2013年3月30日土曜日

地球の上で

『地球の上で』は詩集である。文学の中でも詩には高尚でロマンチックなイメージがあるが、本書の詩は俗っぽい。その中で詩人の基底にあるものは第二次世界大戦の戦争体験である。
「愚かなるアバンチュール」という詩ではパンデミック対策の入国審査から戦争中の出産政策を連想する。「ゲルピン」という詩では人的資源という言葉から、戦争中の人間を物のように使い捨てにした国家主義を連想する。
今や祖父母すら戦後生まれという世代が社会に出ており、第二次世界大戦の戦争被害と言ったところで、江戸時代のような遠い過去の感覚になる。侵略戦争批判を旗印にした左派が近年勢いを失っている要因である。本書の詩には押し付けがましさはなく、仄めかす程度であるが、人生において戦争体験が強烈であったことは理解できる。
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