いたことが財産である。
南部勝手連。南部は労働組合が熱心に活動した。結果は惨敗ということでショックを受けている。脱原発デモ参加者でも猪瀬に投票した。猪瀬は脱原発と思っている人が多かった。若年層は暮らしに必死である。参議院選をどうするか。宇都宮さんみたいな人が出たらいいとの声が出た。
東部勝手連。今回の宇都宮選挙がきっかけで集まった。キックオフ集会で集まり、メーリングリストを作った。山手線一周の街頭宣伝にならって総武線沿線でやった。特に亀戸駅は宇都宮さんの地元なので、多くが集まった。つながっていない人がたくさんいることも実感した。
北部勝手連。横につながる意味を感じていた。巣鴨の街頭宣伝があまりにも盛り上がっていない。色々なものが結集して盛り上った。都民投票と一千万人アクション派がつながった。勝手連には地域に根差して運動していた人がいる。応援弁士に中途半端な文化人や知識人はいらない。区で街頭宣伝活動が縦割りになっていることが問題である。
革新都政をつくる会。宇都宮さんという素晴らしい候補者と戦った。4つの柱に多くの人が希望と確信をもった。私達は石原都政と一貫して闘ってきた。告示前までに投票者を決める傾向が強い。極めて重要な選挙であった。猪瀬氏の政策が信任された訳ではない。猪瀬予算は大型開発推進など石原都政を継承する。
学生勝手連。労働問題について集まった時に石原慎太郎辞任を知ったことが契機。選挙によって若者の未来が決まる。自分達が参加していきたい。
お母さん勝手連。子ども達を放射能から守る会。疲弊して諦めていく。その中で宇都宮氏が立候補した。私達が外へ出て話していくしかない。これからの社会は優しい気持ちの人が変えていく。勉強会を企画する予定。
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/
質疑応答。公職選挙法改正の取り組みをどう考えればいいか。
多くの人が公職選挙法のおかしさを共通認識として持てた。
この会が運動の主体としてやってくれというのではない。やっていくという人がいれば、どっと私達が押し寄せる。
宇都宮氏の今後。今のところ、出馬は考えていない。4つの政策を進めるために取り組みたい。日本ではリベラルが守勢になっているが、反転の契機になる。運動は続けたいと思っている。当面は立候補は考えていない。選挙で訴えた中身は運動を続けるつもりである。
収支について。35百万円のカンパが集まった。若干の黒字。本当はこれで済まない。期間が短かったことと勝手連が活動した結果。
民主党や連合について。日常的に信頼関係を作っていくことが重要。
宇都宮氏。連合とは接点がある。貸金業法改正に取り組んだ。連合も動いた。この中で画期的な法改正がある。連合も相当ダメージを受けた。生活底上げ会議をやっている。つながりを大切にしながら、安倍政権への批判的視点を共有したい。
東部地区の取り組み。新しい層にまで支持を広げることができなかった。始まったばかりである。このつながりを大切にして草の根からの運動を作る。
電話かけ。七万本。
四年後の都知事選はどうするか。
この会がやることはない。母体になる可能性はある。やりたい人が動いて始めることは大歓迎である。
石原都政を評価する都民が多かったということを分析して欲しい。
勝手連は盛り上がっているが、通りを歩く人は無関心だった。そのような人に届く言葉が課題。
原発や憲法問題を投票基準にする人は少ない。原発の問題が自分達の問題と伝えることが課題である。父親が傷い軍人だったために戦争被害が身近であった。その伝承がされていない。中国が領空侵犯すると、生意気だ、やってしまえ、となる。脱原発や反戦運動で運動をどう広げるかが問われている。一案として映画などの力を借りる。
三十年かかって法改正を達成した。粘り強い闘いになる。
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/

村上さとこ候補がくまモン政治利用

福岡県北九州市の瓦礫焼却阻止の活動家で北九州市議会議員選挙に小倉北区から立候補した村上さとこ氏が熊本県のゆるキャラ「くまモン」を政治利用して問題になっている。村上さとこ氏のブログには「くまモンが熊本から応援に来た」とあり、くまモンの被り物をした人物と一緒に写った写真を掲載した。熊本県のマスコットを自己の主張に有利に政治利用しているとして問題になっている。熊本県などに通報を呼び掛ける声が出ている。
そのブログ記事には山本太郎から「守る」と書かれたパーカーを受け取ったとし、山本太郎と同じものを守っていくと述べている。山本太郎は落選後に「自民党や公明党に投票した人物以外の命を守る」と述べた人物である。差別を公言する人物を支持する見識は疑われる。
http://hayariki.net/

2013年1月24日木曜日

東京都知事選を振り返る集い2

選対事務局長。熊谷伸一郎。公職選挙法は天下の悪法である。あれもやってはいけない、これもやってはいけない、である。手足を縛られながらの選挙戦になった。印刷広報物に膨大な労力を費やした。経験をしなければ分からない。グレーゾーンが多く、選管に確認するが、担当者によって答えが変わる。選対のスタッフは東京の宝である。地域に戻って経験を活かして欲しい。
活動報告。政策チーム。政策集の完成が告示直前であった。政策集は突っ込まれどころのないものにする必要がある。テレビ討論が少ないなど選挙戦で政策集は活かす機会は乏しかったが、今後の運動で役立てることができる。
メディアチーム。Web、Twitter、Facebook、ユーストリームを時間がない中で開設した。宇都宮氏はパソコンをしないので、口述筆記でツイートした。Twitterのフォロワーは選挙後にも増えている。海外にいる文化人・芸能人がネット経由で応援を寄せた。誹謗中傷や批判は少なかった。ソーシャルメディアは流れていくので政策などの深い発信ができない。これは課題である。公職選挙法は問題である。
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電話かけチーム。公職選挙法の中で比較的自由にできるものが電話かけである。根気のいる仕事である。候補者の名前と主張を直接伝える。有権者のサンプル調査になる。勝手連の活動は把握していない。事務所の向かいで新しい事務所を作って活動した。反応が良かったのは一割程度で、選挙結果の票数と同じである。東京以外からも来た人がいた。大変な仕事であったが、宇都宮氏や上原氏が来てくれたことが嬉しかった。
法規対策。べからず選挙。男子普通選挙以来の出来事である。治安維持法とセットである。選挙運動の自由を獲得しなければ民主主義は確立できない。
選挙運動の参加者は兵隊ではない。一人一人が主体的な市民である。自由法曹団の皆様にはお世話になった。
弾圧が起きた。住居侵入で逮捕された。まだ不起訴になっていない。一人一人を大切にする気風が必要である。
遊説チーム。新宿西口は前日から場所取りをしている。場所取りでは幸福実現党や民主党野田首相(当時)からの防衛戦があった。
勝手連窓口。勝手連は勝手に応援するグループではない。勝手連窓口は勝手連側からの要請に対応する。
ボランティア窓口。出たとこ勝負でやった。中華料理屋跡を事務所にした。市民選対の雰囲気作りをした。人が来れるような事務所にした。

二子玉川ライズ強風対策検討会が始動

東京都世田谷区玉川の二子玉川ライズのビル風問題について、世田谷区民有志4人は2013年1月18日、世田谷区役所で堀川雄人・生活拠点整備担当部長ら区職員と協議した。2012年9月18日や12月4日の協議の続きである。
検討会の発足が説明されるなど二子玉川ライズのビル風対策に世田谷区が動き出していることが明らかになった。一方で問題の深刻さの認識や解決までの時間間隔について住民とのギャップが改めて浮き彫りになった。検討会は実務家や研究者の人選が決まり、会合も1月下旬から始まるが、住民側の傍聴要求には消極的な回答であった。住民側は住民不在で解決策が決められ、それが実施され、解決されたことになってしまうことを懸念する。
また、集められた専門家は風工学の専門家で、風害を起こさないような設計とすることはできるが、二子玉川ライズ1期ビルは竣工し、2期ビルは建設中である。現に起きているビル風を避けるために歩道橋を作るなどの検討が可能かという問題もある。
住民側は二子玉川東地区第一種市街地再開発組合が採取した風速データを検討会で分析することを求めたが、これにも消極的であった。世田谷区は区で新たに採取することに拘るが、二子玉川ライズ2期ビル建設中という環境が変わりつつある状態でのデータには問題がある。測定場所についても区が多摩堤通りの横断歩道を挙げたのに対し、住民側は二子玉川ライズのビルの屋上や中間点での測定も必要と主張した。
総じて住民からの指摘には「現実的には難しい」的な紋切り型の回答が目立った。反射的な返答である。先ずは考えて、やってみて、どうしても「これば実現できない」「この問題を解決しなければ実現できない」となる。しかし、そこまで具体的に検討しているようには見えなかった。
懸案の多摩堤通り横断対策について住民側からは「屋根つきの歩道橋」や「地下道」を求める声が出ているが、世田谷区側の反応は消極的であった。2012年9月18日の協議で期待を持たせた状況からは後退している。世田谷区が再開発組合に実施させるスタンスであったことを踏まえるならば、再開発組合に打診して拒否されたと想像できる。
その背景には東急電鉄・東急不動産の住民無視の姿勢がある。地下道にしても歩道橋にしても本来は二子玉川ライズのメリットになる。地下道を「二子玉川ライズ ショッピングセンター」の地下街に連結する。二期事業で建設するペデストリアンデッキを南側にも伸ばして多摩堤通りの歩道橋にする。これらによって二子玉川南地区の住民を買い物客として取り込むことができる。この程度の開発戦略もないところに東急電鉄や東急不動産の救い難い住民無視の体質がある(林田力『二子玉川ライズ反対運動4』「二子玉川ライズ強風対策工程表案の意義」)。
協議では強風時の誘導員がバス乗降客しか補助せず、南地区からの歩行者を無視していると指摘された。東急が二子玉川南地区を頑なまでに無視する背景としてスーパー堤防建設で南地区が全面的に再開発されることを見越しているのではないかと勘繰りたくなる。二子玉川ライズは二子玉川南地区を哀れなバンツースタンBantustans(南アフリカ共和国がアパルトヘイト政策に基づいて設置した黒人居住地域)にしようとしているかのようである。
前回協議からの継続課題として、強風時の補助員の行動基準とファーストフード店からの悪臭・熱風問題がある。強風時に補助員が出ていないという問題については、現状では防災センターの責任者が歩行困難な状況か判断するということになっている。つまり防災センターの責任者が歩行困難な状況ではないと判断すれば、どれほど現実に歩行者が困っていても補助員を出さなくていいということになる。
誘導員配置要請に対して二子玉川ライズ側は「コストがかかる」との開き直りの回答もあったという。東京スカイツリーでは落雪被害を避けるために約60人の警備員を配置して目視で警戒する(林田力『二子玉川ライズ反対運動3』「東京スカイツリーの落雪被害」)。東急電鉄・東急不動産のデベロッパーとしての格の低さが表れている。
この問題での二子玉川ライズ側の対応の悪さは世田谷区担当者も認めるところであり、二子玉川ライズの良識と自主性に期待しては住民の安心・安全は守れない。世田谷区が二子玉川ライズからコストを徴収して歩行者の誘導・補助員を雇うというアプローチも考える価値がある。これは地域雇用問題への取り組みにもなる(林田力『二子玉川ライズ反対運動4』「二子玉川ライズ強風対策で定点測定」)。
http://www.hayariki.net/cul/faqindex.htm
ファーストフード店からの悪臭・熱風問題は冬になっているために、それほど住民も気にならなくなったという実態がある。本格的な対策は完了していないとのことであった。毎年、夏は住民の苦情があっても、時間稼ぎして冬になれば自然と住民の不満も小さくなると二子玉川ライズ側が考えているのではないかとの懸念もある。二子玉川ライズは口先だけのコミットメントを継続することで、住民の不満から逃げたいと考えているようである。これは戦術的には狡猾であるが、長期的な戦略ビジョンは一切示しておらず、住民と向き合っていない。
このように問題の元凶は二子玉川ライズにあり、世田谷区には身勝手な東急の後始末をさせられる被害者として同情の余地があることも否定しない。二子玉川ライズは世田谷区にとって荷物である。しかし、世田谷区も二子玉川再開発を推進した立場であり、責任は免れない。
二子玉川ライズ風害は世田谷区議会でも取り上げられている。2012年11月の第四回定例会では、みんなの党・行革110番の桃野よしふみ議員がビル風対策を迫った。桃野議員は二子玉川再開発に伴う風害は未解決とし、専門家を含めたチームを結成し、地下道などの設置も視野に入れ、一段と風が強まる春までの解決を求めた。ここでは「地下道」「春までの解決」と解決策や期限を具体化している。これが住民の感覚である。

二子玉川ライズ風害協議6

住民「バスターミナルの北側の角も風が強い。歩行者は危険を感じながら歩いている。誘導員を出して欲しい」

区「二子玉川ライズ側に話している。南側に重点を置いているとの回答であった。北側も風が強いと認識しているが、比較では南側が強いとの認識であった。『最大限の配慮をして下さい』と伝えた」

住民「北風の時に風速14メートルを観測した。南の方が常に風が強いとは言えない」

区「再開発組合は人の配置にはコストがかかるという話をしていた」
http://hayariki.net/cul/5.htm
住民「東急は懐に入れた金は出さない。あてにする方がおかしい。区が再任用でもして出すべきである」

区「補助員配置は二子玉川ライズが自主的にしている」

住民「それは甘い。東急はあてにするな」

住民「二子玉川ライズの飲食店の換気口から出る悪臭の問題は改善されたか」

区「フィルターの工事完了の報告は受けていない。歩道に向けていた換気扇の吹き出し口を上に向けたのではないか」

住民「デパートでは地下の食品売り場の臭いを消すことを苦労している。そこに聞けばいい」

住民「二子玉川ライズからの臭いが気持ち悪くて付近を通りたくないという人もいるかもしれない。今は冬だから熱風は気にならないが、真夏の熱風は気分が悪くなる」

2013年1月23日水曜日

二子玉川ライズ風害協議5

区「区も台風襲来時の工事現場の確認などのマニュアルは持っている」

住民「我々が頼っているものは区である。不足があるならば区が指導する。区の職員が現地に行って、きちっと行われているかを確認するくらいして欲しい」

区「我々も『強風時に誘導員が出ておらず、おかしいのではないか』と言っている。回答は『今、頑張ってやっていますから』というものであった。住民に伝わっていないことが問題と言った。どのような基準で行動しているのか、改めて提出を求めている。『何故、誘導員はバスの乗降客しか相手にしないのか』など言い方を変えて指導している」

住民「二子玉川ライズはビルがあることで地域住民に迷惑をかけているという認識はあるのか」

区「大いに思っていると言っている」
http://www.hayariki.net/cul/5.htm
住民「全く思っていないだろう」

住民「どうして世田谷区は二子玉川ライズがあることで玉川一丁目の住環境に問題が生じており、対策を検討中であることを発信しないのか」

住民「透明性を求めている。それは住民にとっても世田谷区にとっても再開発組合にとってもいいことである。区民の安心安全のために是非やって下さい。それはいいことと思うか、悪いことと思うか」

区「いいことと思う。再開発組合にも話している」

住民「行政が首根っこを押さえてやらせなければ東急はやらない。世田谷区が二子玉川ライズに出した補助金は、東京駅を一つ作っても、お釣りがあるほどの金額である。図体がでかいだけでなく、小回りの効く世田谷区であって欲しい」

東京都知事選をふりかえる集い

中山武敏。敗北感は全くない。
宇都宮けんじ。お世話になりましたとは公職選挙法の規制で言えない。お疲れ様でしたと言わせてもらう。選挙戦の中で健康が回復した。早寝早起きの生活を送った。選挙カーの梯子の登り降りは運動になる。どこへ行っても勝手連の皆様が応援してくれた。勝手連の活動では他の候補を圧倒していた。他の候補は寂しかった。
残念ながら、大差で敗北した。要因は選挙期間が短かった。民主党や連合東京の支持を取り付けられなかった。国政選挙と重なって東京都の問題を明らかにできなかった。猪瀬候補の得票は、支持政党にみんなの党、民主党を加えた票よりは少ない。不利な状況の中では約百万票は、これからの運動をする上で評価できる。
様々な団体がつながった選挙であった。4つの政策は、これからも目指さなければならない。安倍政権は4つの政策を逆行させる。生活保護水準の引き下げを検討している。生活保護水準の引き下げは最低賃金などとも連動し、国民生活の切り下げになる。猪瀬都政の予算案では都営住宅建設の予定はない。
公職選挙法の規制は問題である。ビラ配布者が住居侵入罪と傷害罪で逮捕された弾圧事件がある。供託金は外国と比べて著しく高い。公職選挙法が改正される度に供託金は上がっている。弁護士も一票の格差を問題にするが、供託金は問題にしない傾向があった。これは民主主義の問題である。
上原公子選対本部長。選対報告。各チームに別れて活動した。心から感謝しますと言いたいが、言えない。気持ちはある。結果については力足りず、申し訳ない。
候補者擁立過程。前回の知事選でも宇都宮氏を擁立する話があった。人にやさしい東京をつくる会で声明を出した。政策を作る4つの柱が決められた。
先に立候補表明を出したことが結果的に良かった。この指止まれで支持を集めた。まず立候補するとの表明が良かった。
キックオフ集会に大勢の人が集まった。Twitterで見たという人もおり、新しい時代の運動を感じた。
これだけの政党の支持を集めることは非常に難しい。宇都宮氏が幅広い運動をしていたお陰である。ただ、連合が猪瀬支持を決定したことは大きなマイナスになった。
結果をどう見るか。幅広い政党や人々の支持を得たのに票に結び付いていない。支持政党内部の支持固めもできなかった。都民の多くが反石原という思い込みがあった。大きな反省材料である。
総選挙と同日のために都知事選の報道が霞んでしまった。宇都宮氏の知名度は低かったため、テレビ討論会などで知名度を上げていくことが必要だったが、できなかった。推薦政党は自分の選挙に忙殺されて、十分な協力を得られなかった。
五十以上の勝手連ができた。それぞれの地域で活動した。このような選挙選は初めてである。これが出発点である。日常的な運動が、いざという選挙戦の力になる。これからは皆様が貴重な経験を元に活動していきたい。
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2013年1月22日火曜日

二子玉川ライズ風害v林田力wiki

二子玉川ライズ風害は世田谷区議会でも取り上げられた。11月の第四回定例会では、みんなの党・行革110番の桃野議員がビル風対策を迫っている。二子玉川再開発に伴う風害は、未解決である。専門家を含めたチームを結成し、地下道などの設置も視野に入れ、一段と風が強まる春までに解決することを求めた。
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/
先に延ばされた話が実現することは、東急では、まずあり得ない。いつの間にかウヤムヤになり、消失する。 それを目的にして先送りするといった方がよい。このような状況でビル風協議が行われた。
本日は拠点が考えている外部委託や工程表の説明を求める。前から他部署と連携すべきと言っていた。外部委託をする前に行うべきであった。
委員の人選は終わった。風工学の実務者や研究者を選んでいる。
外部につまらない金を使わなくてもいい。工学系の学校は区内にもある。
委員の経歴書を一部下さい。
出せるもの、出せないものを検討して回答する。
この案件には二年以上かかると考えている。現地で風速データを採取することに一年以上を見ている。
何故、今頃になって測定するのか。今までもしていなかった。
私は4月に着任した。色々と話を聞いた。現況を把握すべきとの意見を伺った。
二子玉川東地区市街地再開発組合はやらない。他部署にも有識者がいるから入れなさいと言っている。あらゆるテストをやっていてもボーイングのような問題は起こる。
これまでも他部署と連携している。パネルの設置では道路を管理する部署、植栽の設置では植栽の担当部署と相談した。
これまで住民が求めても「必要と認めたらやる」の一点張りであった。住民の要求では必要と思わないのか。
一生懸命やっている。
今まで一歩も踏み出さなかった。住民の言うことは聞かない。
聞いていないか。
ガス抜きのために聞いているだけか。
庁内に検討会を設けた。部長が座長を務めている。まず現況を把握し、データを測って解析する。考えられることをやっていく。対策の効果も検証する。一回やって終わりというものではない。期間としては今から2年程度を見込んでいる。予算は有識者への謝礼と風の調査を考えている。第一回目の会議は今月下旬を想定している。
傍聴は可能か。
率直な意見交換をするため、傍聴は考えていない。

烈、伊達先パイv林田力Facebook書評

『烈!!!伊達先パイ』は週刊少年ジャンプで連載中のギャグ漫画である。『スケットダンス』のように上品なギャグがある中で、抱腹絶倒ものである。枠組みは、岡田あーみん『お父さんは心配性』と重なる。『お父さんは心配性』は男子が読んでも面白い少女漫画であった。東日本大震災の被災地の復興を応援する立場としても、東北ネタ満載の漫画の健闘を期待する。
但し、週刊少年ジャンプでの掲載順位は後ろが多く、苦戦気味である。その要因としては視点人物の弱さである。学園一の美少女と交際する必然性が不明瞭である。伊達先輩の妨害に対して同情すべきか微妙である。お似合いのカップルが邪魔されるという理不尽さが弱い。片倉君が少しヤンキー風である点も影響している。もう少し真面目そうな外見の方が巻き込まれる理不尽さが強調できただろう。
片倉という名前は伊達政宗を支えた忠臣・片倉小十郎を連想するが、片倉小十郎らしさはない。真田幸村をモデルにした人物のように思いっきり崩すこともない。この点で歴史ファンを満足させられない。林田力wiki

2013年1月21日月曜日

コンフォリア・レジデンシャル投資法人への懸念

コンフォリア・レジデンシャル投資法人の上場に不安の声が出ている。コンフォリア・レジデンシャル投資法人の実態を知らない投資家も多いためである。
コンフォリア・レジデンシャル投資法人はアクティビア・プロパティーズ投資法人と同じく東急不動産系の不動産投資信託である。アクティビア・プロパティーズの上場時の評判は悪かった。強引な営業が批判された。東急不動産ではコンサルタントが顧客女性に脅迫電話を繰り返して逮捕される事件も起きている。アクティビア・プロパティーズは公募割れの結果になった。
もともと東急不動産は東急不動産だまし売り裁判や二子玉川RIZE反対運動が起きている(林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』)。投資法人の名前に東急不動産は入っていないが、経営主体を隠しての責任逃れは東急不動産の十八番である。都合が悪くなれば切り捨てる。太平洋クラブの倒産では東急不動産が親会社であることを隠していると批判された(林田力『二子玉川ライズ反対運動4』キンドル版)。東急不動産だまし売り裁判では売り主の東急不動産と販売代理の東急リバブルと管理会社の東急コミュニティーの間で責任逃れを展開した。
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/
不都合な事実を説明しないことも東急不動産の体質である。アルス横浜台町でもアルス東陽町でも不利益事実を隠したマンションだまし売りが裁判になった。東急不動産が参加組合員になっている東京都北区の十条駅西口地区市街地再開発でもデメリットを説明せず、催眠商法のようだと批判された。

2013年1月20日日曜日

銀魂47巻v林田力Facebook書評

空知『銀魂』47巻ではギャグ短編が中心である。最近はシリアス長編が続いたため、珍しい。銀魂の持ち味はギャグであったが、ここではマンネリ気味である。銀時がカツラであったという展開はコタツの話で登場した。尻にモップが突きされる展開は、その後のエクスカリバー編に重なる。
ギャグもシリアス長編の方が練り込まれている。バラガキ編での佐々木のうざいメールは携帯メール依存症の風刺になる。金魂編での家賃を滞納する銀時と家賃を期日に払う金時のギャップは、家賃滞納者の人権を侵害するゼロゼロ物件への対抗価値になる。シリアス長編にはストーリーも楽しめ、ギャグも楽しめるという二重の楽しみがある。
最近の週刊少年ジャンプでは、伊達先輩など純然たるギャグ漫画も育ってきている。ギャグ短編で始まってバトル長編になるという人気漫画の展開に抵抗してきた銀魂であるが、そろそろギャグ短編は後進に譲ってもいいのではないか。それが銀魂のギャグの持ち味を損なうことにはならないだろう。林田力wiki
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太陽の黙示録建国編v林田力Amazon

かわぐちかいじ『太陽の黙示録』は大震災によって日本が二つに別れた世界を舞台とした漫画である。北は中国の勢力下にあり、南は米国の支援の下に移民国家を目指している。建国編では主人公は不毛の地に第三の国の建国を目指す。
北日本が中華人民共和国の実質的な属国となっている状況がリアルに描かれる。街には中国語の看板が増え、経済的にも文化的にも自立性を失っていく。水は優先的に大陸に輸出され、日本国民は給水車で配給を受けている状態である。これは水源となる日本の山林を中国資本が買収している現実を反映している。
北日本の支配層にとっては属国化が自分達の利益になる。企業家も利益を得ている。食い詰めたブラック士業が中国人相手に不法滞在の合法化などブラックな法律業務に手を出している現実があり、荒唐無稽ではない怖さがある。
愛国心はならず者の最後の拠り所との言葉があるように、自分に自信を持てないネット右翼が中国を蔑視して精神的な安定を得る醜い実態がある。一方で良識的な市民層に上記ブラック法律事務所のような問題への懸念があることを見落としてはならない。

『太陽の黙示録』は三国志のオマージュになっている。劉備に相当する主人公が第三の国を作ろうとする建国編は三国志の展開に重なる。建国を呉に相当する北日本が妨害する点もケイ州を巡る劉備と呉の争いを彷彿させる。一方で統一志向の北日本の正統政府を呉、分離独立志向の南日本を魏とする点は三国志のイメージからは外れている。三国志との重なり具合も興味深い。林田力wiki
http://hayariki.net/

2013年1月19日土曜日

『ダブルフェイス』

『ダブルフェイス』は西島秀俊と香川照之が主演するテレビドラマである。ヤクザ組織に潜入した刑事(西島秀俊)と警察組織に潜入したヤクザ(香川照之)という身分を偽る二人を主人公とする。潜入捜査編と偽装警察編の二部構成である。

原作は海外作品『インファナル・アフェア』で、それを日本の神奈川県警とヤクザの対立に置き換えた。そのためにヤクザ物としてはリアリティに欠ける面がある。ヤクザが警察官を拷問して殺害し、警察と銃撃戦を繰り広げる。子分は親分をボスと呼び、組織をファミリーと呼ぶ点もマフィアのものである。

また、登場するヤクザはヤンキー的なチンピラばかりである。一般にヤクザ物ではヤクザとヤンキーは区別される。ヤクザは仁義を重んじるヒーローであるが、ヤンキーは社会に迷惑をかける恥ずかしい存在である。ヤクザが粗暴なヤンキーを叩きのめすことで勧善懲悪の物語になる(林田力「『白竜LEGEND』第19巻、愚連隊は敵役としても力不足」リアルライブ2011年10月27日)。
http://www.hayariki.net/cul/18.htm
一方でヤクザ社会の本質的な議論もある。織田組の組長・織田(小日向文世)は悪事に手を染めることに対して「民間企業は儲からなければ社員をリストラするが、ファミリーは子分を養わなければならない」と正当化する。このボスに反旗を翻した人物の理由も「自分のファミリーを守るため」であった。

身分を偽る二人の葛藤には引き込まれる。ラストも圧巻であった。「犬は最後まで犬」という組長の台詞が思い出される。(林田力)

ハプスブルクの宝剣v林田力Facebook

藤本ひとみ『ハプスブルクの宝剣』は神聖ローマ帝国を舞台とした歴史小説である。君主や貴族が活躍するヨーロッパ最後の時代である。
啓蒙専制君主マリア・テレジアは老練な女帝というイメージがあるが、『ハプスブルクの宝剣』序盤では夢見る少女である。マリー・アントワネットは確かにマリア・テレジアの娘であると実感する。
フリードリヒ大王と呼ばれるプロイセンのフリードリヒ二世が屈折した思いを抱えていることも描かれる。主人公への怒りがオーストリア継承戦争への伏線にもなり、歴史とフィクションを巧みに融合させている。
オーストラリアは多民族を支配した帝国の中では民族の自主性を尊重した国である。それでも『ハプスブルクの宝剣』は支配民族の横暴を描く。主人公を被支配民族マジャール人との橋渡し役としており、この点での歴史の当てはめも巧みである。林田力wiki
http://hayariki.net/

2013年1月17日木曜日

加藤和恵『青の祓魔師 10』

加藤和恵『青の祓魔師 10』(集英社、ジャンプコミックス)は主人公達の葛藤が一段落した後の物語になる。人間界の危機が仄めかされ、新章に相応しい。不浄王の一族である不浄姫が復活する。

一方で主人公達は学園七不思議という少しほのぼのとした問題に取り組む。これは息抜きになる。主人公はサタンの息子としての圧倒的な力を制御できるようになった。このためにバトル漫画では強さのインフレに陥りがちであるが、学園七不思議では相性というキーボードによって格下の相手にも予想外の苦戦をさせる。これによってバトル物として奥行きが増す。(林田力)
http://www.hayariki.net/7/34.htm

市民メディア

市民メディアの育成について。資金力に乏しい市民にとってはインターネット上での情報発信が有効である。
一方でインターネット上の世論が現実の世論にギャップがあることも事実である。ネット世論で決まるならば、宇都宮けんじは都知事選で当選していた。前回の小池あきら氏も当選していた。ネット世論で決まるならば未来の党も伸びていた。
個人のTwitterやブログの世界では圧倒しても、リアルの世論に影響を及ぼさない。これはアルファブロガーやカリスマブロガーが味方についていても大差ない。
この問題の一つの解として、市民派ニュースサイトを立ち上げることが考えられる。大手新聞社のサイトのようにスタイリッシュかつシンプルなデザインで、日々複数件の記事を更新し、ネットメディアとして確立した存在にする。
ネット上では情報発信力は99パーセントの市民が上回っている。このこと自体は素晴らしいことである。一人一人は微力でも各々が情報発信することでタイムラインを圧倒する。まさに99パーセントの勝利である。
しかし、それが投票結果に結び付かないことが問題である。折角の発進力を世論に影響を及ぼす力にするにはコピペ拡散文化の克服が必要である。
市民派の情報発進力が圧倒していると述べたが、その大半はURLの貼り付けであり、コピペである。各人が拡散することで広範囲に伝播するが、そのこと自体が一般人にはチェーンメールやスパムのようなものとして扱われてしまう。これがネット上では圧倒しても社会的には影響力が弱い背景である。林田力wiki
http://hayariki.net/

2013年1月16日水曜日

伊達鶏や福島の惣菜・地酒

日本橋「鶏料理 てん」は伊達鶏を使った料理と福島・伊達地方の惣菜を味わえる専門店である。東京メトロ日本橋駅と直結するCOREDO日本橋(東京都中央区)の4階にある。店の入口にはテイクアウト用の鶏の丸焼きが美味しそうに置かれてあり、惹かれて入る客も多いと思われる。東日本大震災と福島第一原発事故で苦しむ福島県の応援にもなる。

店の造りは小洒落ており、落ち着いた雰囲気を醸し出している。店内に足を踏み入れた途端、カウンターの奥で作られている料理に匂いが二人に襲いかかる。様々なソースの芳香が渾然一体となって客席に煙のように立ち込めていた。「てん」は和食に分類されるが、純和風とは言えない不思議な空間である。福島の郷土料理屋の趣がある一方、伊達鶏はフランスから導入されただけあって、洋風のスタイリッシュな感覚もする。

飲み物も地酒や焼酎に加え、ワインやカクテルもある。カウンター席では、鶏を丸焼きしている状態を生で見ることができる。伊達鶏はフランス原産の赤鶏で、飼料に抗生物質を使用しないなど、独特の条件で育てた銘柄鶏である。
http://hayariki.net/cul/16.htm
店自慢のメニュー「手羽の一本焼き」は皿から溢れるほど大きいもので、手づかみで食べることを推奨される。素材の旨みを、そのまま味わえた。注文してから焼き始めるため、料理が来るまで多少時間がかかり、コースの品数も多くはなかったが、最後には満腹になってしまうから不思議である。雰囲気の良い店で美味しい料理を食べながら語り合うことは良いものである。

「てん」の入るCOREDO日本橋には白木屋という老舗呉服店があったが、東急グループに買収された。しかし後継の東急百貨店日本橋店は売り上げ不振で1999年に閉店する。強盗慶太と称される強盗並みの拡大路線の破綻である。三井不動産を中心とした再開発により、COREDO日本橋として再生した。

よしながふみ『大奥』林田力facebook書評

よしながふみ『大奥』は男女の立場が逆転した設定で江戸城の大奥を描く漫画である。将軍は女性で、大奥には美男3000人という世界である。映画やテレビドラマにもなっている。

第1巻では若い男子を死に至らしめる疫病の蔓延を説明する導入部に続き、大奥に入った男性の視点で大奥が描かれる。そこは男の妬みが渦巻く陰湿な世界であった。史実と同じく七代将軍家綱は夭逝し、紀州藩主・徳川吉宗が将軍職を継承する。様々な改革に取り組む吉宗であったが、現在の大奥の仕組みにも疑問を持つ。

大奥は男女の立場が逆転したという奇抜な設定が注目される。それでも前半の視点人物のエピソードでは前近代社会の非合理さと時代劇的な人情で話をまとめている。歴史作品として荒唐無稽な設定でありながらも、歴史作品的な雰囲気は濃厚である。

現代人の常識とは異なる設定であるが、劇中人物はその設定を当然視する世界におり、奇抜とは思っていない。ここに読者とのギャップがあるが、改革志向の吉宗に疑問視させることで読者の目線に近付いている。謎の説明が期待されるところで第1巻が終わっており、続きへの期待が高まる。
http://www.hayariki.net/7/41.htm
第6巻は徳川綱吉の晩年から徳川家宣、徳川家継の時代を描く。第2巻から男女逆転になった経緯を振り返り、第6巻で第1巻の時代に戻ってきた形である。専制君主・綱吉の孤独、家宣の名君ぶり、柳沢吉保や間部詮房の忠義など歴史上の物語を男女逆転で描いている。大奥の贅沢が幕府財政を圧迫することが示唆されており、今後の物語への影響が興味深い。

家宣、家継時代は新井白石の正徳の治として知られる。『大奥』では白石の出番は僅かであるが、家継の教師として鎖国とともに女子が家を継ぐことは本質的ではないと主張させている。物語世界の本質を突いている。

白石は儒学者であるが、その学風は硬直的なものではなく、実学を志向していた。密入国した宣教師シドッチを尋問して西洋紀聞を著したことは有名である。儒学者の実学精神が、同じ儒教国の朝鮮や清国と異なり、日本が西洋文明を容易に受け入れられた一因である。その意味で白石に男女逆転の本質を突かせていることは興味深い。(林田力)

放射脳カルトの呼称

放射脳カルトの呼称を使用することの是非を検討する。放射脳カルトは「東日本には人が住めない」などの放射能汚染のデマを撒き散らす人々である。放射脳カルトはデマを信じる人に怪しげなベクレルフリーの食材やガイガーカウンターを売り付ける貧困ビジネスである。放射脳カルトは脱原発派のイメージダウンになっている。
放射脳は少なくともインターネット上では普及した言葉である。放射脳のカルト性についても論じられており、放射脳カルトは言葉の使い方として特異なものではない。
放射脳カルトはネガティブな表現であるが、放射脳カルトを批判する文脈で使用している。ネガティブな意味があることは意図通りである。
放射脳カルト表現の問題として、原発推進派側から脱原発派全体への攻撃として放射脳カルトとの表現が使われることである。放射脳カルトの言葉を使用することは、その限りで原発推進派に乗っかることになる。しかし、放射脳カルトそのものへの批判は正当である。脱原発派が自己と放射脳カルトを区別して、脱原発派から放射脳カルトを批判することが、脱原発派と放射脳カルトを混同した批判への対策になる。
脱原発派が放射脳カルトを批判することは内ゲバ体質との批判もある。しかし、被災地瓦礫焼却を容認する人物が主催する脱原発デモ不参加を呼び掛けるなど、どちらかと言えば放射脳カルトが内ゲバ体質である。これから原発をどうするかの問題と、放射能汚染対策の要否は別問題である。前者の共闘で後者を持ち込むならば共闘できなくなる。
脱原発派として放射脳カルトを批判することは、脱原発は支持しても放射脳カルトお断りの地に足ついた良識派市民層との幅広い連帯を志向するものであり、ウィングを広げる活動である。林田力wiki
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/

2013年1月15日火曜日

北九州瓦礫阻止活動家がくまモン政治利用

福岡県北九州市の瓦礫焼却阻止の活動家が熊本県のゆるキャラ「くまモン」を政治利用して問題になっている。活動家のブログには「くまモンが熊本から応援に来た」とあり、くまモンの被り物をした人物と一緒に写った写真を掲載した。熊本県のマスコットを自己の主張に有利に政治利用しているとして問題になっている。熊本県などに通報を呼び掛ける声が出ている。
そのブログ記事には山本太郎から「守る」と書かれたパーカーを受け取ったとし、山本太郎と同じものを守っていくと述べている。山本太郎は落選後に「自民党や公明党に投票した人物以外の命を守る」と述べた人物である。差別を公言する人物を支持する見識は疑われる。林田力wiki
http://hayariki.net/

2013年1月14日月曜日

貴志祐介『新世界より』林田力wiki書評

貴志祐介『新世界より』は超能力が使える千年後の関東地方を舞台としたSFホラー小説である。アニメ化もされている。主人公は自然豊かな集落「神栖66町」に住む少女・渡辺早季である。

千年後の世界では機械文明は崩壊し、人々は牧歌的な生活を送っていた。人間社会は呪力と呼ばれる超能力で支えられていた。ユートピア的な世界であったが、実はディストピアであった。
http://www.hayariki.net/4/9.htm
超能力が使えたらいいと思う人は多いだろう。現在判明している物理法則だけを絶対視する人間は味気ない(林田力「科学信奉者への反感」PJニュース2010年11月13日)。『新世界より』は超能力が使えるようになった場合の問題点を明らかにする。超能力は人間の意識によって物理法則に影響を与える。超能力が使えるならば人間の深層意識が世界に影響を及ぼすことも考えられる。その怖さを『新世界より』は描いている。

青のエクソシスト10巻v林田力Facebook

『青のエスソシスト』10巻は主人公達の葛藤が一段落した後の物語になる。人間界の危機が仄めかされ、新章に相応しい。
一方で主人公達は学園七不思議という少しほのぼのとした問題に取り組む。これは息抜きになる。主人公はサタンの息子としての圧倒的な力を制御できるようになった。このためにバトル漫画では強さのインフレに陥りがちであるが、学園七不思議では相性というキーボードによって格下の相手にも予想外の苦戦をさせる。これによってバトル物として重厚になっている。林田力wiki
http://hayariki.net/

ダブルフェイスv林田力wiki

『ダブルフェイス』はテレビドラマである。ヤクザ組織に潜入した刑事と警察組織に潜入したヤクザという身分を偽る二人を主人公とする。潜入捜査編と偽装警察編の二部構成である。
原作は海外作品で、それを日本の神奈川県警とヤクザの対立に置き換えた。そのためにヤクザ物としてはリアリティに欠ける面がある。ヤクザが警察官を拷問して殺害し、警察と銃撃戦を繰り広げる。また、登場するヤクザはヤンキー的なチンピラばかりである。一般にヤクザ物ではヤクザとヤンキーは区別される。ヤクザは仁義を重んじるヒーローであるが、ヤンキーは社会に迷惑をかける恥ずかしい存在である。ヤクザが粗暴なヤンキーを叩きのめすことで勧善懲悪の物語になる。
子分は親分をボスと呼び、組織をファミリーと呼ぶ点もマフィアのものである。
一方でヤクザ社会の本質的な議論もある。ボスは悪事に手を染めることに対して「民間企業は儲からなければ社員をリストラするが、ファミリーは子分を養わなければならない」と正当化する。このボスに反旗を翻した理由も「自分のファミリーを守るため」であった。
身分を偽る二人の葛藤には引き込まれる。ラストも圧巻であった。「犬は最後まで犬」という組長の台詞が思い出される。林田力wiki
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2013年1月13日日曜日

静かなるドン105巻v林田力Amazon

静かなるドン105巻はヤクザとシチリア・マフィアの最終決戦が幕を開ける。アポロニアの正体が明らかになる。太陽の娘というアポロニアの形容からの想像は見事に裏切られた。若い頃はムッソリーニやナチスドイツというファシスト勢力と戦うレジスタンスであった。マフィアがファシストに抵抗したことは歴史的事実である。
物語においてシチリア・マフィアは当面の敵であるが、マフィアを倒せば済むという存在ではない。世界皇帝によって戦うことを仕組まれた存在であり、むしろ戦わずに済ませたいところである。それ故にマフィアと和睦する展開は容易に予想できるが、昨日の敵は今日の友の展開は時代遅れである。
アポロニアがファシストと戦うレジスタンスであったという過去は物語にとって重要である。アポロニアが本質的な悪でないことを意味することになる。ナチズムなどのファシズムは人類最悪の敵という共通観念があるためである。単純な昨日の敵は今日の友は無節操であるが、反ファシズムの闘士と手を握るならば格好はつく。
日本では反ファシズムの意識は乏しい。ヤンキーを売りにする弁護士がナチスのハーケンクロイツ(鍵十字)をウェブサイトに掲げて、サイモン・ウィーゼンタールに情報提供された。ファシズムとの戦いを遠景に描く『静かなるドン』の思想は骨太である。林田力wiki
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ならぬものはならぬ

NHK大河ドラマ『八重の桜』は「ならぬものはならぬ」をキーワードとする。東急不動産だまし売り裁判も「ならぬものはならぬ」の世界である。マンションだまし売りは「ならぬものはならぬ」である。
『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』で感心させられる点は、その消費者感覚の鋭さであり、現状認識の正確さである。『二子玉川ライズ反対運動』は『東急不動産だまし売り裁判』の著者が描く凄まじいばかりの住環境破壊と住民運動。

東急不動産が参加組合員になっている十条駅西口地区第一種市街地再開発が街壊しとして批判されている。十条駅西口地区再開発は住まいの貧困をもたらす。十条では過去にも再開発の構想があったが、反対の声が強く、今回は施工地域を狭くした上での計画である。
十条は木造住宅あり、商店街あり、学校ありと生活者の街として成り立っている。百メートルを超えるマンションは異質であり、不要である。大型道路は街を分断する。大型道路ができると道路の反対側の住民は道路を渡ってまで商店街に来なくなり、商店街が成り立たなくなる。
参加組合員の東急不動産は自社の利益しか考えておらず、ステークホルダーの犠牲の上に成り立っている企業である。不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りした東急不動産だまし売り裁判が典型である(林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』)。十条再開発でも権利変換率が異常に低く、平均予想値は百パーセントに満たない。地権者は再開発に参加すると従前よりも狭い面積の区分所有権しか得られない。
しかも、区分所有権であるために共益費や修繕積立金などの出費がかかる。商店ならば内装費などの初期投資が必要である。数千万円かかった例がある。熱海再開発の反対理由も小規模商店が再開発ビルに移っても内装費を負担できないというものであった。道路に面した店舗が再開発ビルに入居すると客の入りが悪くなる。再開発は中小地権者の土地を搾取する貧困ビジネスである。
再開発計画地では反対運動の旗が立てられた。反対運動の旗が立つことで住民の中にも他に反対者がいることを認識し、新たな連帯が生まれている。東急不動産は世田谷区の二子玉川ライズでも街壊しの再開発が批判されている(林田力『二子玉川ライズ反対運動』)。広域の連帯にも期待したい。
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2013年1月12日土曜日

白竜25巻v林田力wiki

『白竜』25巻はオリンパス事件を下敷きにする。白竜には暴力団による東急電鉄株買い占め事件など現実の事件を下敷きにした話が多い。今回の話も、その一つである。作中ではオリオン社になっている。
独裁者が君臨する企業の実態がリアルに描かれている。オリンパスでは公益通報者が逆に降格されるという問題も起き、裁判にもなっている。端から見れば企業のメリットにもなっていないが、そのような非合理な処分に固執する企業体質が理解できる描写である。
このようにビジネス劇画としては優れているが、白竜のヤクザとしての活躍は乏しい。カード会社への恐喝に対抗する話では警察への告発というヤクザらしからぬ行動で失望させた。ヤクザ漫画としての性質を失ってはならない。林田力wiki
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『映画ドラえもん のび太と奇跡の島

『映画ドラえもん のび太と奇跡の島 アニマル アドベンチャー』は藤子不二雄の漫画『ドラえもん』のアニメ映画である。2012年3月3日に公開された。第2期声優陣では3作目のオリジナル作品である。絶滅動物たちが暮らす不思議な島を舞台に、ドラえもんと仲間たちが冒険を繰り広げる姿を描く。

大長編ドラえもんでは以下のパターンが典型である。のび太達がユートピア的な不思議な世界を訪れ、現地の住民と交流する。ユートピアを破壊する悪者が現れ、最終的に悪者を退治してハッピーエンドとなる。この枠組みに沿って『奇跡の島』も展開するが、のび太の父親のエピソードを入れることで話を重厚にしている。
http://www.hayariki.net/5/45.htm
のび太は大長編ドラえもんでは勇敢になることが多いが、『奇跡の島』ではドラえもんの秘密道具に頼る存在である。『奇跡の島』には日常のドラえもんらしさがある。大長編ドラえもんで最も割りを食っているキャラはスネ夫である。のび太やジャイアンが勇敢になる代わりに臆病者として描かれる。これに対して『奇跡の島』のスネ夫は臆病者のズルさを出しながらも、ドラえもん達の救出を信じて他者を励ます骨太さを見せた。(林田力)

2013年1月11日金曜日

二子玉川ライズスケートガーデンの貧困

二子玉川ライズスケートガーデンは貧困である。二子玉川ライズガレリアにスケートガーデンという名称で疑似スケートリンクができているが、子どもだましである。リンクは氷ではなく、白い板である。子ども達の多くも滑っているというよりも、歩いている状態である。
東京都世田谷区玉川の再開発・二子玉川ライズは住民を無視し、住環境を破壊する再開発と批判されている(林田力『二子玉川ライズ反対運動』)。東急電鉄や東急不動産は再開発で賑わいの拠点になったと自惚れるだろうが、紛い物のスケートリンクは東急のやっつけ仕事ぶりを象徴する。東急不動産はマンション販売でも売ったら売りっぱなしが批判される(林田力『東急不動産だまし売り裁判』)。
http://hayariki.net/

『ハウルの動く城』林田力wiki書評

『ハウルの動く城』はスタジオジブリのアニメ映画である。少女ソフィー・ハッターと魔法使いハウルの恋を通して、生きる楽しさや愛する歓びを描く。原作はダイアナ・ウィン・ジョーンズ『魔法使いハウルと火の悪魔』である。

舞台は魔法と科学が混在する西欧風の世界である。ハウルは「動く城」に住む魔法使いである。ソフィーは父が遺した帽子店で働く少女である。荒れ地の魔女からのハウルの逃避行に巻き込まれたソフィーは、荒れ地の魔女の呪いで老婆にされてしまう。ソフィは掃除婦としてハウルの城に住み込む。戦争の悲惨さや国家権力の冷酷さを、あまり残虐な描写をせずに上手に描いている。

中盤でラスボスの印象を与えた王国側の魔法使いとの対決はなく、最後は理解のある人として格好つけさせて終わっていることにフラストレーションが残る。愚かな戦争と第三者的に発言できる立場ではない。戦争を終わらせることができるならば、愚かな戦争を始めたことに対して責任のある立場である。王国についても射程に入れると、物語が「終わりよければ全てよし」的な悪癖に陥っている。
http://www.hayariki.net/cul/3.htm
『千と千尋の神隠し』では何の罪もない千尋が過酷な状況に追い込まれ、それが「生きる力」であるともてはやされた(林田力「格差社会における『千と千尋の神隠し』の不条理」ツカサネット新聞2009年6月19日)。『ハウルの動く城』もソフィーを主人公と位置付けるならば不条理な苦難を克服する物語になる。一方でハウルを主人公と位置付けるならば甘い展開である。

2013年1月10日木曜日

大奥6巻v林田力Amazon

『大奥』6巻は徳川綱吉の晩年から徳川家宣、徳川家継の時代を描く。専制君主・綱吉の孤独、家宣の名君ぶり、柳沢吉保や間部あきふさの忠義など歴史上の物語を男女逆転で描いている。大奥の贅沢が幕府財政を圧迫することが示唆されており、今後の物語への影響が興味深い。
家宣、家継時代は新井白石の正徳の治として知られる。『大奥』では白石の出番は僅かであるが、家継の教師として鎖国とともに女子が家を継ぐことは本質的ではないと主張させている。物語世界の本質を突いている。
白石は儒学者であるが、その学風は硬直的なものではなく、実学を志向していた。密入国した宣教師シドッチを尋問して西洋紀聞を著したことは有名である。儒学者の実学精神が、儒教国の朝鮮や清国と異なり、日本が西洋文明を容易に受け入れられた一因である。その意味で白石に男女逆転の本質を突かせていることは興味深い。林田力wiki
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『ONE PIECE カラクリ城のメカ巨兵』

『ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵』は人気漫画『ONE PIECE』の劇場版である。麦わらの一味は、難破した海賊船から宝箱を手に入れた。早速中を見てみると、そこには老婆が入っていた。老婆は自分の島「メカ島」の財宝伝説を話し、一行は「メカ島」に寄航する。そこで島の謎をめぐる領主ドクター・ラチェットの陰謀に巻き込まれる。

『カラクリ城のメカ巨兵』の敵は様々なカラクリを駆使する頭脳派である。一般の武闘派では王下七武海クロコダイルを倒したルフィの敵として力不足である。クロコダイル以上の敵でなければ盛り上がらないためである。しかし、安易にクロコダイル以上の敵キャラを登場させると、世界政府に認められた海賊の最高峰・王下七武海という設定が崩壊する。
http://hayariki.net/5/14.htm
この点で『カラクリ城のメカ巨兵』が敵のボスを頭脳派にしたことは功名である。しかもルフィら麦わらの一味とは価値観の異なる人物であり、話が噛み合わない。その掛け合いが笑いを誘う。

一方で残念なことは敵幹部には下品な不良的キャラクターにしており、統一性が欠ける。敵幹部はヤンキーにしようとしたものではなく、硬派を狙っていたと考えられる。しかし、一部には暴走族風の演出もある。知性派にヤンキーはミスマッチである。下品なヤンキーを部下とすることで知性派のキャラクターらしさが失われてしまう。知性派ボスには知性派幹部の方が敵組織として一貫性がある。(林田力)

2013年1月9日水曜日

東京ムジークフロー2013新春特別演奏会

オーケストラ・東京ムジークフロー「新春特別演奏会」が2013年1月5日に彩の国さいたま芸術劇場・音楽ホールで開催された。テーマは「音楽で巡るヨーロッパの旅」である。指揮者は菊地俊一氏である。今回はソロパートが目立ち、演奏者にとって腕の見せ所であっただろう。

最初に演奏した曲はニコライ・アンドレイェヴィチ・リムスキー=コルサコフ「ロシアの復活祭」序曲である。リムスキー=コルサコフは19世紀後半に活躍したロシア五人組の一人である。ロシアの民謡や文学を題材とした民族色の強い作品が多い。後進の育成にも力を注いだ。

東京ムジークフロー特別演奏会(江東区文化センター、2011年1月15日)で演奏した「8つのロシア民謡」の作者アナトール・コンスタンチノヴィッチ・リャードフはリムスキー=コルサコフの弟子である(林田力「東京ムジークフローが19世紀ロシア音楽を演奏」リアルライブ2011年1月18日)。

「ロシアの復活祭」序曲はロシア正教の聖歌集を題材とした曲である。後半には復活祭の祝祭的な雰囲気が入る。敬虔さとリズミカルさが盛り込まれた曲であるが、ムジークフローの演奏には賑やかな中にも重厚さがあった。
http://www.hayariki.net/cul/music.htm
次はヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル「フルースエの花々」(フレーセーの花々、フレセの花々)である。ベリエルは19世紀後半から20世紀前半に活躍したスウェーデンの作曲家である。後期ロマン派に属する。

フルースエFrosoはイェムトランド地方のストゥーシェン湖(ストゥール湖、Lake Storsjon)に浮かぶ島である。ストゥーシェン湖は英国ネス湖のネッシーのような怪物が棲むという神秘的な島である。ベリエルは1896年の「フルースエの花々」発表後にフルースエ島に別荘を建て、永住した。

「フルースエの花々」は3巻からなる。今回は「夏の歌」「バラに寄せて」「お祝い」「フルースエの教会にて」の4曲を演奏した。いずれも詩情豊かでロマンティックな曲である。可愛いらしい気持ちにさせられる。

3曲目はエンリケ・グラナドス「スペイン舞曲集」である。グラナドスは19世紀後半から20世紀前半に活躍したスペインの作曲家である。第一次世界大戦中の米国公演からの帰路に乗船サセックス号がドイツ軍潜水艦による魚雷攻撃で沈没し、行方不明になる。このサセックス号事件はルシタニア号事件と共に米国の参戦の一因になった。

「スペイン舞曲集」は1巻に3曲が含まれる全4巻全12曲のピアノ曲集である。今回は「オリエンタル」「アンダルーサ」「ロンダーシャ」の3曲を演奏した。スペインの民族音楽を反映した情緒的で美しい作品である。愁いを帯びたメロディが印象的である。一方でスペインの民族音楽として聴くならば、いわゆるスペインらしさ(カルメン的な情熱)は弱い。いかにもスペイン的という楽曲は他にもある。これは民謡を下敷きにするという民族派作曲家のオーソドックスな手法を踏襲せず、独創性を重視したためである。

4曲目はベドルジハ・スメタナ「わが祖国」より「ボヘミアの森と草原から」である。スメタナは19世紀チェコの作曲家で、チェコ国民音楽の礎となった。「わが祖国」は6曲で構成される連作交響詩で、第2曲の「モルダウ」(ヴルタヴァ)が圧倒的に有名である。「ボヘミアの森と草原から」は第4曲である。ボヘミアの雄大で豊かな自然を連想して気持ちが高揚する。国民の奮起をアジテートしている感が無きにしも非ずの「モルダウ」に対して、「ボヘミアの森と草原から」は農民の生活を自然体で描いている。

一般にクラシックには国民国家以前の西洋の古典音楽とのイメージがあるが、今回の楽曲はどれも民族性が豊かである。しかも、その民族性は個性を抑圧する偏狭な民族主義と異なり、個性的である。

リムスキー=コルサコフ「ロシアの復活祭」序曲も聖歌から出発しつつも祝祭を楽しむ民衆の喜び織り込んでいる。ベリエルの「フルースエの花々」は国家よりもローカルな世界で、美しい場所での生活を楽しむものである。グラナドスは民謡を下敷きにせずに独創性を重視した。スメタナは民謡を土台にすべきとの国民音楽の保守主義に抵抗し、独創的な作曲をした。

ドラえもん奇跡の島v林田力wiki

ドラえもん「のび太と奇跡の島」はアニメ映画である。大長編ドラえもんでは以下のパターンが典型である。のび太達がユートピア的な不思議な世界を訪れ、現地の住民と交流する。ユートピアを破壊する悪者が現れ、最終的に悪者を退治してハッピーエンドとなる。「奇跡の島」も、この枠組みに沿って展開するが、のび太の父親のエピソードを入れることで話を重厚にしている。
映画では、のび太は勇気ある人物に描かれることが多いが、ここではドラえもんの秘密道具に頼っている。ここには日常のドラえもんらしさがある。映画で最も割りを食っているキャラはスネ夫である。のび太やジャイアンが勇敢になる代わりに臆病者として描かれる。「奇跡の島」のスネ夫は臆病者のズルさを出しながらも、ドラえもん達の救出を信じて他者を励ます骨太さを見せた。林田力wiki
http://hayariki.net/

2013年1月8日火曜日

僕はビートルズv林田力wiki

かわぐちかいじ『僕はビートルズ』はタイムスリップ物の漫画である。ビートルズのコピーバンドの四人組がビートルズがデビューする前の東京にタイムスリップする。そこでビートルズの楽曲を発表し、自分達がスターになろうとする。
伝統的なタイムスリップ作品ではタイムスリッパーが何とかして元の時代に戻ろうと悪戦苦闘する。最後は元の時代に戻るという展開が定番であった。
一方で『戦国自衛隊』のように戻らない作品も登場している。『信長協奏曲』のように主人公に戻ろうとする意識の低い作品もある。かわぐちかいじ『ジパング』もタイムスリップで戻らない作品である。『僕はビートルズ』も、この流れに属する。タイムスリップ物の新たなスタイルが生じている。林田力wiki
http://hayariki.net/

2013年1月7日月曜日

パトリック・ネス『問う者、答える者』

パトリック・ネス(Patrick Ness)著、金原瑞人・樋渡正人訳『問う者、答える者』(東京創元社、2012年)はSF小説「混沌の叫び」(Chaos Walking)三部作の第2巻である。原題は『The Ask and The Answer』である。邦題は哲学的であるが、下巻でアスクとアンサーというキーワードがカタカナで登場し、原題の方が表面的には理解しやすい。

物語の舞台は人類が植民した惑星・新世界New Worldである。ここの住民男性はノイズという症状が発生する。ノイズは考えていることが口に出さなくても音のような事象で出る現象である。一見すると超能力的であるが、頭の中が筒抜けになるために厄介である。ノイズは人間以外の生物にも見られるが、何故か女性には発症しない。

物語世界では植民して一世代も経過しておらず、産業化は途上である。移動手段は馬が使われ、飛行機もない。アメリカ大陸植民者のような生活に近い。新世界には先住生物もおり、人間は先住生物スパルクとの戦争に勝利して先住生物を労働力として使っている。

主人公は理由もわからず故郷プレンティスタウンを追われた少年トッドと、宇宙から来た少女ヴァイオラである。トッドを視点人物とした物語とヴァイオラを視点人物とした物語が交互に続く。二人は前作『心のナイフ』で逃避行を続け、人々がノイズから解放されているという平和な町ヘイヴンにたどり着いた。しかし、ヘイヴンは男ばかりの軍隊を率いるプレンティス首長に制圧され、ニュー・プレンティスタウンと改名されてしまった。

捉えられた二人は離れ離れになる。トッドは首長の部下にされ、ヴァイオラはレジスタンスの女性達と行動を共にする。二人は互いを強く思っているが、対立する陣営に属する形になったために誤解が膨らむ。各々の指導者達が狡猾に虚言や甘言を弄して、二人の距離を拡大させる。ヘイヴンを無抵抗で明け渡し、レジスタンスに批判的なレジャー前首長も卑小である。反体制という体制も含めて体制側の大人は卑劣であり、大人を信用してはならないという思いを強くする。

一見するとヘイヴンを侵略したプレンティス首長が悪玉で、レジスタンスは善玉である。実際、プレンティス首長の軍隊の残虐性は目に余る。現代世界の凄惨な戦争犯罪そのものである。しかし、レジスタンスの行動にも疑問がある。発電所や浄水場など住民の生活に必要な施設を爆破し、住民生活を苦しめる結果になる。イラクを占領した米軍と抵抗するテロリストを連想する。

「町の人たちが監禁、拷問、殺戮をくり返す首長をこのまま野放しにしておくなら、飢えてもらうしかない」というレジスタンスの論理は理解できる(下巻72頁)。服従を消極的な同意とする見解もある。太古の昔から悪党の言い訳は「指示どおりにやっただけ」である(下巻207頁)。
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また、平和に暮らしていたヘイヴンの先住民も実は先住生物スパルクには実は非人道的な対処をしていた。何が正義で何が悪か最後まで見えない作品である。

SF作品では物語世界の技術水準にも興味がある。『問う者、答える者』は非文明的な生活が描かれるが、原子力バイクや原子力自動車、原子力ストーブなど原子力を動力源とする機械もある。これは福島第一原発事故を経て脱原発に向かう今後のSF設定では少なくなっていくだろう。例えばドラえもんから原子力の設定が削除された。今後SF作品で原子力がどのように描かれるか、または描かれないかは注目したい(林田力「ガンダム新作『機動戦士ガンダムAGE』は原子力を描くのか」リアルライブ2011年7月5日)。

新世界よりv林田力Facebook

『新世界より』は超能力が使える千年後の関東地方を舞台としたSFホラー小説である。アニメにもなった。
千年後の世界は文明は崩壊し、人々は牧歌的な生活を送っていた。人間社会は呪力と呼ばれる超能力で支えられていた。ユートピア的な世界であったが、実はディストピアであった。
超能力が使えたらいいと思うことは少なくない。『新世界より』は超能力が使えるようになった場合の問題点を明らかにする。超能力は人間の意識によって物理法則に影響を与える。超能力が使えるならば人間の深層意識が世界に影響を及ぼすことも考えられる。その怖さを『新世界より』は描いている。林田力wiki
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2013年1月6日日曜日

ビジョルド『影の王国』

ロイス・マクマスター・ビジョルド著、鍛治靖子訳『影の王国』(創元推理文庫、2012年)は中世風のウィールド王国を舞台とした異世界ファンタジー小説である。五神教シリーズの一冊であるが、他の作品とはキャラクターや場所を共有していない。このため、本書から読み始めることも問題ない。

五神教とは五つの神を信仰する宗教である。森林地帯のウィールドは聖王によって治められる自然信仰であったが、4百年前にダルサカのアウダル大王に征服され、五神教信仰が強制された。その後、ダルサカの内紛でウィールドは独立を果たし、聖王の支配は復活するが、五神教は根を下ろし、伝統信仰は排斥されている。

主人公は父によって狼の精霊を宿すようになった剣士イングレイ・キン・ウルフクリフである。これは古代ウィールドの戦士にかけられた魔法であるが、現代では排斥されるものである。このためにイングレイは放浪を余儀なくされたが、国璽尚書ヘトワル卿に拾われた。

物語は聖王の第三王子ボレソ殺害の報で始まる。手籠めにしようとした侍女に殺されたという。ヘトワル卿の命令で遺体を東都と呼ばれる首都に運ぶために派遣されたイングレイは、王子を殺害した美しい娘イジャダ・ディ・カストスに驚愕する。イジャダも、その身の内に豹の精霊を宿らせていた。
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上位の者にも神すらも反論するイングレイが小気味良い。王子であってもボレソのように軽蔑すべき行動をした者には、それに相応しい評価を下す。イングレイは黙って命令に盲従するロボットではない。日本ではブラック企業が社会問題になっている。ブラック企業の従業員は犠牲者であり、被害者であるが、ブラック企業に潰されないためにはイングレイのような反骨精神が必要である。

ウィールドで五神教が浸透し、伝統的な森の魔術が排斥され、排斥されながらも部分的に残存する状況は、ゲルマン民族などのキリスト教化を連想する。また、神を至高の存在としながらも、その神ですら人間の自由意思を変えることはできず、自由意思を尊重する存在として描かれる。これは人間が悪を犯すことを神が止めないことについてのキリスト教神学の説明と重なる。架空の世界の物語であるが、キリスト教世界を土台にしている。(林田力)

ハウルの動く城v林田力Amazon

「ハウルの動く城」はスタジオジブリのアニメ映画である。ハウルは動く城に住む魔法使いである。荒れ地の魔女からのハウルの逃避行に巻き込まれたソフィは、荒れ地の魔女の呪いで老婆にされてしまう。ソフィは掃除婦としてハウルの城に住み込む。
戦争の悲惨さ、国家権力の非道を、あまり残虐な描写をすることなく上手に描いている。但し、中盤でラスボスの印象を与えた王国側の魔法使いとの対決はなく、最後は理解のある人で終わっていることにフラストレーションが残る。愚かな戦争と第三者的に発言できる立場ではない。戦争を終わらせることができるならば、愚かな戦争を始めたことに対して責任のある立場である。終わりよければ全てよし的な悪癖がある。

ドラえもん「奇跡の島」はアニメ映画である。大長編ドラえもんでは以下のパターンが典型である。のび太達がユートピア的な不思議な世界を訪れ、現地の住民と交流する。ユートピアを破壊する悪者が現れ、最終的に悪者を退治してハッピーエンドとなる。「奇跡の島」も、この枠組みに沿って展開するが、のび太の父親のエピソードを入れることで話を重厚にしている。林田力wiki
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2013年1月5日土曜日

日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか

黄文雄『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』は台湾で生まれ育った著者が「日本人と中国人・韓国人は文化的に全く異なる」と主張する書籍である。日本人を高評価し、中国・韓国人の民族的傾向を批判的に指摘する。

民族的偏見には興味はない。本書で指摘されている日本人の良さや中国・韓国人の悪さは民族というくくりでのステレオタイプな分析である。個人レベルに分解すれば日本人も中国人も韓国人も様々であることは言うまでもない。実際、本書では千年に一度という東日本大震災での日本人の冷静な行動を賞賛するが、日本社会の中でも「東日本は放射能汚染されて人が住めない」などのデマを拡散し、不安を煽る放射脳カルトと呼ばれる醜い連中がいる(林田力「山本太郎の立候補に批判」真相JAPAN第134号、2012年12月4日)。

それ故に民族というステレオタイプな分析だけで人を評価することは誤りであるが、社会集団として把握する上ではグルーピングによるステレオタイプな分析も意味がある。そして社会集団として分析するならば、むしろ現代日本社会では著者が賞賛する日本人の良さは急速に失われ、著者が中国・韓国人のものとして批判した否定的性質が目立ちつつある。

例えば本書では中国人が大中華など大きいことに固執する傾向の説明として「美」という漢字の成り立ちを述べる。美は大きい羊という意味である。つまり、「大きいことは美しいこと」との価値観がある(25頁)。東急電鉄や東急不動産らの東急グループが「美しい時代へ」を掲げながら、ちっとも美しくない大型開発を推進して住環境を破壊し、周辺住民に被害をもたらしている(林田力『二子玉川ライズ反対運動4』)。
http://hayariki.net/4/63.htm
また、中国の経済成長は私企業の市場原理によるものではないとする。「国有企業を二束三文で払い下げ、共産党幹部が企業の社長に就任して巨利を得たり、あるいは地方政府と企業が結託し、許認可を意図的に操作したりして富を得る」(32頁以下)。これも日本とは無縁ではない.

郵政民営化の「かんぽの宿」問題では東急リバブルが旧日本郵政公社から評価額1000円で取得した沖縄東風平(こちんだ)レクセンターを学校法人・尚学学園に4900万円で転売した(林田力「【かんぽの宿問題】東急リバブル転売にみる民営化の問題」ツカサネット新聞2009年2月6日)。これは国有財産を二束三文で払い下げて巨利を得ることに重なる。

加えて東急電鉄・東急不動産らが進めた二子玉川東地区第一種市街地再開発(二子玉川ライズ)では東急電鉄と世田谷区の密約(協定)に基づいて都市計画が変更され、風致地区の都市計画公園予定地に超高層ビルの建設が可能になった(林田力『二子玉川ライズ反対運動』)。これも「地方政府と企業が結託し、許認可を意図的に操作」と重なる。

著者が賞賛する日本社会の素晴らしさのベースになるものとして、豊かな自然、社会の安定、教育水準(識字率)の高さが挙げられる。これらは歴史的に築き上げたものであり、維持しなければ失われてしまうものである。

第一に「豊かな森と水に恵まれた日本」である(189頁)。これは地理的な好条件であるが、努力の賜物である。本書は砂漠化が進む中国と対比するが、人間の自然破壊が原因である。インダス文明も森林伐採による砂漠化で滅びたとの説が有力である。日本も他人事ではない。ダム建設やスーパー林道建設などの公共事業で豊かな森林が過去のものになりつつある。

第二に「内戦や内乱、内紛、そして天災、飢饉、疫病の蔓延、苛斂誅求(税金を容赦なく厳しく取り立てる)などが比較的少なく、社会が安定していたこと」である(189頁)。その背景には天皇制による権威と権力の分散、江戸時代のような分権型システムがあった。中国の皇帝専制は一人だけが自由で万民は奴隷になったが、天皇制の一君万民は格差会社解消の論理にも使われた。しかし、現代の1%だけが富み栄え、残りの99%が貧しくなる格差社会は社会の安定の基盤を崩壊させる。日本の良さを守るためには反貧困の運動が重要になる。

第三に教育水準(識字率)の高さである。一般に江戸時代の寺子屋の普及が理由とされるが、本書は「鎌倉時代の日本仏教の民衆への普及で広がった『写経運動』がきっかけ」と述べる(191頁)。鎌倉仏教は仏教という外来宗教を土着化・民衆化する契機であった。仏教を自分達の教えとして咀嚼した点も中国や韓国との大きな相違である。それが教育の原動力となったことは重要である。近代化に教育制度は必須であるが、上からの近代化で教育制度の確立に成功した例は少ない。民衆側が自発的に学ぶニーズが必要であることを示している。

最後に疑問点を一つ指摘する。日本が真似しなかった中国文化の一つに宦官がある。その理由を本書では日本が中国のような「万人が奴隷とされる」皇帝制度ではないためとする(54頁)。しかし、中国よりは女性の政治的社会的発言権が高かったためと考える。日本では後宮や大奥の政治的な役職を女性が占めることに抵抗がないために宦官は不要であった。これも日本の美点である。

青山剛昌『名探偵コナン 78』林田力wiki書評

青山剛昌『名探偵コナン 78』はオリエント急行殺人事件をモチーフにした「ベルツリー急行殺人事件」がメインである。他に「消えた密室の鍵事件」「赤面の人魚事件」を収録する。

ベルツリー急行殺人事件では灰原哀を狙う黒の組織も動き出し、緊迫した内容になる。ここで遂にバーボンの正体が判明する。バーボン候補だった残り二人の正体も従前の推測を強めるものであった。

沖矢昴、世良真純、安室透の三人は比較的最近になって登場した謎めいたキャラクターである。三人は極めて高度な推理能力を持ち、コナンや灰原、毛利小五郎に並々ならぬ関心を抱いている。この三人の一人が黒の組織から送り込まれたバーボンであると物語では仄めかされている。

バーボン候補の三人には『機動戦士ガンダム』のキャラクター名が使われている。ジオンのキャラクターに因んだ名前のキャラクターが主人公サイド、連邦のキャラクターに因んだ名前のキャラクターが敵という点に味がある。ガンダムでは連邦が主人公サイドであるが、連邦は無能と腐敗と圧制の象徴であり、ジオンに感情移入するファンも多い。名探偵コナンでのキャラクター設定はガンダムの世界観を理解している。
http://www.hayariki.net/cul/5.htm
バーボンの正体が明らかになったものの、バーボンを追い払うことにはならず、コナンはバーボンを意識しなければならないため、むしろ「眠りの小五郎」の推理ショーがやりにくくなった。「眠りの小五郎」の推理ショーができないならばコナンは子どもの思いつき的な言動で周囲の大人を誘導する。

この設定は「名探偵コナン」を推理物として優れたものにする。推理物では真相が明らかになるのは最後でなければならない。故に「金田一少年の事件簿」のように最後の段階で「謎はすべて解けた」とするのも推理物の一つの構成である。

一方で優秀な探偵ならば、早い段階で事件の真相を把握していてもおかしくない。実際、「シャーロック・ホームズ」は、その要素が強い。ホームズは早い段階で真相を解明しているが、読者には真相が最後まで明かされない。これは物語がワトソンの視点で語られているためである。ワトソンが質問しても、ホームズは断片的にしかヒントを提供せず、はぐらかしてしまう。

この点はコナンも似ている。いち早く真相に気付いても、自分の推理を披露できない。そのため、周りの大人達を部分的に誘導することしかできない。これによって、読者も中々真相にたどり着けず、最後まで引っ張られる。自分が探偵であることを隠さなければならないという設定は物語としての面白さだけでなく、推理物としても優れた枠組みになる。(林田力「【アニメ】名探偵 コナン、推理力で大人を誘導」ツカサネット新聞2009年2月24日)

カラクリ島のメカ巨兵v林田力wiki

ワンピース「カラクリ島のメカ巨兵」は人気漫画ワンピースの劇場版である。メカ島に寄航したルフィら麦わらの一味であったが、島の謎をめぐる領主の陰謀に巻き込まれる。この作品の敵は様々なカラクリを作る知性派である。七武海クロコダイルを倒したルフィの敵には、その辺の悪役では力不足である。この点で知性派を敵のボスに持ってきたことはナイスである。しかも、ルフィと知性派ボスの噛み合わない掛け合いが笑いを誘う。
一方で残念なことは敵幹部には下品な不良的キャラクターで統一がとれていない。ヤンキーではなく、硬派を狙っていたと考えられるが、暴走族風の演出もある。知性派にヤンキーは合わない。下品なヤンキーを部下とすることで知性派のキャラクターらしさが失われてしまう。知性派ボスには知性派幹部の方が敵組織として一貫性がある。林田力wiki
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影の王国v林田力Facebook書評

『影の王国』は中世風の異世界のウィールド王国を舞台としたファンタジー小説である。五神教シリーズの一冊であるが、他の作品とはキャラクターや場所を共有していない。五神教とは五つの神を信仰する宗教である。森林地帯のウィールドは自然信仰であったが、数百年前にダルサカのアウダル大王に征服され、五神教信仰が強制された。その後、ダルサカの内紛でウィールドは独立を果たすが、五神教は根を下ろし、伝統信仰は排斥された。
主人公は狼の精霊を宿す剣士イングレイである。狼憑きとして排除される立場にあったが、ヘトワル卿に拾われた。ヘトワル卿の命令により、侍女に殺害された第三王子の遺体回収から物語は始まる。
上位の者にも神すらも反論するイングレイが小気味良い。黙って命令に盲従するロボットではない。日本ではブラック企業が社会問題になっている。ブラック企業の従業員は犠牲者であり、被害者であるが、ブラック企業に潰されないためにはイングレイのような反骨精神が必要である。
ウィールドで五神教が浸透し、伝統的な森の魔術が排斥され、排斥されながらも部分的に残存する状況は、ゲルマン民族などのキリスト教化を連想する。また、神を至高の存在としながらも、その神ですら人間の自由意思をおかすことはできず、自由意思を尊重する存在として描かれる。これは人間が悪を犯すことを神が止めないことについてのキリスト教神学の説明と重なる。架空の世界の物語であるが、キリスト教世界を土台にしている。林田力wiki
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2013年1月4日金曜日

名探偵コナン78巻v林田力Facebook書評

名探偵コナン78巻はオリエント急行殺人事件をモチーフにした話がメインである。灰原哀を狙う黒の組織も動き出し、緊迫した内容になる。ここで遂にバーボンの正体が判明する。バーボン候補だった残り二人の正体も従前の推測を強めるものであった。
バーボン候補の三人は機動戦士ガンダムのキャラクター名が使われている。ジオンのキャラクターに因んだ名前のキャラクターが主人公サイド、連邦のキャラクターに因んだ名前のキャラクターが敵という点に味がある。ガンダムでは連邦が主人公サイドであるが、連邦は無能と腐敗と圧制の象徴であり、ジオンに感情移入するファンも多い。名探偵コナンでのキャラクター設定はガンダムの世界観を理解している。林田力wiki
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2013年1月2日水曜日

十条駅西口地区市街地再開発批判

東急不動産が参加組合員になっている十条駅西口地区第一種市街地再開発が街壊しとして批判されている。十条駅西口地区再開発は住まいの貧困をもたらす。十条では過去にも再開発の構想があったが、反対の声が強く、今回は施工地域を狭くした上での計画である。
十条は木造住宅あり、商店街あり、学校ありと生活者の街として成り立っている。百メートルを超えるマンションは異質であり、不要である。大型道路は街を分断する。大型道路ができると道路の反対側の住民は道路を渡ってまで商店街に来なくなり、商店街が成り立たなくなる。
参加組合員の東急不動産は自社の利益しか考えておらず、ステークホルダーの犠牲の上に成り立っている企業である。不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りした東急不動産だまし売り裁判が典型である(林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』)。十条再開発でも権利変換率が異常に低く、平均予想値は百パーセントに満たない。地権者は再開発に参加すると従前よりも狭い面積の区分所有権しか得られない。
しかも、区分所有権であるために共益費や修繕積立金などの出費がかかる。商店ならば内装費などの初期投資が必要である。数千万円かかった例がある。熱海再開発の反対理由も小規模商店が再開発ビルに移っても内装費を負担できないというものであった。道路に面した店舗が再開発ビルに入居すると客の入りが悪くなる。再開発は中小地権者の土地を搾取する貧困ビジネスである。
再開発計画地では反対運動の旗が立てられた。反対運動の旗が立つことで住民の中にも他に反対者がいることを認識し、新たな連帯が生まれている。東急不動産は世田谷区の二子玉川ライズでも街壊しの再開発が批判されている(林田力『二子玉川ライズ反対運動』)。広域の連帯にも期待したい。
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2013年1月1日火曜日

二子玉川ライズの騒音公害

東京都世田谷区の再開発・二子玉川ライズでは騒音公害が問題になっている。工事中は工事騒音に苦しめられてきたが、竣工後も騒音公害が続いている。「二子玉川ライズ ガレリア」と呼ばれる空間では「二子玉川ライズ ショッピングセンター」などの客集めのためにイベントが開催される。その騒音が近隣の住宅まで響き、近隣住民は大きな迷惑を被っている。

二子玉川ライズでは日照阻害、景観破壊、ビル風、水害の増大、コミュニティーの分断、税金の無駄遣いなど複合的な住民被害をもたらしている。そこに騒音公害も加わった。二子玉川ライズによる深刻な住環境被害はビル風である。ビル風による転倒で骨折者まで出ている。騒音公害もビル風と同根の問題である。風が高層ビルによって遮られることと同じく、騒音も高層ビルに跳ね返り、比較的離れた住宅まで騒音被害を受ける。

騒音公害は東急電鉄や東急不動産の地域環境を無視したデザインの結果である。もともとガレリアは二子玉川駅とバスターミナルを結ぶ通路である。イベントを行うような広場として最適の場所ではない。再開発前は駅前にバスターミナルがあった。再開発によって駅から離れた場所にバスターミナルが移動したことは不便である。これは駅とバスターミナルの間に「二子玉川ライズ ショッピングセンター」などを入れることにより、買い物客を増やそうとする姑息な営業戦略である。
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駅とバスターミナルが離れただけでも通行人は不便であるが、その通り道がイベント会場になるならば一層歩きにくくなる。これも興味のない通行人に無理矢理にでも関心を持たせようという情けない営業戦略である。

東急はショッピングセンター経営として三流である。伝統的な百貨店ビジネスでは屋上をイベント会場とした。これによってイベントに釣られた消費者を買い物客として囲い込むことができた。高層ビルありきの硬直した二子玉川ライズでは生まれない発想である。店舗の軒先をイベント会場にしたところで囲い込み効果は薄い。

一方で屋上のイベントを成功させるためには、わざわざ屋上まで来たくなるような魅力的なイベントである必要がある。東急の実力は通行人に無理矢理興味を持たせる形で賑わいを装う程度である。