2013年1月19日土曜日

『ダブルフェイス』

『ダブルフェイス』は西島秀俊と香川照之が主演するテレビドラマである。ヤクザ組織に潜入した刑事(西島秀俊)と警察組織に潜入したヤクザ(香川照之)という身分を偽る二人を主人公とする。潜入捜査編と偽装警察編の二部構成である。

原作は海外作品『インファナル・アフェア』で、それを日本の神奈川県警とヤクザの対立に置き換えた。そのためにヤクザ物としてはリアリティに欠ける面がある。ヤクザが警察官を拷問して殺害し、警察と銃撃戦を繰り広げる。子分は親分をボスと呼び、組織をファミリーと呼ぶ点もマフィアのものである。

また、登場するヤクザはヤンキー的なチンピラばかりである。一般にヤクザ物ではヤクザとヤンキーは区別される。ヤクザは仁義を重んじるヒーローであるが、ヤンキーは社会に迷惑をかける恥ずかしい存在である。ヤクザが粗暴なヤンキーを叩きのめすことで勧善懲悪の物語になる(林田力「『白竜LEGEND』第19巻、愚連隊は敵役としても力不足」リアルライブ2011年10月27日)。
http://www.hayariki.net/cul/18.htm
一方でヤクザ社会の本質的な議論もある。織田組の組長・織田(小日向文世)は悪事に手を染めることに対して「民間企業は儲からなければ社員をリストラするが、ファミリーは子分を養わなければならない」と正当化する。このボスに反旗を翻した人物の理由も「自分のファミリーを守るため」であった。

身分を偽る二人の葛藤には引き込まれる。ラストも圧巻であった。「犬は最後まで犬」という組長の台詞が思い出される。(林田力)

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