2013年1月13日日曜日

静かなるドン105巻v林田力Amazon

静かなるドン105巻はヤクザとシチリア・マフィアの最終決戦が幕を開ける。アポロニアの正体が明らかになる。太陽の娘というアポロニアの形容からの想像は見事に裏切られた。若い頃はムッソリーニやナチスドイツというファシスト勢力と戦うレジスタンスであった。マフィアがファシストに抵抗したことは歴史的事実である。
物語においてシチリア・マフィアは当面の敵であるが、マフィアを倒せば済むという存在ではない。世界皇帝によって戦うことを仕組まれた存在であり、むしろ戦わずに済ませたいところである。それ故にマフィアと和睦する展開は容易に予想できるが、昨日の敵は今日の友の展開は時代遅れである。
アポロニアがファシストと戦うレジスタンスであったという過去は物語にとって重要である。アポロニアが本質的な悪でないことを意味することになる。ナチズムなどのファシズムは人類最悪の敵という共通観念があるためである。単純な昨日の敵は今日の友は無節操であるが、反ファシズムの闘士と手を握るならば格好はつく。
日本では反ファシズムの意識は乏しい。ヤンキーを売りにする弁護士がナチスのハーケンクロイツ(鍵十字)をウェブサイトに掲げて、サイモン・ウィーゼンタールに情報提供された。ファシズムとの戦いを遠景に描く『静かなるドン』の思想は骨太である。林田力wiki
http://hayariki.net/

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