2013年7月5日金曜日

静かなるドン108巻

『静かなるドン』が108巻で完結した。こち亀やゴルゴ13のような長編漫画は他にもあるが、ストーリー物としては稀有な大作である。連載長期化によって物語が別の方向に進む作品も少なくない中で、近藤静也と秋野明美の物語というブレのない最終回であった。最終章は世界皇帝という巨大権力との戦いがテーマであった。世界皇帝の支配の構造が温存された結末には不満もあるだろう。しかし、世界皇帝との対決は白藤龍馬の目的であり、近藤静也のものではない。静也は一貫して暴力団の平和的な解体を望んでいた。初心を貫く最終回は見事である。
ヤクザ解体という静也の目標に向かった結末であるが、世間から見るとヤクザの大組織同士の関係が強化され、ヤクザの立場が強くなっている点が逆説的で面白い。現実世界では暴力団排除が進行しているが、その結果として関東連合などの暴走族上がりの半グレの跳梁という悪質な結果になっている。また、暴力団排除を名目に天下りなど警察利権になるという問題もある。その意味で『静かなるドン』のヤクザ解体の方向性は現実社会への皮肉になる。

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