2013年7月10日水曜日

『だからあんたは不幸やねん』

桂幹人、椹寛子『だからあんたは不幸やねん』は大阪の一風変わったコンサルタントを取り上げたノンフィクションである。桂幹人氏が「人生の立て直し屋」「企業再生の鬼」と呼ばれるコンサルタントで、椹寛子氏が桂氏の秘書となって見聞きした事例を紹介する。相談事例は経営再建や人生相談など多岐に渡る。

桂氏は顧客など相手目線に立つことの重要性を強調する。これは東急不動産だまし売り被害者にとって納得できる指摘である。東急リバブル東急不動産から不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りされたが、だまし売りそのものに加え、消費者の状況を無視して一方的に理解を要求するだけの姿勢に腹を立てた(林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』ロゴス)。

『だからあんたは不幸やねん』を手に取った時、正直なところ、最初は「失敗した」と思ったものである。「幸不幸は心の持ちようで、プラス思考で頑張れば幸せになれる」という特殊日本的精神論を押し付ける書籍に思えたためである。頑張ることを強制する特殊日本的精神論は苦しむ人をますます苦しめるだけである。
http://hayariki.net/10/27.htm
これに対して桂氏は相談者の苦しみに共感するところから始めている。桂氏にも精神論的なところが皆無ではないが、相手目線に立つという点が大きな特徴になっている。また、執筆者の椹氏自身が苦しい状況に置かれていたことが冒頭で説明される。そのために上から目線にならない書籍になっている。

『だからあんたは不幸やねん』で紹介された事例は全て成功事例であるが、相談者とコンサルタントの溝が深まってしまう失敗事例があることも認めている(236頁)。紹介事例の中で溝が深まりかけた事例が最後の「つぶれかけ工務店を再生せよ」になっていることは示唆的である。建築不動産分野が消費者目線を持ちにくい守旧的な業界であることを物語る。
Disputation at Shibuya TOKYU Plaza (The Suit TOKYU Land Corporation Fraud) eBook: Hayashida Riki: Amazon.in: Kindle Store
http://www.amazon.in/dp/B00COMQEHA/

0 件のコメント:

コメントを投稿