2013年7月13日土曜日

子どもを守る防災BOOK

猪熊弘子『命を預かる保育者の子どもを守る防災BOOK』(学研教育出版、2012年)は東日本大震災を踏まえて保育者の防災についてまとめた書籍である。本書は三部構成である。第一部は東日本大震災の各地の保育園のドキュメントである。第二部は「ケース別行動マニュアル」になっている。第三部は「防災チェック&ルール」である。
本書は保育者に防災の指針を提供する実用的な書籍である。一方で読み物としては、実体験をまとめた第一部が迫力がある。「日ごろの備えや訓練をしっかり行っていた園ほど被害が少なかった」(2頁)。加えて保育者の判断のお陰で子ども達の命が守られた事例も多い。保育者の献身には頭が下がる。「子どもを預かる」は「命を預かる」こと(48頁)という重い責任感がなければできないことである。
現在、保育は大きな政治争点になっているが、政党間の議論は認可保育所中心とするか、小規模保育中心とするかが活発である。前者からは保育の質を維持するためには認可保育所でなければならないと主張される。しかし、公務員と民間のどちらがサービスの質が高いか、と言われて前者が高いと決めつけることは社会感覚から遊離している。現実に民間の方が延長保育など利用者のニーズに柔軟に対応できる面もある。
しかし、刹那的な金儲けしか考えないブラック企業のような業者が保育園を運営していたら、日頃から避難訓練を行うことも、いざという時に子ども達の命を守ることもできないだろう。

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