2013年10月16日水曜日

比類なき翠玉

クリスティン・ギア著、遠山朋子訳『時間旅行者の系譜 比類なき翠玉(エメラルド)』(東京創元社、2013年)は時間旅行ファンタジー三部作の完結編である。クリスティン・ギアはドイツの作家である。

主人公グウェンドリン・シェパードは現代の女子高生である。そのグウェンドリンがタイムトラベラーとしての遺伝子を保持していたことから、冒険や謎解きに巻き込まれる。グウェンドリンにとっては冒険や謎解き以上に恋愛が大問題である。これは少女向け作品らしい。主人公が使命感や人類愛に燃えるよりもリアリティがある。

主なタイムスリップ先は18世紀の貴族社会であり、表紙のイラストも貴族風である。そのために貴族趣味的なイメージを抱いてしまうが、グウェンドリンは19世紀のドレスに憧れを抱くものの、現代人気質である。恋愛面もストレートである。ロマンスとしてみれば、すれ違いの物語であるが、グウェンドリンがストレートに気持ちをぶつけるお陰で、じれったくなることはない。

グウェンドリンには幽霊が見えるという特質がある。幽霊の中でもガーゴイルのセメリウスはグウェンドリンらの言動に茶々を入れる。それが物語に独特な雰囲気を与えている。
http://www.hayariki.net/home/12.htm
タイムトラベルには時間などの制約があり、タイムトラベルができることは強みに直結せず、謎解きを簡単に進ませない。敵や陰謀は想像していたものよりは小さいものであった。しかし、グウェンドリンの従姉妹のシャーロットが性格の悪い強敵として立ち塞がる。最後の最後にならなければ全ての謎が明らかにならない点は物語の構成として巧みである。
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