2012年10月31日水曜日

東京都知事選挙は開発問題を争点に

東京都知事選は開発問題を争点にすべきである。石原慎太郎知事の突然の辞任表明で降ってわいた東京都知事選であるが、市民派にとって大きなチャンスである。問題が明らかにも関わらず、一般の支持を得ていた石原氏が相手でなくなるためである。石原氏という良くも悪くもユニークな人物が都知事選挙に出ないことで石原都政に対する本質的な議論が可能である。
石原都政の本質は新自由主義である。小泉構造改革の先取りであった。新自由主義は思想的には国家権力(を握った人物)の限界という問題意識がある。それ故に「民間でできることは民間に」となる。これは理念としては評価できる面があるものの、その実態は権力を都合よく使った金儲けである。東急リバブルが転売で濡れ手で粟の利益を得た「かんぽの宿」問題が典型である。権力志向の強い石原氏では新自由主義の自由主義的側面は乏しく、権力性が露骨である。
東京都では外郭環状道路や築地市場移転などの多数の開発問題を抱えている。住環境破壊の再開発・二子玉川ライズも住民の圧倒的な反対意見を無視して東京都が認可したものである。下北沢では保坂世田谷区長が住民とのシンポジウムなどを重ねて作成した跡地利用計画案の公表に抗議することまでしている。
石原批判と言えば石原氏のウルトラ保守主義批判に集中する傾向があったが、それは逆効果があった。一般都民は逆に批判者のイデオロギー的な異常性を感じてしまうことが多い。
石原氏のウルトラ保守主義は弱者の痛みを理解しない偏狭さを反映したものである。しかし、イデオロギー的な石原批判者も一般人の目に寛容とは映らない。君が代日の丸の強制を批判する元教師が教育委員会と戦う元校長を教育委員会に対する批判と同じトーンで批判するなど尋常ではない。そのような立場からの石原批判は一般人に石原批判者の異常性を認識させ、石原応援団として機能してしまう。
脱原発は重要な政治テーマであるが、それをメインとすべきではない。前回の選挙で小池候補の票が伸びなかったように脱原発だけでは勝てない。
石原氏は自他共に認めるバリバリの原発推進論者であるが、東京都政は電気料金値上げの前に東電病院の売却を求めるなど重要な動きを見せている。脱原発を進める上で電力会社の地域独占という特権的地位の打破は必要である。脱原発か否かで色分けすることはナイーブである。
また、脱原発を前面に出すと放射脳カルトが寄ってくるというマイナスの問題がある。真っ当な政治勢力ならば左右を問わず、放射脳カルトを切り捨てなければ成り立たない。
石原氏が後継として指名した猪瀬副知事は道路公団の民営化で名を馳せた人物である。無駄な道路建設による税金の無駄遣いを批判する立場からの広範な支持が見込まれる。これは石原氏を相手とする場合とは異なる新たな脅威である。
しかし、実態は道路公団が民営化しても不要な道路建設は続いている。ネクスコ東日本の道路建設への住民反対運動も起きている。むしろ、民営化したために近視眼的な皮算用で道路建設が正当化され、将来的な人工減少を見据えた議論が一層通じにくくなった。これは開発問題を主要争点とすることで問題を浮き彫りにできる。
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2012年10月30日火曜日

首都圏道路問題交流集会

「司法の行政に対するチェック機能」。日本の行政訴訟は先進諸国に比べて圧倒的に少ない。諦める国民が多い。事件の相談が来るが、日本にいるから勝てない事件である。先進諸外国ならば勝てる事件。韓国や台湾と比べても少ない。訴訟制度に問題があるから少ない。
本人訴訟の割合が高い。原告勝訴率は1割程度。低い。
鞆の浦世界遺産訴訟。日本の近世の港を特徴づける波止場などを残した日本最後の歴史的港湾である。福山市と広島県が共同して埋め立てる。埋め立て免許差し止め訴訟。原告は地元の住民。
地方裁判所の判決に対する上訴率は五割。地裁判決に納得できない人が多い。
鞆の浦世界遺産訴訟は心ある裁判官にあったことが幸運であった。原告適格は慣習排水権や景観利益。交通渋滞は存在しない。朝と夕方に数分くらい込む程度であった。山側トンネルでも混雑緩和策は変わらない。観光資源を破壊して駐車場を整備することは本末転倒。鞆の浦には高潮の危険があり、防災目的にはならない。
水俣病のように目の前に被害者がいる公害裁判でも因果関係の立証に苦労する。
少数者の人権は政治過程では守れない。厳格な司法審査をすべき。しかし、日本は司法消極主義に立っている。著しく不合理とは言えないという論理で敗訴している。行政不服審査は不合理ならば救済できる。行政不服審査会という機関を作る。都市計画争訟制度の導入。環境団体訴訟制度は実現の可能性が高い。
裁判官が行政実務を知らないで判断することは問題との質問。逆に裁判官の行政への人事交流が問題との意見も多い。
裁判員制度を公共事業に導入する。条例の活用。法律を変えることが難しい。心のある裁判官ならば勝てる。ロースクールから育てる。
松尾弁護士。司法の独立と言いながら、政治優先、行政優先になっている。問題の大元にある。世論を喚起する。
高尾山裁判の住民代理人。松尾弁護士。事実認定では成果があった。自然破壊を認めた。国の費用便益分析の問題を明らかにした。行政裁量の壁で敗訴した。行政裁量論をどのように縛るか。
具体的に公共性を追及する。漠然とした言葉に逃げさせない。道路は防災と言われるが、東日本大震災では渋滞になって役に立たなかった。
日本は行政官僚が強すぎる。ドイツは裁判官も戦争責任が追及されたが、日本は追及されずに残った。
高速横浜環状道路南線。事業評価を重視している。実質的な本線工事には着手していない。事業評価監視委員会は環境保全に万全を期すこと、住民の理解を得るよう努力をすることの付帯意見を付した。幹線道路の説明で分譲した。分譲後に高速道路と説明した。
やらせアンケート。栄区が道路の利便性だけを並べ、この道路に期待しますか、との誘導方式のアンケートを実施した。住民側は税金の無駄遣いとして横浜地裁に住民訴訟を提起した。
10月の事業評価監視委員会では専門家の選定を行政に委ねず、委員会として関連学会に推薦を依頼するとした。これは画期的である。
庄戸四町会合同道路委員会。トンネル案の検討を事業者が突然打ちきった。事業案見直しの話し合いを事業者側が拒否した。住民638名で公害調停を申請した。
八割以上の世帯から署名を集めた。国土交通大臣と横浜県知事、横浜市長、ネクスコ東日本などに提出する予定。民家の壁まで二メートルの場所で地下15メートル掘る工事をする。振動に対する環境基準はない。建設に関する基準はあるが、検定マークを貼った機械ならば問題ないとの扱い。人間が住める環境という考え方ではない。地域の合意ができていないとの理由で反対運動を進める。
外かく環状の東京。9月には着工式が行われた。全線の起工式ができないために、練馬から世田谷間の着工式という表現を使っているが、まやかしである。民主党にはだまされた。
石原知事は外環の2について知らない。テレビで「そのような道路があるのか」と発言した。東京都がどういう姿勢になるか。その2ができると立ち退かなければならない住民が増える。
外郭環状の千葉。費用便益効果は事業者の評価でも西側に比べて低い。計画段階では住民に説明なし。立ち入り測量で初めて知った。1970年代の頃である。当時の市川市議会は傍聴を許さなかった。それを認めさせるところから運動した。だから裁判も裁判官が住民の怒りを肌で触れなければ変わらないのではないか。
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2012年10月29日月曜日

首都圏道路問題連絡会

東京公害患者と家族の会の石川さんから特別報告。そらプロジェクトの結果から大気汚染と健康被害の因果関係がある。東京都大気汚染医療費助成制度の認定者は今でも増えている。9月の新規認定者は東京都で758人いる。認定によって安心して仕事を続けられるようになった。認定者は就労世代が多い。東京都が助成の見直しを表明し、患者会では助成制度の継続を求めて都庁前で宣伝や座り込み行動を続けている。
林田力は全国公害患者の会連合会、公害・地球環境問題懇談会の「大気汚染公害被害者に対する新たな救済制度を求める請願」に署名する。
高尾山天狗裁判。石原知事の唯一の善政が医療費助成制度である。一冊の本として出版したい。大震災や原発事故さえも利用した公共事業推進を狙う勢力がいる。消費税増税は大型公共事業財源に使われる。
高尾山に登った人は誰でも原告になれる。原告は二千名を越える。勝てなかったが、成果は勝ち取れた。道路建設の費用対効果を争う。求釈明で情報公開を求めたが、国土交通省は出さなかった。保存されていないとの回答。国土交通省の課長を敵性証人として尋問した。控訴審判決では国の費用便益分析の杜撰さを指摘した。事後に検証できないデータに基づく主張は信用できないとした。論理では勝っている裁判と考える。変わり果てた高尾山の姿を見ることは胸が痛い。「この裁判は世の中の進歩に資する」と言われた。
調布保谷線の柳田さん。裁判に負けても公害道路にさせない運動を継続。農地を潰し、住宅地を破壊して建設した道路である。人格権侵害に基づき約三十人の住民が建設差し止めを求めて東京都を被告として提訴した。道路の必要性・公益性と住民被害が争点になった。交通量が減少しており、広い道路は不要と主張。裁判所は東京都の主張を丸飲み。道路を作れば通過交通を呼び込むことになり、デメリット。立証責任については、事業者が被害を立証すべきと主張した。事実の吟味検討を怠った。違法な事実認定をした。一車線を公共交通専用レーンにするなどの要請をする。
二子玉川ライズ問題の報告。都知事選挙は大きなチャンスである。国民の要望と議会政治状況の解離の中で戦線を作るか。二子玉川ライズは全国最大規模の再開発で、道路事業がくっついている。大型開発からの転換を掲げる保坂区長の登場を受けて二子玉川ライズ住民訴訟が実質和解。二子玉川ライズ行政訴訟は、騙し討ち地裁判決。控訴審が本当の勝負。世田谷の経験を活かして都知事選挙を戦いたい。世田谷の四大開発は全て道路が絡んでいる。東京都では道路問題はもっと大きい。切実な要求と共に大義を説くべき。理屈から勝つ。
下北沢。裁判が続いている。裁判官は結審にしようと言っているが、図面の紛失が発覚した。原告は求釈明で裁判の継続を求める。
生活道路130号。上馬。渋滞緩和が最初の目的で、防災に変えてきた。はしご車を通す。はしご車を必要とするような高層建設はない。世田谷区は無償譲渡を要求。住民の結束は強い。

東急不動産だまし売りの無責任

東急不動産から何か言ってくるということはありません。ここにも無責任体質が現れています。近隣住民との交渉は近隣対策会社に丸投げ、消費者へのセールスは販売代理の東急リバブルに丸投げで東急不動産は住民や消費者の前に現れません。
東急不動産だまし売り裁判での裁判前の交渉でも東急不動産の担当者と名乗った人物はマンション建設に全く関係ない人物でした。だからマンション建設時の経緯を知らず、真相を誤魔化すには最適の人間でした。さすがに裁判の証人尋問では本当の担当者を出しました。東急不動産には担当者だけでなく、責任者を名乗るグループリーダーもいますが、裁判には出てこず、逃げ続けました。東急不動産だまし売り裁判の判決後に退職したと聞いています。このため、東急不動産だまし売り裁判に対して自分の責任で何とかするという人物がいない状態です。だから何か言うということもできません。正面から物申すことはしない代わりに影で個人情報を悪用した卑劣な攻撃をしてきます。うんざりするほど卑怯な不動産業者です。

2012年10月28日日曜日

柏市のマンションが幼稚園の日照を奪う

千葉県柏市に建設されるマンションが幼稚園の日照を奪うために建設反対運動が起きている。マンションが建設されると午前中はほとんど日影になってしまう。幼稚園の活動は午前中が中心であり、それが日影になってしまうことは幼稚園にとって致命的である。
住環境にとって日照は東急不動産だまし売り裁判でも問題になった重要な問題である(林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』)。マンション建設業者には東急リバブル東急不動産とは異なる社会性のある対応を求める。
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2012年10月27日土曜日

覇ソウル2巻v林田力wiki書評

覇ソウル2巻は赤壁の戦いに突入する。倭人やローマの剣闘士奴隷が入り乱れる史実とかけ離れた三国志である。諸葛孔明が劉備を殺害しようとするなど、驚くべき内容が展開される。
その中で印象的なものは安易に寝返りを約束する裏切者を切り捨てるエピソードである。昨日の敵は今日の友、終わりよければ全てよしというナイーブな筋書きはつまらない。人間の精神の熱さを持っている内容である。林田力wiki
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ブランズタワー大坂備後町が酷評

大阪市中央区の新築マンション・ブランズタワー大坂備後町に低評価の声がある。立地の悪さを指摘する。ブランズタワー大坂備後町は一ブロック全体がマンション敷地ではなく、同じ敷地内のマンションなどの建物に囲まれている。しかも同じブロック内の建物は敷地目一杯に建てられており、圧迫感がある。一般的なタワーマンションの開放感を期待することは誤りである。ブランズタワー大坂備後町が面している道路は南側と東側だけであるが、どちらも狭い。引っ越し時に苦労することは確実である。
ブランズタワー大坂備後町の近くには高架がある。東側には高架が迫る。南側の高架も肌感覚では近い。
ブランズタワー大坂備後町の南側の狭い通りを挟み、郵便局がある。集配の車が頻繁に停発車する。
東側のマンションには入居者募集中の広告が大々的に掲げられている。同じブロック内には飲食店やオフィスがある。同じブロックに再開発ビルがあり、住居の用途で使用しなければならないことになっているが、実際には事務所ばかりである。この再開発ビルには公開空き地があるが、自転車置き場などに使われて一般公衆に公開された空き地ではない。
東急不動産に対しては「土地勘のない人間が企画していることが丸分かり」と酷評される。タワーマンションの高級感が全くないとの感想も寄せられた。
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大奥v=?iso-2022-jp?B?GyRCTlMbKEI=?=田力wiki書評

男女の立場が逆転した設定で江戸城の大奥を描く漫画である。テレビドラマ化された。
第1巻では若い男子を死に至らしめる疫病の蔓延を説明する導入部に続き、大奥に入った男性の視点で大奥が描かれる。そこは男の妬みが渦巻く陰湿な世界であった。
史実と同じく七代将軍家綱は夭逝し、紀州藩主・徳川吉宗が将軍職を継承する。様々な改革に取り組む吉宗であったが、現在の大奥の仕組みにも疑問を持つ。
大奥は男女の立場が逆転したという奇抜な設定が注目される。一方で劇中人物はその設定を当然視する世界におり、奇抜とは思っていない。ここに読者とのギャップがあるが、改革志向の吉宗に疑問視させることで読者の目線に近付いている。謎の説明が期待されるところで第1巻が終わっており、続きへの期待が高まる。林田力wiki
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2012年10月25日木曜日

テンペスト下巻

『テンペスト』は19世紀の琉球王国を描いた歴史小説である。日本では江戸時代の幕末に相当する。日本と同様、琉球王国にも列強の船が出没するようになってきた。
下巻はペリー来航から琉球処分に至る琉球王国の最後を描く。流刑に処せられたネイオンは側室・真鶴として王宮に戻る。ペリー来航の国難に対処するためにネイオンも赦免され、ネイオンと真鶴の二重生活を送ることになる。側室の立場では政治に全く口出しできないところがポイントである。真鶴にとっては才能を発揮できず、それ故に性を偽ってネイオンにならなければならなかった。これは女性抑圧的な制度であるが、一方で王朝の知恵でもある。昔から王朝の乱れは王妃や側室の一族の専横にあった。現代でも配偶者の口出しが相続紛争泥沼化の原因と指摘される。それ故に側室に政治的発言権を持たせないことは王朝の安泰にとって意味がある。
王朝の安泰という点で琉球王国の大きな特徴は聞得大君の存在である。一般に王の姉妹が就任する聞得大君は王国の宗教的権威である。政治的権威と宗教的権威の二元化と位置付けられるが、王宮内では王妃や寵愛を受けた側室を牽制する存在になる。『テンペスト』の大君はふてぶてしい存在で王妃に同情したくなる読者も少なくないだろう。しかし、王妃や側室の口出しが王朝の乱れとなった歴史を踏まえれば大君の存在は有意義である。
本書で興味深い点は柵封体制を東アジアの国際連合のように捉えていることである。朝貢国は中国に一方的に従属するのではなく、国際社会のメンバーとして外交を展開する。日本では聖徳太子の日いずる国の天子以来、柵封体制に入らなかったことを誇りとする傾向があるが、東アジアの国際社会から見れば偏狭な鎖国精神でしかない。NHK大河ドラマ『平清盛』でも中国との貿易によって国を富ませようとする清盛の革新性と体面にこだわって朝貢関係を否定する公卿の保守性を対比させている。
『テンペスト』はNHKで仲間由紀恵主演でドラマにもなった。ドラマでは序盤から男性として生きなければならないという女性性の抑圧がクローズアップされていた。同時期に『美男ですね』など男装ドラマが放送されていたこともある。これに対して書籍の序盤では女性が社会的に抑圧されている状況であり、男性となることは解放という色彩が濃い。林田力wiki
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脱法ハーブ吸引者が小学生を暴行

脱法ハーブを吸ったと自白する男が小学校に侵入し、女子児童を暴行するというショッキングな事件が東京で発生した。東京都練馬区の小学校に侵入し、女子児童に馬乗りになるなどした。脱法ハーブは社会に有害である。脱法ハーブを吸う本人が廃人になるだけの問題ではない。社会に害悪を垂れ流す。脱法ハーブを販売し、宣伝広告する輩は罰されるべきである。
和歌山県知事が脱法ハーブの規制案として脱法ハーブ購入者に誓約書を提出させる方針を明らかにした。脱法ハーブ購入者は住所氏名を記載した誓約書で脱法ハーブを吸引しないことを誓約しなければならないように条例で義務付ける。和歌山県と言えば東急建設の談合事件が起きた場所である。
脱法ハーブ(合法ハーブ)は健康被害が多発し、社会問題になっている。安易に脱法ハーブが入手できることが問題である。たとえばアングラサイトには脱法ハーブ店の広告が掲載されている。同じページに宅建業法違反で業務停止処分を受けた貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者の広告が掲載されている例もある。コンテンツも正規の料金を払わずにデジタル有料放送を視聴したなど反社会的である。反社会的なアングラサイトは閉鎖させるべきである。林田力
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銀の匙5巻wiki林田力書評

『銀の匙5巻』では冒頭から八軒がいい人ぶりを発揮する。ここまで道徳的優等生であると、白々しくなってしまう。大ヒットドラマ『家政婦のミタ』の三田灯ができないことは「無理です」と即答したように、まず挑戦するというガンバリズムは流行らない。
そこは作者も心得たものである。即座にテーマを変更し、八軒の乗馬での挫折体験を描く。馬に対する思い上がり浮かび上がる。いい人だけではない、主人公の成長体験になっている。
後半は八軒の人のよさが災いしてパンク状態になる。家政婦のミタのように無理なものは即座に無理と断るか、若しくは優先順位を付けるのか。八軒の対応に注目である。林田力
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2012年10月24日水曜日

東急不買

東急不動産工作員は鼠の腐乱死体のような息を吐く。溝鼠が汚れた体をなすりつけているようだ。
東急不動産だまし売り被害者は風が吹き、潮が満ちた時に船を出すタイプであった。ふきよせる風も波の音も、この世の森羅万象の全てが東急リバブル東急不動産だまし売りを憎んでいるようだ。
林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』は表現の限界に挑み、これほどまでに告発本はストレートにできるのかとノンフィクションの可能性を知らしめてくれる書籍である。研ぎ澄まされた文章、終幕近くで到達する奇跡のような高揚の瞬間を、どうかじっくりと味わってほしい。

2012年10月23日火曜日

相続裁判が口頭弁論を再開

中野相続裁判(平成20年(ワ)第23964号 土地共有持分確認等請求事件)の第7回口頭弁論が2012年10月22日、東京地方裁判所610号法廷で開催された。これは母親の死後、生前贈与や遺贈が無効であるとして長女が長男と配偶者を訴えた訴訟で、東京地裁民事第31部合議B係(裁判長:舘内比佐志、右陪席:杉本宏之、左陪席:後藤隆大)が担当する。

中野相続裁判は第6回口頭弁論(2010年5月19日)で結審したが、結審後に新たな遺産が確認されたこと等を理由に原告は2012年7月2日付で弁論再開申立書を提出した。

たとえば被告は原告が遺産とする茶道具(李朝染付の花入)について「不見当」としていた。しかし、結審後に主張を変遷させた。「普段使いとして日常使用していたものであり、箱もなく、原告主張のような貴重な品であるとは思われず、『不見当』とした」との理由で存在を認めた。このような「事実は判決に影響を及ぼす可能性が高く、これまでの口頭弁論の結果のみでは審理が尽くされたとは言えない」として原告は口頭弁論の再開を申し立てた。

第7回口頭弁論では原告は「訴えの変更申立書(3)」「証拠説明書(15)」、甲第113号証、甲第114号証、「検証申出書」「文書提出命令申立書」「原告第15準備書面」を提出した。訴えの変更申立書は結審後に判明した事実に基づいて遺産を主張し直した文書である。

甲第113号証と甲第114号証は新たに提出した書証である。甲第113号証は遺産である東京都中野区新井の土地の南西部分が交差点に面することによる隅切りであり、不整形地とは無関係であり、土地の価額を減額する必要はないことを立証するものである。甲第114号証は遺産の茶道具の鑑定書である。

検証申出書は「被告らが占有する全ての訴外寿美遺産の動産(茶道具、懐石道具、着物等)」「被告宅の亡母の寝室であった物置部屋」「被告宅のリビングにある仏壇」の検証を求めるものである。「被告らが占有する全ての訴外寿美遺産の動産」は被告が遺産化隠しをしており、現実に被告の出した認否には誤りがあるために現物の確認を求めるものである。

「被告宅の亡母の寝室であった物置部屋」は被告が亡母を虐待していた証拠として検証を求めるものである。被告が主導した2003年のリフォームによって亡母(当時85歳)の個室は人がやっと通れるほどの細長い物置部屋になってしまった。その実態を確認することが主眼である。

「被告宅のリビングにある仏壇」は被告の遺言書発見経緯の虚偽を立証することが目的である。被告は「仏壇内の戸袋内より母の遺言書を発見した」と主張する(乙89 27頁2)。しかし、仏壇の構造上、仏壇の戸袋は遺言書をしまうような場所ではない。それを明らかにすることが検証の目的である。

文書提出命令申立書は茶道具分類ノート、茶道華道研究ノート、茶会記の提出を求めたものである。これらは遺産であるが、被告が占有している。これらによって遺産の茶道具を確認できるためである。

これに対して被告は「文書提出命令申立に対する意見」で「遺産はすでに明らかとなっています」として、却下を求めた。それに対する再反論が原告第15準備書面である。「被告は都合の悪い茶道具は「不見当」としか主張していない。しかも被告が不見当とした茶道具で実在するものが存在している(訴えの変更申立書(3)「7.(3)被告主張「不見当」の虚偽」)」と主張する。

第7回口頭弁論は14時開始予定であったが、13時半開始の裁判が長引いていたため、14時10分頃に開始となった。前の裁判は国家賠償請求事件(平成24年(ワ)17209号)である。原告は赤ちゃんを連れた女性で代理人なしの本人訴訟であった。厚生労働省の診療報酬の問題を追及する。

原告の女性は国の反論に対して準備書面を提出すると述べたが、提出時期が議論された。女性は「生活の合間に時間を見つけて書いている」として期間の猶予を求めた。これに対して舘内比佐志裁判長は「期間は1ヶ月くらい」と強調した。舘内比佐志裁判長は「期日は裁判所が指定できる」「当事者の要求に応じて期日を指定しなければならないとは法律に書いていない」として「準備ができていないならば裁判をやり直した方がいいのではないか」とも述べた。結局、次回期日は12月17日13時半から610号法廷となった。

中野相続裁判の第7回口頭弁論は裁判官の交代による弁論の更新で始まった。裁判長が志田博文氏から舘内比佐志氏に交代した。「訴えの変更申立書(3)」への認否に対して被告代理人・松木隆佳(リベラルアーツ法律事務所)が「1ヶ月程度欲しい」と発言した。次回期日は2012年11月29日13時半から東京地方裁判所712号法廷となった。

2012年10月22日月曜日

二子玉川ライズの騒音公害

東京都世田谷区の再開発・二子玉川ライズでは日照阻害、景観破壊、ビル風、水害の増大、コミュニティーの分断、ファーストフードの悪臭など複合的な住民被害をもたらしている。そこに騒音被害も加わった。近隣住民は工事中の工事騒音に苦しめられてきたが、竣工後も騒音公害が続いている。
二子玉川ライズガレリアと呼ばれる空間では二子玉川ライズショッピングセンターなどの客集めのためにイベントが開催される。その騒音が近隣の住宅まで響き、近隣住民は大きな迷惑を被っている。
二子玉川ライズによる深刻な住環境被害はビル風である。ビル風による転倒で骨折者まで出ている。騒音公害もビル風と同根の問題である。風が高層ビルによって遮られることと同じく、騒音も高層ビルに跳ね返り、比較的離れた住宅まで騒音被害を受ける。
騒音公害も東急電鉄や東急不動産の地域環境を無視したデザインの結果である。もともとガレリアは二子玉川駅とバスターミナルを結ぶ通路である。イベントを行うような広場として最適の場所ではない。再開発前は駅前にバスターミナルがあった。再開発によって駅から離れた場所にバスターミナルが移動したことは不便である。これは駅とバスターミナルの間に二子玉川ライズショッピングセンターなどを入れることにより、買い物客を増やそうとする情けない戦略である。
駅とバスターミナルが離れただけでも通行人は不便であるが、その通り道がイベント会場になるならば一層歩きにくくなる。これも興味のない通行人に無理矢理にでも関心を持たせようという情けない営業戦略である。
東急はショッピングセンター経営として三流である。伝統的な百貨店ビジネスでは屋上をイベント会場とした。これによってイベントに釣られた消費者を買い物客として囲い込むことができた。高層ビルありきの硬直した二子玉川ライズでは生まれない発想である。店舗の軒先をイベント会場にしたところで囲い込み効果は薄い。
但し、屋上のイベントを成功させるためには、わざわざ屋上まで来たくなるような魅力的なイベントである必要がある。東急の実力は通行人に無理矢理興味を持たせる形で賑わいを装う程度である。
二子玉川ライズではファーストフードの悪臭が充満するとの問題も抱えている。これも普通の百貨店ではあり得ないことである。食品売り場や飲食店の臭いが他の売り場に行くことはない。油の焼けた悪臭は、消費者の食欲を減退させ、飲食店にとってもデメリットである。廃棄食品を消費者の目に見える場所に置かないことと同じく、消費者に悪臭を嗅がせることもしない。東急の消費者軽視の体質が露骨である。林田力
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行方不明の林田力wikiさん米国に

先月末、出張先の福岡県で謎の飛行物体からの閃光を浴び、忽然と消息を絶っていた林田力wikiさんが、一昨日遅く(現地時間午前6時)米国ユタ州で発見された。「ドーンという大音響と共に、空から火の玉が降ってきて麦畑に落ちた。見ると壊れたUFOが畑にめり込んでいた」(目撃したA氏談)そのUFOから放り出されたらしい血だらけの人物がA氏に「マ、マイネームイズ林田力wiki・・」と、名乗ったとのことだ。
しかし病院へ運ばれたはずの林田力wikiさんは、救急車ごとまた行方不明になった。「UFOにさらわれた人の会」が中心となった世論の不安の高まりを受け、米国上院議会はワシントンDCにある国会議事堂に、エリア51空軍基地司令官、及びFBI長官を召還し査問委員会を開いた。
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「ウチはUFOとはなんの関わりもない」との答弁を繰り返していた両氏だが、「ちっ、横取りしやがって・・」という、FBI長官のつぶやきを聞きとがめたエリア51司令官が、「それはこっちのセリフだ!ネタはあがってんだそ!」と胸倉をつかみ、それを止めに入った上院議員達を巻き込んで大乱闘となった。しかし依然として林田力wikiさんの消息は不明である。(by おばさん)

林田力wikiを知らない人が急増

旧千円札の肖像だった林田力wikiを「知らない」と答える人が、97%にのぼることが偉人データサーチ社の調べで分かった。急速に入れ替えが進む、旧札と新札の流れを象徴する動きであると見られる。
調査は旧千円札に印刷された林田力wikiの肖像画を見せ、人物名を答えてもらう形式で、約2000人が対象。今月1日から15日まで、札幌・東京・大阪の3ヶ所で行なった。その結果「知らない・忘れた」と答えた人が1841人(97%)で圧倒的多数を占め、林田力wikiが急速に人々の記憶から消え始めていることが明らかになった。
http://www.hayariki.net/nikkan.htm
調査によると「林田力wikiなんて日本にいたっけ?偉人?ウケる」「ちょっと前なら覚えちゃいるが、一年前だとちとわからねぇな」といった回答があった。また、覚えている人の回答には「あーあの折り曲げると宇宙人になる人」と答えた人が最も多かった。林田力wikiは忘れられているか、覚えていても宇宙人という事になりそうだ。(やま記者)

熊本発のベクレルフリーに注意

熊本での一部の脱原発や放射能フリー(ベクレルフリー)の運動に良識的な脱原発派からも警戒の声が出ている。放射能汚染の危険を過大に煽り、被災地への差別を助長するためである。このような放射脳カルトが幅を効かせると脱原発運動に対する市民の拒否反応を強めてしまう。つまり脱原発運動にも有害である。
熊本は典型的な公害病である水俣病の発生地である。水俣病患者の家族が就職や結婚などで差別されたという負の歴史がある。熊本での放射脳カルトの言動は、過去に水俣病患者家族を差別した熊本県民と重なる。被災地の食材を差別するベクレルフリーは福島県民差別に向かう危険を内包する。既に水俣市長は憂慮を表明している。放射脳に染まったベクレルフリーの飲食店で飲食することは福島差別に加担する危険がある。
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2012年10月21日日曜日

林田力wikiさん表彰される

先月の染物工場火災の第一発見者で、消火に協力したパン職人の林田力wikiさんが消防庁から感謝状を贈られることになった。林田力wikiさんは仕事場に泊まるときに、火を落としたナンを焼く窯で寝ることがあるという。
「ぽかぽかですよ。寝てる間に温度も下がるので寝汗もかかないし」とのことだが、先月の染物工場での火災の際、林田力wikiさんの店にも火が回った。いつもとは違うナン窯の熱さで起きたという林田力wikiさんは、火災に気付き、消防に連絡し自らも消火に協力した。今回の感謝状については「窯で焼かれなくてよかった」とのこと。
http://hayariki.jakou.com/nikkan.htm

シリーズ貧困拡大社会

2012年10月22日(月曜)
再放送10月29日(月曜)
シリーズ貧困拡大社会 相次ぐ若者の過労死
出演者
菊池 桃子さん(タレント・戸板女子短期大学客員教授)
湯浅 誠さん(反貧困ネットワーク事務局長)
http://hayariki.net/zero.html
2012年10月23日(火曜)
再放送10月30日(火曜)
シリーズ貧困拡大社会 若者を追い詰める"ブラック企業"
出演者
菊池 桃子さん(タレント・戸板女子短期大学客員教授)
湯浅 誠さん(反貧困ネットワーク事務局長)

東急電鉄の東急大井町線高架下住民追い出し

東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を取材した。
東急電鉄は借地借家法上の契約ではないので、一時的に貸しただけだから、いつでも立ち退けると主張する。居住権を無視している。60年間の居住を無視している。人権侵害である。22件入っている。
東急電鉄は「立ち退き料を払わなくていい」と主張。まるでヤクザですね。
法律は冷たいですね。法律の問題ではなく、裁判官の問題である。自分の家があるから少ない年金でも暮らしていける。
超高層マンションの方が地震で崩れそう。阪神大震災後に国土交通省は高架の耐震補強の通知を出していたが、東急電鉄は住民に知らせなかった。「早く知らせると対抗措置を取られるから」と東急電鉄担当者は言い訳する。三年前に唐突に立ち退きの要求をしてきた。住民は寝耳に水であった。
高架下の生活に不自由はなかった。東日本大震災での被害はなかった。本棚も崩れなかった。東急はどうしようもない会社。創業者は強盗と言われていた。東急は文化の破壊者である。
東急は住民を追い出して新しい店舗に高い家賃で貸したいだけ。戦後からのしがらみを一掃しようとしている。将来の儲けを見込んでいるのだから住民へも誠実に向き合うべきである。
判決の執行文付与に対して執行停止の申し立てをし、執行停止した。東急は契約解除通告の相手方を間違えるという粗末な対応であった。
東急電鉄株主総会に出席した。ヤラセ的な質問ばかりであった。誰も手を挙げないところで手を挙げたが、後から手を挙げた人がさされ、質問が打ち切られた。警戒されていると認識した。
ひどい話である。明日からのねぐらを東急が奪おうとする。レトロで人を呼び込めそう。再開発をあえてしないことで成功している。耐震補強工事をしたら家は見映えしない。
http://hayariki.net/

2012年10月20日土曜日

元暴走族の犯罪性

元暴走族の犯罪性が社会問題になっている。クラブ「フラワー」撲殺事件では元暴走族が実行犯として浮上している。警視庁には元暴走族の男を実行犯と名指しする情報が寄せられている。元暴走族を擁護する意見がマスメディアで流れることも問題である。
暴走族グループ「関東連合」は、世田谷区や杉並区などを拠点とする複数の暴走族の連合体である。2003年に警視庁に解散届を出したが、その後も元メンバーらの間にはつながりがある。麻布・六本木のクラブは元暴走族集団の根城と見られている。クラブ内で大麻やドラッグが蔓延しているとして、薬物担当の警視庁組織犯罪対策5課や厚生労働省の麻薬取締官がマークしている。
2010年には歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが六本木の飲食店で暴行されて重傷を負った。
事件ではメンバーの男が逮捕され、有罪判決を受けた。この事件を契機に警視庁組織犯罪対策特別捜査隊が反社会的傾向のある不良グループの捜査に力を入れ始めた。組織犯罪対策特別捜査隊はクレジットカード偽造などの組織犯罪の捜査を担当している。
2012年9月、東京・六本木のクラブ「フラワー」で飲食店経営・藤本亮介さんが目出し帽をかぶり、金属バットなどで武装した男の集団に襲われて死亡した。事件は9月2日午前3時40分頃、300人余りの客がいた店内で発生。非常口から侵入した9人の男が、VIPエリアで友人らと酒を飲んでいた藤本さんの頭や顔を金属バットなどで数分間殴った後、非常口から逃走した。
襲撃直前の様子をとらえた現場近くの防犯カメラの映像には9人の男が、金属バットなどを持って2台のワゴン車から降り、店に向かう姿が写っていた。運転手2人を含む5人は素顔のままで、1人は途中で迷彩柄のジャンパーを羽織り、目出し帽をかぶる様子が写っていた。目撃した男性によると、一部は黒地に黄色のラインが入った同じジャージーを着ていた。
9月7日、警視庁は現場近くの防犯カメラに映った襲撃犯とみられる男らの映像を公開した。これに対して数人を名指しする情報が寄せられた。そのうちの一人は暴走族グループの元メンバーであった。警視庁は元暴走族グループの関係者が関与した疑いが強いとみて捜査している(「元暴走族、襲撃に関与か 数人は出国 六本木・男性死亡」朝日新聞2012年10月4日)。捜査1課は暴力団の捜査を担当する組織犯罪対策4課の応援を得て捜査を始めたが、手口などから暴力団の組織的関与はないと判断した。不良グループの捜査を担当する組織犯罪対策特別捜査隊を捜査に投入した。
捜査関係者は「急遽(きゅうきょ)呼び集められたのか、現場近くから徒歩で車に集まってきた男も数人いた。金属バットなどでめった打ちにするやり方も、このグループの特徴と一致する」と話す(「六本木暴行死 組特隊が情報収集 不良グループ、人違い襲撃か」産経新聞2012年10月3日)。
捜査1課が事情を聴くためにグループのメンバーの所在を確認したところ、数人が事件後1週間以内に東南アジアやハワイに出国していた(小泉大士「<六本木暴行死>事情を知る?男数人が出国 事件直後」毎日新聞2012年9月28日)。残りも都内からいなくなっていた。警視庁はこれらのメンバーが何らかの事情を知っているとみて行方を追っている。
警視庁捜査1課は藤本さんが人違いで襲われた可能性もあるとみている。当初は襲撃犯が迷わずに藤本さんの席に向かっていることなどから、捜査1課は、藤本さんの顔見知りによる計画的な犯行とみていた。しかし、藤本さんの周辺にトラブルは見当たらず、問題の暴走族グループとの関係も出てこなかった。
一方で問題の暴走族グループは藤本さんとは無関係の別の不良グループとトラブルを抱えていた。暴走族グループは2012年2月、六本木で別の不良グループと小競り合いになっていた。数年前にも両グループ間のトラブルとみられる殺人事件が起きているという。
六本木のグループと敵対するこのグループと藤本さんの間に関係はなかったが、このグループのリーダー格の体格や特徴が藤本さんと似ているという情報がある。捜査関係者は「藤本さんは普段ほとんど六本木には来ないようだ。現場の店に行ったのも事件のときで2回目だった。人違いで襲われた可能性は捨てきれない」と指摘する。
http://www.hayariki.net/7/46.htm
襲撃犯が逃走に使用した2台のワゴン車は、東京都東大和市の多摩湖周辺に向かったことが確認されているが、車は見つかっていない。2台のワゴン車は法人と個人名義になっていた。車の所有者は「(グループの関係者に)貸していた」と話しているという。
2012年9月、警視庁は他人名義でマンションの賃貸契約を結ぶなどしたとして、詐欺容疑で不良グループ「関東連合」の元リーダー、石元太一容疑者を逮捕した。9月28日には石元容疑者が振り込め詐欺事件にも関わった疑いが強まったとして、詐欺容疑で再逮捕した。振り込め事件で既に逮捕した職業不詳、藤田周作容疑者ら2人も別の詐欺容疑で再逮捕。3人の役割などを解明する。
石元容疑者の逮捕容疑は2010年1〜3月、藤田容疑者らと共謀し、「パチンコ店のサクラをすれば高額収入が得られる」と偽り、大阪市の女性から約136万円を詐取した疑い(「関東連合元リーダーを再逮捕=振り込め詐欺の共謀容疑—警視庁」時事通信2012年9月28日)。このニュースには「石元容疑者のような人間を俳優デビューさせようとした芸能事務所があることが怖い」との感想が寄せられた。

場のまちづくり研究会v林田力wiki

専修大学法学研究所主催法学ワークショップ研究会が2012年10月16日(火)に専修大学神田校舎1号館13A会議室に開催された。報告者は岩見良太郎氏(埼玉大学名誉教授)で、報告テーマは「場のまちづくりの理論ー現代都市計画批判」である。司会は白藤博行氏である。
現代の都市計画は住民要求を原理的に排除している。現代の都市計画は機能的都市計画言語によって支配されている。そこでは都市計画は理性によって作るもので、住民参加は悪となる。独裁者が都市計画を立てることがいいとなる。社会変革主体変革を伴う都市計画言語こそ求められている。それが場のまちづくりである。
場の特徴として、対話を強調する。場は単独で自己完結するものではなく、周辺によって作られるものである。それ故に開かれたものであることが重要である。総有など所有権を制限することで街づくりの問題解決を考える傾向があるが、開かれた場という観点がなければ、強力な私的所有権に悪用されることになる。
反対運動は素晴らしい街づくりの運動である。場の悪化を食い止めることが出発点であるが、縁をつなぎ、深めることになる。強固な街づくりの主体を育成する。反対運動について「反対から街づくりへ」と言われる。むしろ「反対という街づくりから街づくりへ」である。
場や縁を重視すれば超高層マンションにはならない。ヨーロッパでは減築が行われているが、高層建築では場を壊すためである。
林田力「総有批判は納得できる。総有に理解のある行政担当者の問題意識は『維持管理されない空き家が放置されているから、所有権を制限して適切に管理しよう』というものであった。また、総有的な土地所有として紹介された例も、昔ながらの形態を維持するというものであった。特殊日本的ムラ社会の復活強化にしないためには『開かれた場』という視点は必須である。再開発や区画整理の横暴も一旦所有権を否定して集団所有にすることで成立している」
これまで建築紛争の被害者は自然や景観を名分として掲げる傾向が強い。とものうら裁判は、その論理の大きな勝利である。しかし、建築紛争の現場で守るべき自然は、とものうらほどネームバリューのないものの方が多い。自然や景観だけを価値とする場合、人々の生活は守れない。場の論理は開発への対抗価値となるものである。
元々、マンション建設反対運動に携わる人々が総有や建築許可に活路を見いだすことには違和感があった。デベロッパーの建築自由という名の横暴に苦しめられた人々が規制に期待することは自然である。しかし、総有や建築許可という形で全ての土地所有権を規制することは当然の結論ではない。問題はデベロッパーによる開発であって、その規制が求められている。勿論、デベロッパー的土地所有と個人の土地所有を峻別することは法技術的には容易ではない。それでも全ての土地所有を一律に規制することは、個人所有者を敵に回し、わざわざハードルを高くすることになる。地区計画的な発想では自己の土地所有権を規制対象とすることは当然であり、自らも規制してこそ開発業者にも規制を要求する発想は高尚である。しかし、個人の土地所有者は小なりとは言え、自立心がある。地区計画的な規制強化の進め方は理解が得られにくく、つまづきの石になりやすい。デベロッパー的開発をピンポイントで規制する法理論を構築した方がマンション被害者の問題意識にはストレートである。
建築許可にも疑問がある。許可という行政の裁量に委ねてしまうことで果たして住環境が守れるか、甚だ疑問である。むしろマンション建設反対運動に取り組んでいた人々ならば行政に委ねられないことは肌感覚で分かるのではないか。二子玉川ライズのように世田谷区が東急電鉄という開発業者と密約して高層化を推進した事例もある。林田力
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2012年10月19日金曜日

和歌山県知事が誓約書で脱法ハーブ規制案

和歌山県知事が脱法ハーブの規制案として脱法ハーブ購入者に誓約書を提出させる方針を明らかにした。脱法ハーブ購入者は住所氏名を記載した誓約書で脱法ハーブを吸引しないことを誓約しなければならないように条例で義務付ける。和歌山県と言えば東急建設の談合事件が起きた場所である。
脱法ハーブ(合法ハーブ)は健康被害が多発し、社会問題になっている。安易に脱法ハーブが入手できることが問題である。たとえばアングラサイトには脱法ハーブ店の広告が掲載されている。同じページに宅建業法違反で業務停止処分を受けた貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者の広告が掲載されている例もある。コンテンツも正規の料金を払わずにデジタル有料放送を視聴したなど反社会的である。反社会的なアングラサイトは閉鎖させるべきである。林田力
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2012年10月17日水曜日

Yahoo!=?iso-2022-jp?B?GyRCSVRGMDs6JEdKKjdvQzUkNxsoQg==?=

Yahoo!不動産など不動産のポータルサイトでは複数の物件を検索できるので便利である。しかし、ポータルサイトは情報を提供しているだけなので、ゼロゼロ物件のように問題ある業者の物件が混ざっている危険性がある。そのため、ポータルサイトで気に入った物件を見つけても、すぐに問い合わせすることは止めよう。業社名や免許番号を検索して過去に問題を起こした業者でないか調べよう。宅建業法違反など問題業者の中には企業名や営業名を変え、宅建業の免許を取り直す悪質な事例がある。それでも悪徳不動産業者を継続的に監視しているサイトなどがある。それ故に現在の企業名や免許番号で検索しても、丹念に検索すれば旧悪と結びついた情報が出てくるものである。
また、目当ての物件と事務所の所在地が離れている場合は要注意である。例えば物件が、さいたま市や武蔵野市にあるのに業者の事務所が代々木にあるような場合である。地域密着の業者ではないことが分かる。地域密着ではないと物件についての細かな情報を押さえていないことが多い。その結果、貸し物件ではなく瑕疵物件を借りてしまったということにもなりかねない。
また、事務所と物件所在地が離れていると内見にも不便である。部屋探しは、とにかく内見である。中には事務所と物件所在地が離れていることを口実に内見をさせない悪徳不動産業者もいる。最初から地域密着ではない業者は注意することが賢明である。林田力
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ナルト62=?iso-2022-jp?B?GyRCNCwbKEI=?=v林田力wiki書評

『ナルト62巻』はサスケとイタチの物語に決着がつく。『ナルト』は主人公のナルトがダークサイドに堕ちたサスケが最後に闘うという筋書きが仄めかされてきた。しかし、この巻ではイタチと触れたサスケに変化が起きる。物語の終盤が見えてきた感もあったナルトであったが、まだまだ読者を裏切らせてくれそうである。
敵キャラクターの面の男はカカシとの因縁が仄めかされる。カカシには主人公達の師匠役にとどまらない重要な役回りが予想される。キャラクターを大事にするナルトらしい展開である。林田力wiki

2012年10月16日火曜日

絶園のテンペスト2巻v林田力wiki書評

『絶園のテンペスト』はファンタジー漫画である。タイトルに『テンペスト』とあるようにシェイクスピアにインスパイアされている。
巻き込まれ型の主人公、高飛車なヒロイン、暴走気味の友人と一見すると典型的なパターンに沿っている。しかし、主人公は巻き込まれるだけの存在ではなかった。友人に言えない秘密を持っている。それが物語に新しさを与えている。
主人公達の個人的な関心と、世界的な危機の物語が併存し、バランスが取れている。一巻のラストではは主人公側の前提の誤りを示唆する内容になっており、続きが気になる終わり方である。
第2巻では敵との戦いが勃発する。政府も本格的に動き出す。この手の物語は日常の中に非日常を侵食させることに魅力がある。社会の大勢は日常の枠組みを維持させることが物語のリアリティを保つ。日常を破壊すると収拾がつかなくなりがちである。そのために少しずつ話を進める形になりがちであるが、話が間延びして読者の興味を維持できないというデメリットがある。2巻で話を動かした展開の早さを支持したい。
第七巻では主人公の秘密が公式に露見する。意外とあっけなく解決した。はじまりの樹と絶園の樹の仮説も説明される。あまりに進んだ科学は魔法に見えるとの定理に納得した。現代の科学で分かっていることを全てとするような偏狭な科学信奉者は科学からも離れている。林田力
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天木直人氏が最高裁裏金疑惑裁判を批判

元外交官の天木直人氏が最高裁裏金疑惑裁判を批判し、反響を呼んでいる。天木氏の批判はブロゴスの一日で読まれた記事の1位となった。
最高裁裏金疑惑裁判は日刊ゲンダイが報道したものである。最高裁判所が裏金を作っていると告発された。それに呼応して原告百人以上が情報公開や損害賠償を求めて提訴した。
その口頭弁論の過剰警備ぶりが人権侵害と批判されている。傍聴人を過激派扱いしていると憤る。しかも傍聴席は8席しかなかったという。多数の警備員を配した暗黒裁判と批判される。日本国憲法で保障された裁判の公開原則を踏みにじるものである。天木直人氏は裁判の形骸化を強く批判する。天木氏の批判は多くの人々の共感を得て、繰り返しリツイートされた。
裏金裁判を担当する裁判官は北本イジメ裁判も担当している。北本イジメ裁判では悪口を言われ、「便器に顔をつけろ」と言われたなどの事実がありながら、イジメを否定した。この判決は非常識と批判された。裁判官はイジメの実態を理解していない、証拠を読んでいないのではないか、と批判された。
イジメは教育や社会の問題であると同時に人権問題でもある。イジメはイジメ加害者だけの問題ではなく、傍観することもイジメを加速し拡大させることにつながる。北本イジメ判決もイジメの傍観であり、イジメを加速し拡大させる。
北本イジメ裁判も最高裁裏金疑惑裁判も、裁判官の思いがどこにあるとしても、世間の注目を集める方向に働いている。北本イジメ事件と最高裁裏金疑惑裁判が同一の裁判官によるものであるとの事実が判明したことで一過性の怒りでは終わらない、息の長い批判になる。

2012年10月15日月曜日

島袋光年『トリコ 21』v 林田力 wiki書評

島袋光年『トリコ 21』は食林寺での修行が中心である。第181話「食林寺」から第189話「食義を極めし者」までを収録する。トリコと小松は美食人間国宝の一人である珍鎮々に出会う。彼こそは食の奥義を極める食林寺の師範であった。二人は珍鎮々の下で食林寺に代々伝わる寺宝・シャボンフルーツをゲットするために食義の修業を開始する。

修行と言っても、バトル漫画の一般的な修行と比べると異色である。この修行では礼儀正しさと感謝の念が求められる。現代日本ではマナー違反を指摘されても「ルールなんか存在しない」と開き直る恥ずかしい輩もいる。その中で礼儀正しさに価値を置くことは意義がある。
http://www.hayariki.net/7/43.htm
食べ物、さらには生命への感謝の念はグルメ漫画の根本的な価値である。グルメ作品が陥りがちな罠として、美食を追求するあまり、美食の基準を満たさない食材を大量に廃棄する傾向がある。食物を粗末にすることにつながる。それでは美食を求める資格はない。それは差別につながる。その種の人々は往々にして怪しげな食品をベクレルフリーと称して販売する悪徳商法に引っ掛かることになる。

トリコでは少年漫画の王道であるバトルや冒険にグルメという軸を別に設けることで物語に深みを増している(林田力「『トリコ』第12巻、グルメとバトルの二本立て」リアルライブ2011年1月7日)。そのグルメも全ての食材への感謝の念を描くことでグルメ作品として大切な哲学を示した。

2012年10月14日日曜日

荒木飛呂彦『ジョジョリオン』

荒木飛呂彦『ジョジョリオン』は人気シリーズ『ジョジョの奇妙な冒険』のPart8に位置付けられる漫画である。『ジョジョの奇妙な冒険』は「ジョジョ」の愛称を持つ主人公が強大な敵と戦うアドベンチャーである。

Part1からPart6までは19世紀末英国の貴族ジョナサン・ジョースターと、その子孫を主人公とするジョースター家の物語であった。これに対してPart7の『STEEL BALL RUN』はパラレルワールド的作品で、キャラクターもストーリーも前作とは連動していない。

『ジョジョリオン』の舞台はPart4「ダイヤモンドは砕けない」と同じ杜王町である。吉良、広瀬、東方という懐かしのキーワードが登場する。しかし、登場人物は同じ名前や似たような名前でもPart4とは別人というパラレルワールド的設定である。

『ジョジョリオン 1』の作者コメントには「舞台は同じ日本の「杜王町」ですが、別の住人たちのお話です」とある。『ジョジョリオン 2』で東方家の先祖がアメリカ大陸横断レースに参加したと語られており、『STEEL BALL RUN』の世界と接続していることが分かる。

『ジョジョリオン』の視点人物は一般女性である。巻き込まれ型の人物であるが、妙に艶かしい。ジョジョシリーズは男性中心の物語であった。Part6「ストーンオーシャン」は女性刑務所を舞台とした女性主人公の物語であったが、男性を女性に置き換えただけという印象があった。これに対して広瀬康穂は非常に女性的に描かれている。新たな作風に注目する。

Part4の読者にとって『ジョジョリオン』の世界は一見すると抵抗がある。主人公はPart4の主人公と同じ名前を名乗ることになるが、記憶を喪失しており、善人か悪人か不明である。しかもPart4の悪役であった吉良吉影との関係性がほのめかされている。

さらにPart4では主人公サイドであった東方家の面々が胡散臭い。『ジョジョの奇妙な冒険』ではディオのように敵キャラクターにも底知れない存在感や悪の魅力を放っていた。しかし、ジョジョリオンではチンピラめいた胡散臭さにとどまっており、迫力に欠ける。
http://hayariki.net/5/8.htm
それでも『ジョジョリオン 2』の後半から迫力が出てきた。ここではスタンド対決が展開されるが、敵が公正さを重んじて自分の弱点を相手に教えている。これによって敵キャラクターに底知れない迫力を与えることができた。

現実の日本ではクライアントほしさのあまり法律事務所が「弁護士は公正中立ではありません」などという広告を出すほどの浅ましい状況である(林田力「弁護士の粗末な交渉で泥沼相続紛争(中)」PJニュース2010年10月8日)。その中で『ジョジョリオン』は敵キャラクターにも公平を重んじさせ、敵ながら魅力を与えている。

『ジョジョリオン 3』では東方家とジョースター家、吉良家の関係が明らかになる。ジョジョの奇妙な冒険シリーズは数世代に渡る因縁の物語という特徴がある。パラレルワールド的展開の『ジョジョリオン』では主人公サイドであったジョースター家や東方家と吉良家に接点があるという驚くべき展開となった。(林田力)

トリコ21巻v林田力wiki書評

『トリコ21巻』は食林寺での修行が中心である。修行と言っても、バトル漫画の一般的な修行と比べると異色である。この修行では礼儀正しさと感謝の念が求められる。現代日本ではマナー違反を指摘されても「ルールなんか存在しない」と開き直る恥ずかしい輩もいる。その中で礼儀正しさに価値を置くことは意義がある。
食べ物、さらには生命への感謝の念はグルメ漫画の根本的な価値である。グルメ作品が陥りがちな罠として、美食を追求するあまり、美食の基準を満たさない食材を大量に廃棄する傾向がある。食物を粗末にすることにつながる。それでは美食を求める資格はない。それは差別につながる。その種の人々は往々にして怪しげな食品をベクレルフリーと称して販売する悪徳商法に引っ掛かることになる。
全ての食材への感謝の念を描いた『トリコ』はグルメ作品として大切な哲学を有している。林田力wiki
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ジョジョリオン3巻v林田力wiki書評

『ジョジョリオン3巻』では東方家とジョースター家、吉良家の関係が明らかになる。ジョジョの奇妙な冒険シリーズは数世代に渡る因縁の物語という特徴がある。パラレルワールド的展開の『ジョジョリオン』では主人公サイドであったジョースター家や東方家と吉良家に接点があるという驚くべき展開となった。
ジョジョリオンの視点人物は女性である。スタンド能力を持たない巻き込まれ型の人物であるが、妙に艶かしい。ジョジョシリーズは男性中心の物語であった。スターオーシャンは女性刑務所を舞台とした女性主人公の物語であったが、男性を女性に置き換えただけという印象があった。これに対して広瀬康穂は非常に女性的に描かれている。新たな作風に注目したい。林田力wiki
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2012年10月13日土曜日

海のピラミッドと下北沢跡地問題

東京都世田谷区の二子玉川ライズと熊本県宇城市の海のピラミッド不法占拠問題は公共性の私物化という点で共通する。二子玉川ライズはオフィスや商業施設、分譲マンションという東急電鉄や東急不動産の営利事業に莫大な税金が使われている。フェリーの待合所だった海のピラミッドはクラブピラミッドに目的外使用されている。
この海のピラミッド不法占拠問題は、二子玉川ライズと同じく世田谷区の抱える開発問題である下北沢の跡地利用とも共通する。既得権益維持と選挙で表明された民意の無視である。世田谷区では脱原発や大型開発優先からの転換を掲げて保坂展人・世田谷区長が当選した。保坂区長は住民参加で下北沢の小田急線跡地利用の検討を進めている。ところが、東京都は東京都と保坂区長就任前の世田谷区と小田急電鉄で合意した内容に反すると抗議していた。三者合意内容が住民を無視して決定されたものであるために住民の不満が高まり、保坂区長の当選となった。住民参加で検討することは公約の反映であり、三者合意内容と異なるものになることは当然である。
海のピラミッド不法占拠問題も同じである。海のピラミッドは前市長時代にクラブピラミッドに目的外使用が認められたが、前市長の箱モノ行政を批判する新市長が当選した。新市長の下で海のピラミッドをクラブピラミッドに目的外使用させることの公共性が検討され、待合所に戻すことが公共性に合致すると判断された。加えてクラブピラミッドによる違法改造など複数の違反も明らかになった。
宇城市がクラブピラミッドに海のピラミッド明け渡しを求めたことは当然である。これに対してクラブピラミッドは愛国無罪の名の下に明け渡しを拒否する。中国では愛国無罪の言葉によって邦人が暴行され、日本企業が甚大な被害を受けている中で無神経な主張である。
世田谷区の下北沢の跡地利用再検討も海のピラミッド明け渡しも新首長の政治姿勢の反映である。前首長時代の合意内容を根拠に抵抗することは、新首長当選の民意の否定になる。それは民主主義や住民自治の否定である。
下北沢の問題は東京都が抵抗勢力になっているために深刻である。保坂区長の出発点である石原東京都政との対決姿勢強化が望まれる。保坂区長の公約は世田谷区長選挙直前に再選した石原慎太郎東京都知事の政策と真っ向から対立する。保坂区長の評価は東京都政との対決姿勢で量ることができる。
保坂氏と石原慎太郎都知事との対決は既定路線であった。保坂氏は出馬表明後の「新しいせたがやをめざす会」で石原氏と都知事当選を批判的に話した。石原氏も保坂氏の当選後に「脱原発などできっこない」と否定的評価を下した。
当選後の保坂区長はドラスチックな転換を進めたとは評価できない。反対に東京都の進める東京オリンピック誘致ポスターを掲示するなど東京都への妥協的な姿勢も見られる。
一般論として政治にバーターがあることは否定しない。優先度の高い政策を実現するために別の面で妥協する場合もあるだろう。問題はバーターとして成り立つかどうかである。
デジタルコンテンツ問題では東京都から世田谷区に補助金返還を請求され、保坂区政にネガティブな印象を与えた。デジコン問題は保坂区政の前に起きたことで、保坂区長に直接の責任はない。しかし、問題発覚後の情報隠しと受け止められる姿勢が保坂批判に利用される結果となった。熊本前区政の悪癖を断つという断固たる姿勢を採るべきであった。
さらに下北沢問題である。東京都が補助を止めると通告してきた。公約「大型開発優先区政からの転換」に対する煮えきらない姿勢が漬け込まれている。林田力wiki
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テンペストv林田力wiki書評

『テンペスト』は19世紀の琉球王国を描いた歴史小説である。日本では江戸時代の幕末に相当する。日本と同様、琉球王国にも列強の船が出没するようになってきた。
本書で興味深い点は柵封体制を東アジアの国際連合のように捉えていることである。朝貢国は中国に一方的に従属するのではなく、国際社会のメンバーとして外交を展開する。日本では聖徳太子の日いずる国の天子以来、柵封体制に入らなかったことを誇りとする傾向があるが、東アジアの国際社会から見れば偏狭な鎖国精神でしかない。NHK大河ドラマ『平清盛』でも中国との貿易によって国を富ませようとする清盛の革新性と体面にこだわって朝貢関係を否定する公卿の保守性を対比させている。
『テンペスト』はNHKで仲間由紀恵主演でドラマにもなった。ドラマでは序盤から男性として生きなければならないという女性性の抑圧がクローズアップされていた。同時期に『美男ですね』など男装ドラマが放送されていたこともある。これに対して書籍の序盤では女性が社会的に抑圧されている状況であり、男性となることは解放という色彩が濃い。林田力wiki
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2012年10月12日金曜日

銀河英雄伝説外伝、汚名v林田力wiki書評

銀河英雄伝説外伝「汚名」は中佐時代のキルヒアイスが主人公である。一人で歓楽街を休暇で訪れたところ、薬物事件に巻き込まれる。
銀河英雄伝説はSFであるが、遠い未来よりも現代への問題を突き付ける。自由惑星同盟の腐敗は現代の民主主義の問題である。作品ができた当時は現実離れした極端さが感じられた。しかし、テロとの戦いの名目で安易に人権が制限される時代を経た今では著者の先見性に感嘆を禁じ得ない。
「汚名」で取り上げられた薬物汚染も同じである。薬物汚染は戦後の混乱期の名残であり、ヤンキーのような社会のはみ出し者以外には無縁のものになっていくと思われた。しかし、それは甘かった。格差社会によって貧富の差が拡大し、虐げられた貧困層には薬物に逃避する人々もいる。過酷な日雇いの肉体労働から筋肉を休めるためにドラッグに頼る人々がいる。特に現代では脱法ハーブの蔓延が社会問題になっている。貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者と脱法ハーブの宣伝広告者の関係も問題視されている。その意味でも薬物の蔓延を描いた「汚名」には先見性がある。林田力wiki
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太平洋クラブと東急大井町線高架下追い出し

今晩は。二子玉川ライズ推進企業の一角である東急不動産についてのニュースがありますので、連絡致します。
東急不動産が実質的な親会社になっているゴルフ場・太平洋クラブが会社更正手続きに移行しました。太平洋クラブは元々、民事再生手続きを進めていました。民事再生は現在の経営陣が再生計画を進めるために責任追求が不充分という問題を抱えています。実際、太平洋クラブの出した再生計画案はアコーディアにゴルフ場を売り渡すというものでした。東急不動産は損失を被らず、太平洋クラブ会員ばかりが犠牲になるものです。会員は被害者の会や権利を守る会に結集し、多数派を形成して会社案を否決しました。マスメディア報道では東急不動産まで触れられていませんが、責任自体を隠すことによる責任逃れは東急不動産の十八番です。東急不動産だまし売り裁判でも東急リバブルと東急不動産でたらい回しにしました。二子玉川ライズでも再開発組合の影に隠れています。
もう一点は、東急大井町線高架下立ち退き問題について新たに記事が出ましたので連絡します。林田力wiki
http://hayariki.net/

2012年10月11日木曜日

太平洋クラブ会社更正v林田力wiki

太平洋クラブは会社更正手続きに移行した。これは実質的な親会社である東急不動産の不誠実さに対する会員の怒りを反映したものである。
太平洋クラブは民事再生を申し立てたが、太平洋クラブから出された再生案は太平洋クラブをアコーディアに売り渡すというものであった。東急不動産は損失を被らず、太平洋クラブ会員ばかりが犠牲になる。東急不動産だまし売り裁判と同じ搾取の構造である(林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』)。
太平洋クラブ会員は被害者の会や権利を守る会に結集した。再生計画の会社案を否決した。民事再生では現経営陣が残るのに対して、会社更正では現経営陣が排除される。ゴルフ場会員の権利保護にとって大きな前進である。会員の間では東急不動産への怒りは大きく、刑事告訴の動きもある。
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2012年10月10日水曜日

城平京『絶園のテンペスト』v 林田力 wiki書評

城平京・原作、左有秀・構成、彩崎廉・作画『絶園のテンペスト』(ガンガンコミックス)はファンタジー漫画である。復讐と魔法をめぐる、時間と空間を越えた戦いを描く。『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)にて2009年8月号から連載を開始した。

タイトルに『テンペスト』とあるようにシェイクスピアにインスパイアされている。冒頭には『ハムレット』の台詞「ああ、なんと呪われた因果か、それを直すために生れついたとは」が引用されている。

魔法を使ったバトル漫画であるが、人生観・世界観・価値観の異なるものによる人間ドラマ重視の作品である。巻き込まれ型の主人公、高飛車なヒロイン、暴走気味の友人と一見すると典型的なパターンに沿っている。しかし、主人公は巻き込まれるだけの存在ではなかった。友人に言えない秘密を持っている。それが物語に新しさを与えている。
http://www.hayariki.net/7/29.htm
主人公達の個人的な関心と、世界的な危機の物語が併存し、バランスが取れている。『絶園のテンペスト 1』のラストでは主人公側の前提の誤りを示唆する内容になっており、続きが気になる終わり方である。(林田力)

日刊ゲンダイが最高裁裏金裁判を報道

日刊ゲンダイが最高裁裏金裁判について報道し、大きな波紋を呼んでいる。最高裁判所が裏金を作っていると告発された。それに呼応して原告百人以上が情報公開や損害賠償を求めて提訴した。
その口頭弁論の過剰警備ぶりが人権侵害と批判されている。傍聴人を過激派扱いしていると憤る。しかも傍聴席は8席しかなかったという。多数の警備員を配した暗黒裁判と批判される。日本国憲法で保障された裁判の公開原則を踏みにじるものである。元外交官の天木直人氏も強く批判した。
裏金裁判を担当する裁判官は北本イジメ裁判も担当している。北本イジメ裁判では悪口を言われ、「便器に顔をつけろ」と言われたなどの事実がありながら、イジメを否定した。この判決は非常識と批判された。裁判官はイジメの実態を理解していない、証拠を読んでいないのではないか、と批判された。

二子玉川RIZEの道路問題v林田力wiki

二子玉川ライズは道路問題でもある。
道路の拡張のために立ち退きや敷地の供出を余儀なくされる近隣住民が多数存在する。駒沢通りの拡張で瀬田水道が保存されるかも不透明である。
交通量の増加による渋滞、排気ガスによる大気汚染。近隣住民にとって交通量の増加は迷惑でしかない。
道路の拡張はコミュニティーを分断する。
多摩堤通りは二子玉川ライズオフィスのビル風で歩行者の横断が危険な状態である。ビル風に煽られて転倒した負傷者もいる。
多摩堤通りは二子玉川再開発に合わせて整備されたが、歩行者の通行は逆に危険になった。道路工事が住民のためではないことを如実に示すものである。林田力wiki
http://hayariki.net/

2012年10月9日火曜日

天王寺大『白竜LEGEND 24』

天王寺大原作、渡辺みちお画『白竜LEGEND 24』は経済誌記者が白竜に密着取材する。その中でベンチャー企業経営者の闇に迫る。職場イジメやパワハラ、退職強要が社会問題になっている中でタイムリーな話題である。今の日本では法律事務所にさえパワハラが内部告発され、退職者の会が結成されるほどである。

オムニバス的に話が展開する『白竜』であるが、筋運びに円熟味が増している。企業の不正につけこみ、新たなシノギの種にするという常道を崩すことで、新鮮味を与えた。女性記者を視点人物とすることで、白竜と経営者の人物を比較する。すっかりギャグ担当が板についた剛野組長をオチに持ってくることで、笑いもとっている。

白竜はヤクザであり、不法なシノギで利益を上げており、正義の立場ではない。しかし、結果的に社会悪を滅ぼすために勧善懲悪的なカタルシスがある(林田力「『白竜LEGEND』第16巻、 医療過誤追及でカタルシス」リアルライブ2011年2月12日)。その複雑な性質を象徴するものがドラッグ禁止の徹底である。白竜は任侠精神を体現している訳ではないが、ドラッグ禁止によって何でもありの悪人とは区別される。ドラッグ利用者を叩き潰すシーンは一般論として正義ではないとしても、爽快である。
http://hayariki.net/7/28.htm
翻って現代日本では脱法ハーブ(合法ハーブ)が社会問題になっている。東京都議会は平成24年第2回定例会で脱法ドラッグ対策強化を要請する意見書を全会一致で可決した。『白竜』は暴力団員による東急電鉄株買い占めなど時事ネタを取り上げてきた(林田力「『白竜LEGEND』第19巻、愚連隊は敵役としても力不足」リアルライブ2011年10月27日)。脱法ハーブ売人との戦いにも期待したい。

2012年10月8日月曜日

梁宰豪『死活の壁』v 林田力 wiki書評

梁宰豪著、洪敏和訳『死活の壁』(東京創元社、2012年)は囲碁の戦略・戦術をまとめた解説書である。「碁楽選書」という囲碁の解説書シリーズに属する。著者は韓国の囲碁棋士である。

『死活の壁』は上下巻で構成される。『死活の壁』は文字通り石の生死を扱う。活きた石とは絶対に取られることのない石である。死んだ石とは眼を持たないなど最終的に相手に取られる石である。『死活の壁』では様々なパターンにおいて、どこに石を置けば石が活き、または死ぬのかを分かりやすく解説する。
http://www.hayariki.net/7/26.htm
囲碁は黒と白が互いに陣地(地)を広げあい、囲った陣地の大きい方を勝ちとするゲームである。このゲームを複雑にする要素が「石を取る」というルールである。まずは陣地を広げることを考えたくなるが、石が死んでしまったならば意味がない。下巻の帯に記載するように死活の壁を破れば別の世界を開くことができる。

現在、日本と韓国、中国は領土問題に起因した政治対立を抱えているが、囲碁という文化を共有する国々でもある。小さな島という地に固執すると石を死なせることになるかもしれない。(林田力)

絶園のテンペスト七巻v林田力wiki書評

『絶園のテンペスト』はファンタジー漫画である。タイトルに『テンペスト』とあるようにシェイクスピアにインスパイアされている。
巻き込まれ型の主人公、高飛車なヒロイン、暴走気味の友人と一見すると典型的なパターンに沿っている。しかし、主人公は巻き込まれるだけの存在ではなかった。友人に言えない秘密を持っている。それが物語に新しさを与えている。
主人公達の個人的な関心と、世界的な危機の物語が併存し、バランスが取れている。一巻のラストではは主人公側の前提の誤りを示唆する内容になっており、続きが気になる終わり方である。
第七巻では主人公の秘密が公式に露見する。意外とあっけなく解決した。はじまりの樹と絶園の樹の仮説も説明される。あまりに進んだ科学は魔法に見えるとの定理に納得した。現代の科学で分かっていることを全てとするような偏狭な科学信奉者は科学からも離れている。林田力
http://hayariki.net/

『武将茶人、上田宗箇』v 林田力 wiki書評

矢部良明『武将茶人、上田宗箇—桃山茶の湯の逸材』(角川書店、2006年)は武将であり、茶人であった上田宗箇の独創の境涯を描いた書籍である。

上田宗箇は利休亡き後の慶長年間、茶の湯の天下一宗匠、古田織部の直弟子として独自の境地をひらいた武門の茶人である。武将茶人としては古田織部が名高いが、茶人としての業績に偏重する。これに対して上田宗箇は徳川家康を恐れさせるほどの猛将であった。関が原の合戦では不利を承知で西軍に与するなど義に厚い武将であった。古田織部を主人公とした漫画『へうげもの』によって知名度が上がった人物である。
http://www.honzuki.jp/user/homepage/no2431/
『武将茶人、上田宗箇』では宗箇や同時代人の茶人を独創性で評価する。茶人が自ら茶道具を作るようになった。最初に茶人が自製した茶道具は茶杓である。茶杓は作り手の人格の象徴と位置づけられる。『武将茶人、上田宗箇』には「利休の人格を一見したければ、彼の茶杓を見るのが一番手っ取り早い」との表現がある(66頁)。

何でもないような竹細工が見る人が見れば高い価格が付くことになる。「長さ二十センチ内外の一本の細い竹が、先行きの内容次第で、後世、信じられないほどの高い価格となっていく」(66頁)。(林田力)
林田力さんの公開中の本 | ブクログのパブー
http://p.booklog.jp/users/tokyufubai

静かなるドン104巻v林田力wiki書評

静かなるドン104巻は鬼州組とシチリアマフィアの決戦前夜を描く。新たに黙示録の四騎士という敵幹部が登場するが、流石に次々とキャラクターが登場する中でインパクトが弱くなっている。かつてのアレキサンダーの四天王のような迫力がない。それでもギャグは冴えている。
白藤龍馬はメタボーニ殺害の覚悟を決めた。もともと龍馬の関心は世界皇帝であって、シチリアマフィアはふりかかる火の粉に過ぎなかった。しかし、シチリアマフィアに邪魔され、自らの構想を妨げられた結果、矛先をシチリアマフィアに向けることを決意する。
林田力は東急不動産だまし売り被害者として東急リバブル東急不動産と闘いながら、地上げブローカーやゼロゼロ物件業者に攻撃されてきた。このために龍馬の悔しさや怒りは大いに共感できる。世界皇帝への戦い方が二転三転して何をしたいか共感できなかった龍馬であったが、覚悟を決めた龍馬を応援したい。林田力

空知英秋『銀魂—ぎんたま— 46』v 林田力 wiki書評

空知英秋『銀魂—ぎんたま— 46』は尾美一編がメインである。尾美一編には米国のSF映画大作『スターウォーズ』のパロディがある。主要ゲストの尾美一はオビワン・ケノービを連想させる名前である。また、ジェダイ・マスターのヨーダのような外観の宇宙人(天人)も登場する。

パロディには定評のある『銀魂』であるが、尾美一編のパロディとしての捻りは浅い。問題はヨーダ風の宇宙人が悪役で終わっていることである。夜王鳳仙のようなスケールの大きな悪役ではなく、ちんけな悪役である。これは『スターウォーズ』ファンには面白くない。

『銀魂』にも事情がある。『スターウォーズ』の有名な悪役はダースベイダーである。『ドラえもん』でもアッカンベーダーというパロディのキャラクターが作られたほどである。しかし、既に『銀魂』では蓮蓬編(エリザベス編)でダースベイダーをモデルとしたキャラクター・米堕卿を登場させた。このためにダースベイダーは悪役として使えない。だからといってヨーダを何の哲学も持たない悪役に使うことは面白みに欠ける。

蓮蓬編は『スターウォーズ』以上に『起動戦士ガンダム』のパロディが濃厚であった。そこでも敵勢力をガンダムでは主人公サイドの連邦軍になぞらえるなど、敵味方が逆転していた。しかし、これはガンダムを深く理解した上でのパロディとして成立している。連邦は主人公サイドであるが、腐敗と人民抑圧の典型的な官僚組織である。敵軍であるジオンの主張に正論が含まれ、ジオンに感情移入する視聴者も少なくない。
http://hayariki.net/7/27.htm
実際、アムロ・レイの活躍も結果的に腐敗した連邦の延命に寄与することになり、物語としてはフラストレーションが蓄積する。だから、後期のOVAでは主人公は連邦サイドでもジオンに華を持たせている。『0083』では連邦の腐敗とジオンの栄光を描いた。『第08MS小隊』の主人公シロー・アマダはジオン兵と理解しあい、連邦軍を抜ける。『機動戦士ガンダムUC』では連邦成立時からの欺瞞を暴く。

故に連邦を敵と重ね合わせる銀魂のパロディも面白い。これに対して『スターウォーズ』のパロディは表面的に楽しむものである。(林田力)

2012年10月7日日曜日

最高裁裏金裁判で疑惑拡大

日刊ゲンダイが最高裁裏金裁判について報道し、大きな波紋を呼んでいる。原告百人以上が情報公開や損害賠償を求めて提訴した。その口頭弁論の過剰警備ぶりが人権侵害と批判されている。傍聴人を過激派扱いしていると憤る。しかも傍聴席は8席しかなかったという。
裏金裁判を担当する裁判官は北本イジメ裁判も担当している。北本イジメ裁判では「便器に顔をつけろ」と言われたなどの事実がありながら、イジメを否定した。この判決は非常識と批判された。

クッチャー『濡れた魚』v 林田力 wiki書評

フォルカー・クッチャー著、酒寄進一訳『濡れた魚』(創元推理文庫)は戦間期のドイツ共和国(ワイマール共和国)首都ベルリンを舞台としたミステリーである。主人公はベルリン警視庁刑事ゲレオン・ラート警部である。ラート警部は、わけあって故郷ケルンの殺人捜査官の職を離れ、ベルリン警視庁風紀課に身を置く刑事である。殺人課への異動を目指すラートは、深夜に自分の部屋の元住人を訪ねてきたロシア人の怪死事件の捜査を密かに開始する。

『濡れた魚』は文庫本上下巻である。多くのミステリーと同様に上巻だけでは事件の全貌は不明なままである。それでもタイトル「濡れた魚」の意味や陰謀の目的が明らかになり、物語に引き付けられる。ミステリーの中にはラストで全ての伏線を結び付けようとするあまり、序盤中盤では話の方向性が見えず、読むことが苦痛になる作品もある。ほとんど捜査に進展がないにも関わらず、適度に謎を明らかにする『濡れた魚』の筋書きは巧みである。

『濡れた魚』には殺人事件あり、ロマンスあり、警察組織内部のセクショナリズムあり、主人公の過去あり、社会情勢ありと様々な要素が詰め込まれている。特に社会情勢の描写は深い。一般にワイマール共和国は当時の世界で最も民主的な共和国と評価される。そこからナチス独裁が誕生したことは民主主義のパラドックスと受け止められる。

しかし、実際はワイマール共和国の民主主義に限界があったからこそナチスの独裁を許した。『濡れた魚』で描かれた社会民主党政権による共産党デモ弾圧や退役軍人によるドイツ革命への不満は後にナチス独裁を許したワイマール共和国ドイツの民主的基盤の脆弱性を物語る。

社会民主党政権は帝政ドイツではラディカルな存在であった。それが政権党になった途端、反対勢力を弾圧する側に回ったことは社会民主党の限界を示している。鉄兜団などの民間軍事組織の暗躍は、ヴェルサイユ条約によって徹底的に弱体化されたドイツがヒトラーの再軍備によって瞬く間に軍事大国化した背景が理解できる。

一方で『濡れた魚』に描かれたナチスは新興勢力に過ぎず、小物に過ぎない。ワイマール体制の崩壊は必然でも、反動勢力を押しのけてナチスが独裁権を確立することは自明ではない。『濡れた魚』はシリーズ物の第一作であり、ナチスが勢力を拡大する背景描写に注目である。
http://hayariki.jakou.com/7/4.htm
『濡れた魚』では、どこの社会でも共通する不都合な事実を隠す警察の体質が描かれる。横あるパターンとして証拠の隠滅や捏造があるが、『濡れた魚』では警察の不利になる証拠そのものは隠さずに報告書での悪意ある印象操作によって「物的証拠を法廷で使い物にならなくした」(上巻128頁)。

それに対して主人公は反倫理性を感じながらも、「警官が警察の不利になることを証言するなどありえない」と考える(上巻129頁)。『ポチの告白』に登場するような悪徳警官でなくても警察には身内を庇う体質がある。それが警察問題の深刻さを物語る。現実に『濡れた魚』の解決法は警察の隠蔽体質の範囲内であった。ヒロインの折角の名台詞「正義が行われることを望むなら、すべてを明らかにするほかない」(下巻294頁)がもったいない。しかし、そのためにリアリティのある物語に仕上がった。(林田力)

『美男ですね』最終話v 林田力 facebook

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の最終話「運命の再会…最後の告白」が9月24日に放送された。アジア中で大ヒットした人気韓国ドラマの日本リメイク版であったが、最後は皆が善人になり、主人公カップルの恋を応援するという日本的な大団円になった。

桜庭美子(瀧本美織)と桂木廉(玉森裕太)の恋の行方が見どころであるが、前回のラストで美子が明確に拒絶し、互いに相手を思って遠慮するために、当人達だけでは解決不可能である。その代わりに藤城柊(藤ヶ谷太輔)と本郷勇気(八乙女光)が恋の応援団となって、廉にハッパをかける。

美子が美男の替え玉をしていたという真相を知った事務所社長の安藤弘(高嶋政伸)は強面に見えて美子に粋なエールを送る。身勝手な悪女・水沢麗子(萬田久子)も廉の心からのお願いで、あっさりと改心した。

これまでNANA(小嶋陽菜)に辛辣だった廉も最後はカッコいい言葉で励ます。それによって立ち直ったNANAは以前の悪女ぶりが嘘のように慈愛に満ちた表情で美子と廉を見つめる。小嶋陽菜がNANA役にキャスティングされた際は、ドラマの悪役イメージで本業のアイドルにも悪印象を与えてしまうのではないかとの余計な心配もなされたが、それを払拭する役どころで終わった。
http://www.hayariki.net/6/18.htm
クライマックスはライブの場での告白である。ライブそっちのけでの告白はスキャンダルであり、ライブを楽しみにしているファンへの裏切りにもなる。しかし、告白に事務所社長の安藤以下スタッフも喜び、出口(六角精児)らパパラッチ記者まで感動する。ファンまでが温かい反応をするという御都合主義になっている。

これは前クールの月9ドラマ『幸せになろうよ』と共通する。『幸せになろうよ』では香取慎吾演じる主人公が黒木メイサ演じるヒロインの勤務先に乱入し、告白する。告白が成立すると職場の同僚が拍手で祝う。

韓国ドラマが日本で人気になった一因として自我の強いキャラクターがぶつかる人間ドラマが、島国で同質性の強い日本人に新鮮であった面がある。これに対してリメイク版『美男ですね』は皆が主人公カップルの応援という同じ方向を向いた日本的なハッピーエンドとなった。(林田力)

2012年10月6日土曜日

絶園のテンペストv林田力wiki書評

『絶園のテンペスト』はファンタジー漫画である。タイトルに『テンペスト』とあるようにシェイクスピアにインスパイアされている。
巻き込まれ型の主人公、高飛車なヒロイン、暴走気味の友人と一見すると典型的なパターンに沿っている。しかし、主人公は巻き込まれるだけの存在ではなかった。友人に言えない秘密を持っている。それが物語に新しさを与えている。
主人公達の個人的な関心と、世界的な危機の物語が併存し、バランスが取れている。一巻のラストではは主人公側の前提の誤りを示唆する内容になっており、続きが気になる終わり方である。林田力
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『テンペスト』v 林田力 facebook

夏クールのドラマの話題は男装対決である。夏クールは奇しくも主演女優が男性に扮する設定の作品が重なった。前田敦子主演の『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』(フジテレビ系)と瀧本美織主演の『美男ですね』(TBS系)が注目されるが、仲間由紀恵主演の『テンペスト』(NHK BS)が意外な伏兵である。
男装ドラマの見どころは、何と言っても女性の男装姿である。男装という通常では見られない格好をすることで、女優の新たな魅力を引き出すことができる。古くは歌舞伎の創始者の出雲の阿国が男装によって人気を博した。一方で現実の男性になりきり過ぎると逆に女優のイメージを落としてしまう危険がある。
この点で『花ざかりの君たちへ』の前田敦子は男子高校生に溶け込んでいるものの、ダウンタウンの浜田雅功に似ているとも指摘され、アイドルとしては微妙なところである。話が進むにつれて主人公は恋愛対象になるため、ボーイッシュな女性的魅力のアピールを期待する。
『美男ですね』の瀧本美織は、外見はイケメン姿が決まっている。しかし、男性のふりは外見だけで、中身は女性である。もともとイケメンに囲まれるドジっ娘の胸キュン・ラブストーリーというスタンスであり、男っぽさや男らしさは期待しにくそうである。
『テンペスト』は池上永一の同名小説が原作で、19世紀後半の琉球王国を舞台とした時代劇である。性を偽って王府の役人になる女性・真鶴(仲間由紀恵)が主人公である。頭脳明晰な少女・真鶴は宦官と称して王府に出仕し、薩摩や清国、欧米列強の間に揺れる琉球を救うために活躍する。
当時は現代以上にジェンダーが厳然と存在する社会で、女性が男性になりすますことの緊張感は現代以上である。女性が男性に扮するということは、自らの内にある女性性を抑圧することになる。これは『花ざかりの君たちへ』や『美男ですね』には弱い。
『花ざかりの君たちへ』の主人公は性格的には男子高校生そのものである。女性であることが露見しないかのドキドキ感はあるものの、無理して男性を演じる悲壮感はない。『美男ですね』の主人公は双子の兄の一時的な代役と割り切れる立場であり、内面的には女性的な思考を維持している。これに対して『テンペスト』の仲間は家や国のために男性に扮するという重たい覚悟を背負い、朝倉雅博(谷原章介)への恋心など内なる女性性との葛藤を抱える。
『花ざかりの君たちへ』や『美男ですね』では主演女優の男装以外にも、イケメンに囲まれる女性主人公という共通設定がある。この点で『テンペスト』は外れるが、清国の宦官・徐丁垓役でGACKTが登場する。この徐丁垓は琉球乗っ取りを企む悪役で、原作では性格異常者に描かれている。妖艶なGACKTが演じるヒールと自分を押し殺した優等生的な仲間の絡みにも注目である。
一般に琉球は平和的な王国であったが、薩摩藩によって侵略され、虐げられ続けたという固定的な歴史観がある。1993年のNHK大河ドラマ『琉球の風 DRAGON SPIRIT』が典型である。これに対して『テンペスト』では守旧派の頑迷さや王宮の権力闘争など琉球王国の醜い面も描く。その一方で、薩摩藩士に爽やかで良心的な人物を配置する。
米軍基地の大半を押し付けられているなど沖縄の現状を鑑みれば、大和に虐げられる沖縄という歴史認識は基本線として維持すべきものである。それでも琉球王国や薩摩について固定的な歴史観に捉われない作品が登場したことは、それだけ日本とは異なる独自の国家であった琉球王国の存在が当然の前提となった証拠である。(林田力)
http://www.hayariki.net/pj3.html

2012年10月5日金曜日

白竜24巻v林田力wiki書評

白竜24巻は経済誌記者が白竜に密着取材する。その中でベンチャー企業経営者の闇に迫る。職場イジメやパワハラ、退職強要が社会問題になっている中でタイムリーな話題である。今の日本では法律事務所でさえパワハラが内部告発され、退職者の会が結成されるほどである。
オムニバス的に話が進む『白竜』であるが、筋運びに円熟味が増している。企業の不正につけこみ、新たなシノギの種にするという王道的展開を崩すことで、新鮮味を与えている。女性記者を視点人物とすることで、白竜と経営者の人物を比較する。すっかりギャグ担当が板についた剛野組長をオチに持ってくることで、笑いも取っている。
白竜はヤクザであり、不法なシノギで利益を上げており、正義の立場ではないが、結果的に社会悪を滅ぼすために勧善懲悪的な側面もある。その複雑な性質を象徴するものがドラッグ禁止の徹底である。白竜は任侠精神を体現している訳ではないが、ドラッグ禁止によって一本筋を通している。ドラッグ利用者をボコボコにするシーンは一般論として正義ではないとしても、爽快である。
現代日本では脱法ハーブ(合法ハーブ)が社会問題になっている。『白竜』は暴力団員による東急電鉄株買い占めなど時事ネタを取り上げてきた。脱法ハーブ売人との戦いにも期待したい。林田力

合法都市v林田力wiki書評

独裁者の思い通りになる恐ろしい都市が舞台である。独裁者が命じれば殺人さえも合法になる。傍若無人の町の独裁者を倒すための孤独な戦いという展開は西部劇の応用である。
一方で『合法都市』の新しさは独裁者を単純な悪と描いていない点である。独裁者を単純な悪としない要素として麻薬などのドラッグを厳禁としていることである。これは単純な悪か否かを区別する一線である。
ヤクザ漫画『白竜』でも様々なヤクザのシノギを描くが、薬物は御法度としている。山口組も薬物を禁止する建前である。それがヤクザを単なる犯罪者集団に落ちない最後の倫理的な一線になっている。翻って現代の日本社会では脱法ハーブ(合法ハーブ)の蔓延が社会問題になっている。脱法ハーブを販売し、広告宣伝する輩こそ軽蔑する悪である。林田力

2012年10月4日木曜日

『美男ですね』第10話v 林田力 facebook

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第10話「最終話前編−衝撃の真実!!」が9月16日に放送された。「近づいては離れる」の繰り返しが恋愛ドラマの王道であるが、それを実践した今回は最終回直前の好脚本になった。

前回のラストで母親の水沢麗子(萬田久子)が自分を捨てる理由になった人物が桜庭美男(瀧本美織)の父親であったことを知った桂木廉(玉森裕太)は「お前の顔は見たくない」と言い放つ。しかし、この廉の言動は一方的であり、狭量である。美男の父親が麗子を誘惑するなど美男の父親側に責任があるとは決まっていないためである。

美男を悲しませる廉を見て、藤城柊(藤ヶ谷太輔)が再び美男にアプローチしたことも自然である。柊は韓国オリジナル版以上にダークな恋敵を演じたが、最後は廉を後押しする好漢になった。同じく恋敵の本郷勇気(八乙女光)も、廉の隠れた美点と、その美点が美男によって引き出されたことを認める応援者になった。A.N.JELLの絆の深さを示す心温まる展開である。

廉とNANA(小嶋陽菜)の関係にも決着がつき、スキャンダルを追うパパラッチ記者集団の問題も解決する。美男加入後のA.N.JELLのゴタゴタに不信感を抱く事務所社長の安藤弘(高嶋政伸)の問題が残っているものの、最終回に向けて美男と廉のカップルの成否にストーリーが絞られた。

廉は美男を拒絶したものの、麗子から美男の母親の写真を受け取り、美子に渡す。「ずっと母親を待ち続けていた」という美男の気持ちを思っての行動である。独り善がりな善意の押しつけではなく、相手の気持ちを思う優しさがあってこそ恋愛ドラマの主人公にふさわしい。
http://hayariki.net/6/17.htm
しかし、それならば「お前の顔は見たくない」との発言は、あまりに短慮である。廉はドラマ序盤でも美男に対し、「絶対に許さない」とまで断言しておきながら、すぐに撤回する結果となった。その時その時の気持ちを正直に発言しているからドラマになるという見方も成り立つが、一貫性のなさは廉のカリスマ性を損ない、安っぽい人物にしてしまう。

その廉が自分から空港まで美男を迎えに行き、麗子の件を謝罪した。これは大きな進歩であったが、「相手と一緒にいると親のことを思い出してしまう」という廉が美男に言ったものと同じ言葉で拒絶されてしまう。自己の短慮が因果応報となった形である。この状況を廉がどのように立て直すのか、最終回から目が離せない。(林田力)

2012年10月3日水曜日

『美男ですね』第9話v 林田力 facebook

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第9話「最終章別れ…残酷な運命!!」が9月9日に放送された。桂木廉(玉森裕太)の実母・水沢麗子を演じる萬田久子が悪女を怪演した。

前半は満開の恋愛ドラマである。相思相愛を確認した桜庭美子(瀧本美織)と廉(玉森裕太)。一緒にいるだけで互いに幸せという初々しい恋愛を見せつける。それにショックを受ける本郷勇気(八乙女光)や「美男だけは譲れない」と宣言する藤城柊(藤ヶ谷太輔)と、恋のライバル達も光っている。

幸せいっぱいの美男と廉のカップルであったが、後半には急転直下する。二人の幸せを引き裂く存在が水沢麗子である。麗子は廉にとっては自分を捨てた憎むべき母親であり、美男の両親とも因縁がある。美男や廉の心理を読み手玉にとる憎々しいほどの余裕のある悪女であった。

麗子を演じる萬田久子はNHK大河ドラマ『天地人』で、上杉謙信の虚偽の遺言を偽証する妙椿尼を演じた。この偽の遺言が御館の乱の悲劇につながる。遺言の偽証は明らかに悪であるが、それが主人公サイドの利益になるという物語の善悪の価値基準が倒錯していた。それでいながら主人公の義を強調したところに『天地人』の不振の一因がある。

悪をなしながら悪女になりきれない中途半端さが残った妙椿尼に対し、『美男ですね』の麗子は悪女が全開である。美男に優しそうな言葉をかける態度も憎たらしい。他人を不幸にするためだけに存在するような女性を怪演していた。

『美男ですね』の二大悪女はNANAと麗子である。しかし、NANA役の小嶋陽菜はAKB48有数のマイペース派で、韓国オリジナル版のユ・ヘイ(ユイ)のような毒々しさに欠ける。ヘイは自分の方がファン・テギョン(チャン・グンソク)を好きなことを認めようとしないプライドの高さがあったが、NANAは専属ヘアメイクのトオル(楽しんご)から「恋する乙女」と揶揄されている。
http://hayariki.net/6/16.htm
パパラッチ記者に追及されて気絶したふりをするシーンは韓国版と同じである。韓国版ではヘイの図太さを印象付けたシーンであった。しかし、日本リメイク版では小嶋陽菜の根の善良さが隠しきれず、反対に記者(六角精児)らに手玉に取られている印象を与えた。

多少は同情できるキャラに設定変更されたNANAと比べ、麗子は韓国版のモ・ファラン(キム・ソンリョン)の憎々しさを残している。むしろ今は落ち目の歌手であることや過去の男性遍歴への悪評、健康面の不安などが描かれたファラン以上に、麗子は悪女になりきっている。日本ドラマで少なくなった突き抜けた悪人を描く韓国ドラマのシナリオにベテラン女優の演技力がマッチした。(林田力)

テルマエロマエ5巻v林田力wiki書評

ヤマザキマリ『テルマエロマエ5巻』は主人公の日本への長期滞在の続きである。これまで日本の風呂文化を学ぶ一方であったが、日本社会の問題点に直面する。それはスクラップアンドビルドの乱開発による街壊しである。
街壊しは重要な問題である。東急電鉄や東急不動産は東京都世田谷区の二子玉川ライズでビル風など住環境を破壊している(林田力『二子玉川ライズ反対運動』)。東急電鉄は品川区の東急大井町線高架下住民に生活補償もなく、一方的な立ち退き要求をしている。東急不動産は暴力団員が地上げした渋谷区桜丘町のビルを購入した。
優れた比較文化論との指摘のある『テルマエロマエ』で古代ローマ帝国と重なる日本社会の問題点として開発問題を取り上げたことは意義深い。林田力

濡れた魚v林田力wiki書評

『濡れた魚』は戦間期のワイマール共和国ベルリンを舞台としたミステリーである。主人公はベルリン警視庁風紀課刑事である。
殺人事件あり、ロマンスあり、警察組織内部のセクショナリズムあり、主人公の過去あり、社会情勢ありと様々な要素が詰め込まれている。特に社会情勢は深く描写されている。一般にワイマール共和国は当時の世界で最も民主的な共和国と評価される。そこからナチス独裁が誕生したことは民主主義のパラドックスと受け止められる。しかし、実際はワイマール共和国の民主主義に限界があったからこそナチスの独裁を許した。本書で描かれた社会民主党政権による共産党デモ弾圧や退役軍人のドイツ革命への不満は後にナチス独裁を許したワイマール共和国ドイツの弱さを物語る。
本書は文庫本上下巻になっている。多くのミステリーと同様に上巻だけでは事件の全貌は明らかにされない。それでもタイトル「濡れた魚」の意味や陰謀の目的が明らかになり、物語に引き付けられる。ミステリーの中にはラストで全ての伏線を結び付けようとするあまり、序盤中盤では話の方向性が見えず、読むことが苦痛になる作品もある。ほとんど捜査に進展がないにも関わらず、適度に謎を明らかにする『濡れた魚』の筋書きは巧みである。林田力
http://hayariki.net/

2012年10月2日火曜日

『美男ですね』第8話v 林田力 facebook

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第8話「チャングンソク遂に登場!!」が9月2日に放送された。今回は桜庭美男・美子(瀧本美織)の母親の謎や藤城柊(藤ヶ谷太輔)と桂木廉(玉森裕太)の告白という物語上の重要なイベントがあるが、それでもサブタイトルは「チャングンソク」である。韓流スターの存在感の大きさを示している。

本人役で出演したグンソクは、A.N.JELLと一緒に写真撮影に臨む。美男とベタベタするグンソクに対し、美男以外のA.N.JELLの面々は面白くない表情をする。

韓国オリジナル版で廉に相当するファン・テギョンを演じ、強烈な印象を残したグンソクをリメイク版に出演させることは大きな話題づくりになるが、作品そのものにとっては冒険である。グンソクによって廉のイケメンぶりが霞んでしまう危険があるためである。

実際、グンソクの登場シーンはグンソクに美男、その他大勢という構図になった。これはイケメン揃いのA.N.JELLの中でもひときわ輝く廉のキャラクター設定にはマイナスになる。

しかし、廉の反応を柊や本郷勇気(八乙女光)と同じにすることは廉の存在感を埋没させる一方で、A.N.JELLの一体感を描く効果がある。韓国版では美男に相当するコ・ミナム(パク・シネ)以外のA.N.JELLのメンバーは子どもの頃から一緒に活動しており、気心の知れた仲であった。韓国版ではエピソードの端々で活動歴が長いことを描いてきた。その積み重ねがあるからこそ、ミナムをめぐる恋の争いが勃発して険悪なムードが漂っても、グループ崩壊というような決定的なところには至らなかった。
http://www.hayariki.net/6/15.htm
これに対して日本版は美男加入以前のA.N.JELLの歴史への言及が少ない。A.N.JELLの面々が韓国版以上に恋に積極的であることもあり、メンバーの仲の良さよりも対立が強調されがちである。日本版は韓国版よりも放送回数が少ない以上、細かなエピソードの省略は仕方のないことである。

その代わりにグンソクという圧倒的なスターを対置させることで、A.N.JELLの一体感を示した。それは中盤の柊を傷つけるNANA(小嶋陽菜)の言動への「A.N.JELLは俺が守る」という廉のセリフにつながる。グンソクの出演は単なる話題作りに終わらない味のある内容になった。(林田力)

2012年10月1日月曜日

『美男ですね』第8話v 林田力 facebook

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第8話「チャングンソク遂に登場!!」が9月2日に放送された。今回は桜庭美男・美子(瀧本美織)の母親の謎や藤城柊(藤ヶ谷太輔)と桂木廉(玉森裕太)の告白という物語上の重要なイベントがあるが、それでもサブタイトルは「チャングンソク」である。韓流スターの存在感の大きさを示している。

本人役で出演したグンソクは、A.N.JELLと一緒に写真撮影に臨む。美男とベタベタするグンソクに対し、美男以外のA.N.JELLの面々は面白くない表情をする。

韓国オリジナル版で廉に相当するファン・テギョンを演じ、強烈な印象を残したグンソクをリメイク版に出演させることは大きな話題づくりになるが、作品そのものにとっては冒険である。グンソクによって廉のイケメンぶりが霞んでしまう危険があるためである。

実際、グンソクの登場シーンはグンソクに美男、その他大勢という構図になった。これはイケメン揃いのA.N.JELLの中でもひときわ輝く廉のキャラクター設定にはマイナスになる。

しかし、廉の反応を柊や本郷勇気(八乙女光)と同じにすることは廉の存在感を埋没させる一方で、A.N.JELLの一体感を描く効果がある。韓国版では美男に相当するコ・ミナム(パク・シネ)以外のA.N.JELLのメンバーは子どもの頃から一緒に活動しており、気心の知れた仲であった。韓国版ではエピソードの端々で活動歴が長いことを描いてきた。その積み重ねがあるからこそ、ミナムをめぐる恋の争いが勃発して険悪なムードが漂っても、グループ崩壊というような決定的なところには至らなかった。
http://hayariki.net/6/15.htm
これに対して日本版は美男加入以前のA.N.JELLの歴史への言及が少ない。A.N.JELLの面々が韓国版以上に恋に積極的であることもあり、メンバーの仲の良さよりも対立が強調されがちである。日本版は韓国版よりも放送回数が少ない以上、細かなエピソードの省略は仕方のないことである。

その代わりにグンソクという圧倒的なスターを対置させることで、A.N.JELLの一体感を示した。それは中盤の柊を傷つけるNANA(小嶋陽菜)の言動への「A.N.JELLは俺が守る」という廉のセリフにつながる。グンソクの出演は単なる話題作りに終わらない味のある内容になった。(林田力)

保坂世田谷区政と東京都政の対決

脱原発や大型開発優先からの転換を掲げて当選した保坂展人・世田谷区長。その公約は世田谷区長選挙直前に再選した石原慎太郎東京都知事の政策と真っ向から対立する。保坂区長の評価は東京都政との対決姿勢で量ることができる。
保坂氏と石原慎太郎都知事との対決は既定路線であった。保坂氏は出馬表明後の「新しいせたがやをめざす会」で石原氏と都知事当選を批判的に話した。石原氏も保坂氏の当選後に「脱原発などできっこない」と否定的評価を下した。保坂氏をアカとまで呼んでいる。
当選後の保坂区長はドラスチックな転換を進めたとは評価できない。反対に東京都の進める東京オリンピック誘致ポスターを掲示するなど東京都への妥協的な姿勢も見られる。
一般論として政治にバーターがあることは否定しない。優先度の高い政策を実現するために別の面で妥協する場合もあるだろう。問題はバーターとして成り立つかどうかである。
デジタルコンテンツ問題では東京都から世田谷区に補助金返還を請求され、保坂区政にネガティブな印象を与えた。デジコン問題は保坂区政の前に起きたことで、保坂区長に直接の責任はない。しかし、問題発覚後の情報隠しと受け止められる姿勢が保坂批判に利用される結果となった。熊本前区政の悪癖を断つという断固たる姿勢を採るべきであった。
さらに下北沢問題である。東京都が補助を止めると通告してきた。公約「大型開発優先区政からの転換」に対する煮えきらない姿勢が漬け込まれている。林田力