2013年8月4日日曜日

命を預かる保育者の子どもを守る防災BOOK

猪熊弘子『命を預かる保育者の子どもを守る防災BOOK』(学研教育出版、2012年)は東日本大震災を踏まえて保育者の防災についてまとめた書籍である。本書は三部構成である。第一部は東日本大震災の各地の保育園のドキュメントである。第二部は「ケース別行動マニュアル」になっている。第三部は「防災チェック&ルール」になっている。

本書は保育者に防災の指針を提供する実用的な書籍である。読み物としては実体験をまとめた第一部に迫力がある。著者は「日ごろの備えや訓練をしっかり行っていた園ほど被害が少なかった」と結論付けている(2頁)。加えて保育者の判断のお陰で子ども達の命が守られた事例も多い。保育者の献身には頭が下がる。「子どもを預かる」は「命を預かる」こと(48頁)という重い責任感がなければできないことである。

今日では待機児童解消が大きな政治課題になっている。待機児童解消のために保育所を増やすという点では、ほぼコンセンサスが得られている。その中で保育の質という点が対立軸になっているが、あまり議論はかみ合っていない。公立は質が高く、民間は質が低いという決め付けには同意できない。公務員と民間のどちらがサービスの質が高いか、と言われて前者が高いと決めつけることは社会感覚から遊離している。現実に民間の方が延長保育など利用者のニーズに柔軟に対応できる面もある。
http://www.hayariki.net/10/50.htm
しかし、金儲けしか考えないブラック企業のような業者が保育園を運営していたら、日頃から避難訓練を行うことも、いざという時に子ども達の命を守ることもできない。ブラック企業は「ブラック企業大賞2013」にワタミや東急ハンズらと共に国立大学がノミネートされたように民間だけの問題ではない。保育の質はブラック企業を排除するという視点が有益である。
The Statement for TOKYU Land Corporation Fraud eBook: Hayashida Riki: Amazon.in: Kindle Store
http://www.amazon.co.in/dp/B00DZQRVDK

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