2012年11月4日日曜日

井上雄彦『バガボンド』

井上雄彦『バガボンド』は吉川英治の原作に基づいて宮本武蔵を圧倒的画力で描いた漫画である。『バガボンド(34)』は2年半ぶりの刊行になる。前半は佐々木小次郎、後半は宮本武蔵の話である。小次郎のパートに惹き付けられた。

武蔵のパートは、ひたすら敵を斬ってきた段階からの精神的成長を描く重要な話である。武蔵が養子にする伊織とも出会う。しかし、方向性は見えており、物語としての躍動感は乏しい。
http://www.hayariki.net/7/faqindex.htm
それよりも細川藩の剣術指南役になった小次郎のパートが面白い。既に細川藩には四人の剣術指南役がおり、一筋縄ではいかない曲者もいる。先代からの有力な発言権を持つ家臣を抱えながら藩をまとめようとする藩主の思惑もある。小次郎が剣術指南役となったことで藩内に波紋が生じる。小次郎には武蔵の最後の対戦相手という以上の物語を期待したい。(林田力)

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