2012年11月11日日曜日

梶川卓郎『信長のシェフ 5』書評 林田力 wiki

梶川卓郎・原作、西村ミツル作画『信長のシェフ 5』では自治都市・堺との交渉から始まる。ここでは千利休が登場する。面従腹背の堺の納谷衆の中で一本筋の通った人物として描かれる。利休は豊臣秀吉との関係が有名であるが、むしろ信長との関係が深かったとする見解がある(武田正受庵『妻・宗恩の語る利休の貌』中央公論事業出版、2002年、56頁)。

『信長のシェフ 5』の利休も信長に心服している。信長の影響を受けた利休にとって、秀吉は小者にしか映らなかっただろう。内心で見下す意識が秀吉にも分かり、二人の関係は抜き差しならなくなったのではないか。そのような想像を広げられる利休像である。

ケンは明智光秀とも本能寺で対面する。この時点で信長と光秀の関係は本能寺の変に至るような要素はない。光秀は自分を新参者と位置づけ、古参の森可成には及ばないところがあると認めるなど謙虚である。どのように本能寺の変の動機が描かれるか、興味深い。
http://www.hayariki.net/7/49.htm
新たなタイムスリッパーと思われる人物も登場する。この人物は歴史上の人物に歴史知識で影響を与えている。ケンと同じく自分のことについての記憶をなくしている。未だ当該人物の正体は明らかにされていないが、ケンと関係の深い人物ではないかと推測する。今後の展開に期待大である。

そしてケンの理解者であり、友人のように思っていた森可成に危機が迫る。後に行われる比叡山延暦寺焼き討ちは信長の残虐性を示すものと伝えられているが、可成のような忠臣を失ったことを踏まえれば、それほど異常とは言えなくなる。(林田力)

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