2013年11月24日日曜日

私の職場はラスベガス

『私の職場はラスベガス』はラスベガスのホテルの女性従業員ラッキーを主人公にしたアメリカ現代小説である。翻訳には「肉食系女子」(147頁)など現代日本の言葉が使われている。本書で描かれるラスベガスは、古典的な文学作品などで描かれる高い倫理観のあるピューリタニズムのアメリカとは全く異なる。そのような感覚からすると発狂したくなるほど異常である。左からはオキュパイ運動、右からは茶会運動が起きる訳である。
日本でもカジノを作ろうという動きがある。ラスベガスは砂漠の真ん中で生産性のない土地である。そのような場所だからカジノが許される面もある。カジノそのものへの根元的な批判は真剣に検討されるべきであるが、仮に日本でカジノを建設するとしても、東京都港区お台場ではなく、交通の不便な過疎地にすべきである。勿論、地域住民が静かな生活よりも目先の金儲けを優先する選択をした場合に限られる。

物語は顔見知りの従業員リダ・スーの遊覧ヘリコプターからの転落死で幕を開ける。カジノという非日常空間を舞台としたミステリーである。カジノの世界にはエネルギーを浪費する資本主義の狂気がある。砂漠に人工雪による屋内スキー場を作る(24頁)。雰囲気のために暖炉のある部屋に冷房をガンガンに効かせて暖をとる(28頁)。

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