2013年8月11日日曜日

『ONE PIECE 71』ドレスローザは格差社会か

尾田栄一郎『ONE PIECE 71』(集英社、2013年)はドレスローザ編に突入する。ドレスローザはドンキホーテ・ドフラミンゴの本拠地である。四皇や海軍大将という大物が控えている中では、チンピラ・ヤンキー風のドフラミンゴは小物臭い(林田力『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』「『ONE PIECE 69』脱法ハーブへの警鐘」)。革命軍の動向やワンピース世界の謎を知りたい向きにはドレスローザ編自体が引き延ばしのための寄り道に思えてくる。

ドンキホーテ・ファミリーは、これまでルフィ達が対決してきた海賊団よりも強力な組織であることが明らかになったが、ドフラミンゴは若様と呼ばれており、ドフラミンゴ一人だけの力で築いた訳ではなさそうである。格差が相続される格差社会を反映するような設定である。

最初から期待値の低かったドレスローザ編であるが、『ONE PIECE 71』では新キャラクターが次々と登場しては互いに潰しあう。この展開は一層引き延ばし戦略に見えてくる。それでも玩具や小人などドンキホーテ・ファミリーに虐げられた人々の存在が描かれ、空島編やウォーターセブン編のような大きな物語になることを予想させる。
http://hayariki.net/futako/5.htm
ワンピースの初期は住民全てに害をなす無法者の海賊団をルフィ達が倒す展開が王道であった。これに対してドレスローザの一般国民はドンキホーテ・ファミリーに直接的に虐げられている訳ではない。むしろ経済的反映を享受している。その一方で一部の玩具や小人など虐げられている少数派が存在する。これは多数派の影で貧困と格差に苦しむ日本社会と重なる。そしてルフィ達は彼らの側に立ってドンキホーテ・ファミリーと戦うことになりそうである。

ワンピースは空島編ではパレスチナ問題、魚人島編ではヘイトスピーチを連想させる(林田力「『ONE PIECE』第65巻、排外主義者の思想に迫る」リアルライブ2012年2月9日)。直前のパンクハザード編では薬物問題を扱い、脱法ハーブ、脱法ドラッグ蔓延の社会情勢に重なる(林田力『東急不動産だまし売り裁判6東急百貨店だまし売り』「『ONE PIECE 70』依存性薬物利用者のゲスさ」)。ドレスローザ編も奥深い話になりそうである。日本で最も人気を誇るエンタメ作品が社会性を有していることは喜ばしいことである。
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