2012年12月1日土曜日

梁宰豪『囲碁の戦術 1 序盤編』

梁宰豪著、洪敏和訳『囲碁の戦術 1 序盤編』(東京創元社、2012年)は序盤での囲碁の戦術をまとめた解説書である。囲碁の解説書シリーズ「碁楽選書」に属する。著者は韓国の囲碁棋士である。

囲碁は黒と白が互いに陣地(地)を広げあい、囲った陣地の大きい方を勝ちとするゲームである。『囲碁の戦術』では三連星から始まる40パターンを紹介する。一つのパターンに数頁を費やしており、約10ターン分の図が掲載されているため、紹介された戦術を採用した場合の展開が分かりやすい。

この点は同じ「碁楽選書」シリーズの『死活の壁』とは対照的である。『死活の壁』は石の生死を扱う。活きた石とは絶対に取られることのない石である。死んだ石とは眼を持たないなど最終的に相手に取られる石である。『死活の壁』では様々なパターンにおいて、どこに石を置けば石が活き、または死ぬのかを分かりやすく解説する。

分かりやすく解説すると言っても、一つの図で静的なパターンとして紹介している。そのため、石が活き、または死ぬかの確認は読者が頭の中で石を配置して想像する必要があった。これに対して『囲碁の戦術』は展開も説明されるため、より初心者向きである。但し、囲碁のルールそのものの説明はなく、ルールを知っていることが前提である。
http://www.hayariki.net/7/50.htm
著者は韓国人であるが、中国流や日本流の戦術、伝統的な戦術や現代的な戦術をバランスよく紹介している。囲碁が日本と韓国、中国で共有される不易流行の文化であることを再確認させられる。(林田力)

0 件のコメント:

コメントを投稿