2012年9月22日土曜日

石原サティアン発言の深層

自民党の石原議員が「福島第一サティアン」との問題発言を行った。甚だ不見識な発言である。但し、この失言を発言者の愚かさ故と決めつけることは逆に愚かである。放射脳カルトの異常性を浮き上がらせることによる脱原発派全体のイメージダウンという原発推進勢力の狙いが隠れている。
石原発言は放射性廃棄物の保管場所を福島第一原発敷地とする趣旨でなされた。これ自体は真っ当な主張である。脱原発派の中でも放射性廃棄物の全国拡散に反対する人々や東京電力の加害責任を追及する人々は全く同じ主張している。サティアンという問題表現によって、福島第一原発敷地内で放射性廃棄物を保管するというアイデア自体が貶められてしまった。自爆テロ的な問題発言である。
福島第一原発をサティアンに見立てる心理は放射能汚染を穢れたものと見る差別意識に基づく。これは放射脳と呼ばれる放射能汚染の危険デマを撒き散らして不安を煽る人々に重なる。放射脳は論理が通じず、デタラメな自称危険情報を盲信するところから、カルトと同視されている。福島第一原発をサティアンになぞらえる問題発言は放射脳への嫌悪感を人々に刷り込む効果がある。
日本社会も広い意味での脱原発が多数派となった。この状況では原発推進派の有効な戦略は、脱原発を唱える人々の中の異常な連中の異常性を強調することで良識的な市民を離反させることである。これは日米安保闘争でも採用された。
ここでは放射脳カルトは格好のターゲットになる。既に風評被害を拡大する無責任発言をTwitterで行ったとして市議が除名されている。脱原発首長として注目された保坂区長も電力の独占打破に軸足を移している(林田力、真相JAPAN)。
放射脳カルト批判に対して条件反射的に「原発事故を過小評価する政府や原子力村こそデマを流している」との反発が出てくるが、それは放射脳を正当化することにはならない。より重要な点は放射脳は市民生活と相容れない。カルトとの位置付けが示すように放射脳は市民社会の良識を拒絶する。放射脳カルトを突き詰めれば市販の食品を買うな、東北や関東に住むな、自主避難しろ、となる。それは放射脳カルトの主導者にはメリットになる。怪しげなベクレルフリーの食品を販売し、ゼロゼロ物件のような劣悪な住宅に自主避難者を住まわせ、自主避難者を安い労働力として搾取する。自主避難者のコミュニティとカルト教団の出家者のコミュニティは重なる。その意味でもサティアン失言はイメージ戦略として有効である。
放射脳の行き着くところがカルトと同じである以上、市民派の広範な支持は得られない。現実に世田谷区で重層長屋問題に取り組む市民グループが開催したシンポジウムは低線量の健康被害は確認されていないと放射脳のデマを糾弾する論調であった。彼らも脱原発は支持するが、放射脳は支持しない。脱原発運動が放射脳の主張に傾斜するならば市民社会の支持を失う危険がある。逆に言えば、それが原発推進勢力の活路になる。脱原発の正否は、脱原発派が放射脳カルトと一線を画することができるかにかかっている。林田力
http://hayariki.net/

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