2012年7月4日水曜日

サバンナゲーム激動v林田力Wikiレビュー

『サバンナゲーム激動』は『サバンナゲーム胎動』の続編である。サバンナゲームの二回戦を描く。『胎動』では日常から殺しあいの非日常への移行を描いた。『激動』では戦いが常態化している。『激動』に『胎動』よりも、のめり込めるかは物語の世界に入り込めるかによる。
『胎動』では主人公はワーキングプアであった。非日常のサバンナゲームに巻き込まれることで、その不合理さに戸惑いながらも脱出願望を満たせることができた。主人公が倒す相手もヤンキー的な存在で、現実世界の悪を駆逐するという爽快感があった。
これに対して二回戦の敵はゲーム的なキャラクターである。戦いの物語用に作られたようなキャラクターである。主人公サイドも歴史上の人物を視点とするエピソードが増え、日常の非日常化よりも、ファンタジー性が増した。
それでも「おじさん」のエピソードなど日常的な感覚を重視している。物語の途中では「おじさん」は主人公を守るために遣わされたスーパーマンではないかという想像も生じたが、普通の人の戦いを魅せた。
さらに敵幹部である。殺害を好む非人間的なキャラクターであったが、回想的なエピソードで彼らも貧困と格差社会の犠牲者であることが分かる。荒唐無稽な展開でありながらも現実に根を下ろしている。林田力

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