2013年1月27日日曜日

ハプスブルクの宝剣下巻v林田力Facebook書評

藤本ひとみ『ハプスブルクの宝剣』下巻ではオーストリア継承戦争に巻き込まれる。主人公とマリア・テレジアはスレ違いを重ねる。頑迷過ぎるマリア・テレジアには腹立たしいが、最後は主人公の方が価値観が変わり、栄達に関心を示さなくなることが小気味良い。権力者の与える餌に魅力を感じなくなる。
歴史を知っている立場では七年戦争がどのように描かれるか期待しながら読み進めたが、そこまで到達せずに物語は終わる。この点は心残りであるが、序盤に登場したキャラクターを終盤に再登場させ、物語としては見事に決着をつけている。
終盤でシオニズムが希望を持って語られる。ユダヤ人少女に「ユダヤ人だけの国を作る」と語らせている。パレスチナ問題ではイスラエルは占領者であり、加害者であるが、アパルトヘイトにもたとえられる民族浄化の占領政策の背後に差別され続けたユダヤ人の独自の国を持ちたいという思いがある。それでも『ハプスブルクの宝剣』で描かれたユダヤ教の教えには異民族も含めて生命の尊重を求めている。やはり現在のイスラエルには問題がある。林田力wiki
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