2012年11月13日火曜日

アナスタシアv林田力wiki書評

ウラジミール・メグレ『アナスタシア』はシベリアの森林地帯で自然と共生する生活を送る女性アナスタシアとの不思議な交流記である。著者ウラジミールの体験を記述する形になっている。著者はペレストロイカで経済活動に目覚めた実業家である。西側の物質的な文明生活に憧れていた実業家がアナスタシアとの交流によって人生観を変えていく。
アナスタシアは技術優先、科学絶対の文明社会で忘れ去られた心理を語る。科学信奉者ならば非科学的と切り捨てるだろうが、現代文明の行き詰まりは明白である。水に挨拶すると水が力を持つという話もある。これは日本でも論争を巻き起こした話である。スピリチュアル思想の国境を越えた普遍性が実感できる。
著者は実業家であり、物質的な価値観に染まった人物である。そのために優秀な生徒とは言い難い。アナスタシアの発言に対して何度も激怒している。これが本書の特徴である。
ある主張を伝えるために一人の人物に説明させるのではなく、話し手と聞き手の対話形式にすることは一般的な手法である。古くはプラトンや論語がある。現代ではヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界』がある。これらの書籍では生徒の方も優秀な人物であることが多い。それによって聞き手の無理解による繰り返しを何度も読まされるもどかしさを回避できる。これに対して『アナスタシア』は聞き手のレベルは低い。このために肝心のアナスタシアの話が十分に聞けないが、それによって読者にもっとアナスタシアの話を聞きたいという渇望感を与えている。林田力wiki
http://hayariki.net/

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