2012年11月28日水曜日

ガンダム・サンダーボルトv林田力wiki書評

『機動戦士ガンダム・サンダーボルト』は機動戦士ガンダムの外伝である。一年戦争末期の戦いを描く。戦争の非人間性を色濃く描いた作品である。
主人公サイドはムーア同胞団というジオンに破壊されたコロニーの残存住民からなる地球連邦軍部隊である。ガンダム・シリーズの特徴として地球連邦の腐敗、堕落、無能、官僚制がある。地球連邦こそが悪の組織であると言っても過言ではない。そのような連邦のために主人公達が戦うことは大きな疑問である。それ故に比較的新しい作品であるMS小隊ではシロー・アマダは地球連邦軍を抜けた。21世紀のガンダムであるSEEDでは主人公達は連邦に相当する連合を脱走した。物語のリアリティを高めるためには主人公に連邦を否定させる必要がある。
これに対して『サンダーボルト』ではジオンへの復讐と故郷の復興という連邦軍で戦う明確な目的がある。一方で連邦の腐敗した体質を踏まえればムーア同胞団が利用されるだけ利用されて切り捨てられることは目に見えている。連邦の救い難さが再確認できそうである。
ガンダム・シリーズでは連邦の腐敗を描きながらも、政治体制の面では形式的には連邦は民主主義で、ジオンはナチスドイツや戦前の日本のような軍事独裁と、辛うじて善悪を保てていた。しかし、『サンダーボルト』では連邦側が若者を戦死させるような作戦を明示て英雄に仕立てあげ、戦意高揚のプロパガンダに利用する軍国主義的な企みを有している。連邦のマイナス面を暴くリアリティに期待する。林田力
http://hayariki.net/

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