2013年9月7日土曜日

改選後の都議会を読む

森地氏も多数派が多数であることを武器に何でも通すことを是とするものではない。反対に自民党政権下で平和憲法も国民皆保険も守られたことを評価する。しかし、これは自民党と社会党の国対政治の賜物でもある。手続的にも内容的にも、あまり肯定的に評価したくはないものである。

手続き的な問題は各党の国対委員長や都議団幹事長の密室の談合で決まってしまうことである。それまで熱心に反対していた議案に対して、部分的な修正条項が入れられたことで突然、賛成の党議がかかることもある。これは市民感覚では納得し難いところがある。政治のプロならば交渉は密室・少人数で進める必要があると言うだろう。また、社会党を支えていた労働組合の交渉も最後は執行部一任であり、労働運動家にとっても違和感なく受け入れられるだろう。しかし、市民感覚とはギャップがある。

内容的な問題としては平和憲法も国民皆保険も守られていると言えるほど立派な状態ではないことである。平和憲法は辛辣に言えば条文の改正を阻止できているに過ぎない。改正阻止だけを目的化し、憲法の理念が活かされているかということへの関心が低かったことが護憲運動の停滞の一因である。

国民皆保険についても官民格差・地域格差の差別を制度的に抱えている。最近では無保険者の増加が問題になっているが、現代的問題というよりも、国民の所属で分類する元々の制度の欠陥があらわになったという側面がある。

議会の場で議論を尽くして議員一人ひとりが自分の頭で考えて自己の責任で投票する政治と、政党幹部が事前に集まって調整し、そこで決まった内容に従って議事が進む政治。管見は前者を好ましいと位置付ける。
http://hayariki.net/futako/16.htm
一方で森地氏の経験からの「数のパワーゲームには、ろくな結果がない」との結論も理解できる。政治の世界に「寝技」という言葉があることが示すように、「数のパワーゲーム」が現実に起きるとすれば市民不在の政争である。市民の側に立ち、市民の利益を考えた結果ではない。

日本では欧米に比べて議会政治の歴史が浅く、政党の離合集散の激しさが示すように、そもそも会派というものを真面目に考えているかも疑わしいところである。近代政党の体をなしているものは、元来ブルジョア議会を否定する立場にあった日本共産党くらいしかないという皮肉な現実がある。市民の側も「党議拘束を禁止すべき」「地方議会には会派は不要(全議員は住民の利益を考える区民党、都民党たれ)」などの極論が支持される土壌がある。

議会制民主主義と共にある会派についての認識が浅い日本で「数のパワーゲーム」が展開されるならば「ろくな結果がない」ことは必然かもしれない。この点でも市民は政治的素養を深める必要があり、都政わいわい勉強会のような企画は有意義である。
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