2012年9月1日土曜日

ハリー・ポッターと死の秘宝v林田力wikiレビュー

『ハリー・ポッターと死の秘宝』は下巻に入って、ようやく死の秘宝が登場する。やはり注目は憎まれ役の、あの人物である。下巻ではハリー・ポッター達を妨害することもなく、良い面でも悪い面でも活躍することなく、あっさりと退場してしまう。ヴォルデモード卿に一矢報いるのではないかと期待していたために意外であった。
悪役風の人物が実は味方であったという展開は、ありがちなものである。そこでは当該人物の最後の行動によって、その評価が百八十度転換される。これは物語に意外性を持たせるための手法であるが、人物像に一貫性がなくなる危険がある。「終わりよければ全てよし」というナイーブな筋書きで喜ぶほど世の中の読者は愚かではない。
これに対して『ハリー・ポッター』の例の人物は、最後の最後まで隠し通した。しかも、その行動は最初から一貫していた。登場人物に意外な行動をさせることで意外性を持たせるのではなく、後から一貫性を明らかにすることで意外性を持たせる。世界的ベストセラーに相応しい妙技である。林田力
http://hayariki.net/

0 件のコメント:

コメントを投稿