2012年12月30日日曜日

宇都宮けんじ政策のユニークさ

東京都知事選挙での宇都宮けんじ候補者の政策にはユニークな内容が含まれている。
第一に開発問題において公共事業からの撤退する制度づくりを掲げたことである。日本の行政には一度計画を立てると前に進むだけで見直して改めることを知らないという悪癖がある。加えて公共事業では利害関係者の抵抗が強固である。コンクリートから人へを掲げた民主党はヤンバダム中止で立ち往生した。中止した場合の反発を安易に考えていた節がある。計画が進めば公共事業前提で生活設計する人が出てくることも否定できない。そのような人々への考慮も必要である。撤退の制度づくりは、民主党「コンクリートから人へ」迷走の教訓を活かした政策である。
しかし、この政策は選挙戦では残念なことに深められず、外環道や築地市場移転の見直しが強調される傾向にあった。開発問題は畑違いの宇都宮氏が、これらを掲げたことは素晴らしいことである。ひとまち連呼び掛け人としては喜ばしい限りである。ひとまち連の中からは100パーセントの候補者との表現も出た。それでも政策の中で見直しばかりが強調されたことは反対ばかりの左翼という悪印象を与えた可能性がある。
第二に住宅政策で賃貸人への家賃補助に言及したことである。これはキックオフ集会で発言された。日本は「住まいは人権」との意識が低く、住宅政策は貧困である。家賃補助は住宅政策の恩恵がなかった大多数の民間賃貸住宅の賃借人に広く利益を及ぼすものである。分譲住宅の購入者には住宅ローン控除などで優遇されているが、これは景気対策を目的としたもので、住宅政策としては邪道である。政策的に優遇するならば分譲購入者よりも賃借人を優先すべきである。しかも分譲住宅の購入促進は景気対策の効果は疑問視される。家賃補助は日本の住宅政策で画期的な制度になり得る。
しかし、残念なことに選挙戦では深められず、都営住宅の拡充などが強調される傾向にあった。低所得者向け住宅を都営住宅など公共セクターが供給することは正しい。しかし、日本の現状は民間セクターが圧倒的である。地道に改善していくしかないが、現状では都営住宅入居者は相対的に恵まれた立場である。公営住宅入居を既得権益のように批判する立場も浸透している。本来ならば公営住宅供給が乏しい日本の住宅政策の貧困が批判されるべきではあるが、公営住宅入居者への不満が燻る現実は残る。この状況で都営住宅中心の住宅政策とすることは、特定の人々にだけ優しい政治を目指すのではないかという批判を強めてしまう。林田力wiki
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