2013年8月29日木曜日

林田力二子玉川ライズ反対運動

「輝くものすべてが金とはかぎらない」(『ヴェニスの商人』第二幕第七場)。『二子玉川ライズ反対運動』は金ではないが、輝くものである。
再開発前の二子玉川に来ると暖かい繭に包まれたような気がしたものである。二子玉川ライズができた後では丸裸になったような感じがする。住民は骨の髄まで傷ついた。

東野『パラレルワールド・ラブストーリー』は記憶改変をテーマにしたミステリーである。日常の中で物語は進むが、早い段階から何らかの陰謀があることは容易に察知できる。むしろ主人公の認識が遅く、じれったさを感じるほどである。このために先の展開を予想しながら読み進めたが、結末は予想を大きく外れた。私は東急リバブル東急不動産から新築分譲マンションをだまし売りされた経験がある(林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』ロゴス)。このために悪質な企業の陰謀という展開を予想したが、大きく裏切られた。物語としては、キレイにまとまった終わり方である。社会よりも私の回りの人間関係を重視する日本文学の伝統に即している。
しかし、信じられないほどの善人だったという読後感があるものの、その研究は倫理的には許しがたいものである。技術者の倫理観のなさは恐ろしいものである。その後の企業の行動は不都合な事実を隠す隠蔽体質である。東急不動産だまし売り裁判と同じである。

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