2013年10月13日日曜日

『運がよくなる月の習慣、太陽の習慣』

松永修岳『運がよくなる月の習慣、太陽の習慣 もっともっと成功できる91の生き方術』(幻冬舎、2013年)は運をよくするための習慣や避けるべき習慣をまとめた書籍である。著者は経営戦略コンサルタントにして、「運」の専門家である。

本書はコンクリート造のマンションよりも、建物が呼吸する木造住宅が安眠をもたらすと主張する。「良質の眠りを求めるなら、思いきって木造建築に引っ越すのもひとつの方法です。木造の家は、建物全体が呼吸するので空気が循環し、心地よい眠りを与えてくれます」(41頁)。

私自身がマンションから木造建築に転居した経験があり、この記述に納得した。現代人は睡眠不足が大きな問題になっている。鉄筋コンクリートの住環境が影響している可能性がある。都市政策では防災の観点から木造密集地域を鉄筋コンクリート中心に再開発する傾向があるが、住民の健康・生活を第一に考えて見直すべきである。

本書には金運をもたらす習慣も紹介する。「年収が3倍以上の人と付き合う」「お金を好きな人がお金に好かれる」などと記載する。その説明は納得できるものであるが、富める者が益々富み、貧しい者が益々貧しくなる格差社会の現実を説明するものでもある。反貧困の運動が社会には必要であることを改めて実感した。

本書は依頼の文面を「お返事をお待ちしています」ではなく、「いいお返事をいただけると信じています」とすることがコツとする。相手にとっては断りにくく、思わず「わかりました、いいですよ」と応える傾向にあるためとする(161頁)。

この指摘は考えさせられた。私も「信じています」との文面を受け取ったことがある。「信じています」にインパクトがあることは確かである。しかし、インパクトがある故に「それが正しい選択肢であり、それを行うことが当然である」という強制・強要を感じ、非常に不愉快な気分になった。

依頼者とは別に親しい関係ではなかった。そのために「あなたは私の何を理解して信じるという結論に至ったのか。単に自分にとって都合がいいから『信じている』と書いているだけではないか」と腹立たしく思ったものである。依頼の文面も「○○してくれるものと信じています」と、本書の「いいお返事をいただけると信じています」以上に要求がストレートで露骨であった。
http://hayariki.net/futako/48.htm
依頼者が「ご理解下さい」を連発していることも不愉快さを増幅させた。自分の立場を相手に理解させ、相手が自分の希望通りに行動することを信じていると述べる。ここまで自己中心主義を徹底できるならば、ある意味幸せである。

成功法則は重なることが多い。本書の記載内容も他のハウツー本などでテクニックとして紹介されているものもあるだろう。しかし、テクニックとして表面的に適用するだけでは逆効果になる場合もある。「信じています」と書くならば、相手を信じるだけの関係や根拠が必要である。さもなければ自分勝手な妄想になる。ハウツー本的なテクニック蔓延の弊害である。

本書は太陽の法則・月の法則という超自然的・オカルト趣味的・ミステリアスなところから説き起こす。それに対して科学信奉者などの立場からは違和感があるだろう。指摘内容は現代人の現代生活に適用できる話ばかりであるために尚更である。しかし、即物的なハウツー本が蔓延する状況では、本書のスタンスはむしろ健全である。
Claim to Discipline Liberalarts Lawyer (Japanese Edition) eBook: Nakano Arai: Amazon.co.uk: Kindle Store
http://www.amazon.co.uk/dp/B00FNJFROC

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