2013年1月20日日曜日

太陽の黙示録建国編v林田力Amazon

かわぐちかいじ『太陽の黙示録』は大震災によって日本が二つに別れた世界を舞台とした漫画である。北は中国の勢力下にあり、南は米国の支援の下に移民国家を目指している。建国編では主人公は不毛の地に第三の国の建国を目指す。
北日本が中華人民共和国の実質的な属国となっている状況がリアルに描かれる。街には中国語の看板が増え、経済的にも文化的にも自立性を失っていく。水は優先的に大陸に輸出され、日本国民は給水車で配給を受けている状態である。これは水源となる日本の山林を中国資本が買収している現実を反映している。
北日本の支配層にとっては属国化が自分達の利益になる。企業家も利益を得ている。食い詰めたブラック士業が中国人相手に不法滞在の合法化などブラックな法律業務に手を出している現実があり、荒唐無稽ではない怖さがある。
愛国心はならず者の最後の拠り所との言葉があるように、自分に自信を持てないネット右翼が中国を蔑視して精神的な安定を得る醜い実態がある。一方で良識的な市民層に上記ブラック法律事務所のような問題への懸念があることを見落としてはならない。

『太陽の黙示録』は三国志のオマージュになっている。劉備に相当する主人公が第三の国を作ろうとする建国編は三国志の展開に重なる。建国を呉に相当する北日本が妨害する点もケイ州を巡る劉備と呉の争いを彷彿させる。一方で統一志向の北日本の正統政府を呉、分離独立志向の南日本を魏とする点は三国志のイメージからは外れている。三国志との重なり具合も興味深い。林田力wiki
http://hayariki.net/

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