2012年7月21日土曜日

二子玉川ライズ公共施設入居反対論

二子玉川ライズ二期事業にターミナル図書館などの公共施設を入居させる構想がある。これに管見は反対である。これは個人の意見である。
二子玉川ライズ反対運動は一貫して再開発に公共性がないことを指摘した。二子玉川ライズへの公共施設入居構想は、反対運動からの公共性欠如批判への回答にはならない。確かに反対運動は二子玉川ライズが商業施設や賃貸オフィス、分譲マンションなどの営利事業であることを批判してきた。しかし、再開発ビルに公共施設が入居したとしても、賃貸オフィスの枠組みで世田谷区が借りるならば、賃貸オフィスそのものである。再開発ビルへの公共施設入居は失敗再開発の税金による尻拭いの典型である。二子玉川の環境を守る会のニュースでも「有償はとんでもない」との意見を紹介する。
無償で借りるとしても、超高層マンションの提供公園のように全体の中の一部であり、事業全体としての営利性を否定するものにはならない。反対に公共施設が二子玉川ライズ二期事業のセールスポイントになるような重みを持つならば、世田谷区が特定事業者の開発案件に過度に肩入れすることになり、不公正である。
賃貸オフィスは供給過剰である。空室になるよりは無償でも公共施設に入居してもらえば東急にとってメリットである。公共施設があることで人が集まれば商業施設に金が落ちる。二子玉川ライズはバスターミナルを駅前から離して商業施設を通り抜けなければ行けないようにするという姑息な手段まで採用して商業施設に人を集めようとしている。既に二子玉川ライズでは平日の日中は閑散としているとの近隣住民の指摘がある。
二子玉川ライズ二期ビルの性格からも公共施設入居は反対である。二子玉川ライズは再開発地域の8割以上を東急が占めている。これ権利関係が細分化した地域で多数の地権者が集まって組合を結成するという再開発法の想定した前提と異なる。
二子玉川ライズ二期事業は一期事業以上に東急グループの割合が高い。しかも、ホテルが東急ホテルズというようにシネコンもスポーツジムも東急グループで占められている。このような東急のビルに公共施設を入居させることは行政の中立性を損なう。
二子玉川ライズへの補助金投入は東急グループの開発事業への税金を使った支援と批判されている。二子玉川ライズへの公共施設入居は、それ以上の問題である。何故ならば補助金は市街地再開発事業に交付されるもので、殊更東急を優遇するものではないとの形式論が成り立つ(当然のことながら、住民は実態に即して二子玉川ライズへの補助金投入を批判する)。これに対して公共施設の入居は全ての市街地再開発事業に適用されるものではない。二子玉川ライズに対する特別扱いになる。
世田谷区の財政状況で公共施設を新設することの是非も問われる。世田谷区は財政が危機的状況であると主張している。財政危機という事実認識に対しては有力な批判がされているが、世田谷区は財政危機との前提に基づいて住民サービスを低下させようとしている。その中で二子玉川ライズに公共施設を新設することは矛盾である。世田谷区政において二子玉川ライズが聖域となっているとの批判を強化させる。
ターミナル図書館自体の必要性も疑問である。書籍の検索や予約はインターネット上でも可能であり、施設を作る必要性は乏しい。これもハコモノ行政の発想である。
インターネットを利用しない層への配慮は必要であるが、端末のみのターミナル図書館がインターネットを利用しない層に利便性があるとは言えない。移動図書館の方が読書文化の普及になる。
世田谷区玉川にターミナル図書館や集会場が求められるとしても二子玉川ライズ二期ビルの立地が最適化という問題がある。二子玉川ライズ二期ビルは再開発地域の中央に位置し、一期事業の高層ビル(二子玉川ライズオフィスや二子玉川ライズタワーレジデンス)に囲まれている。周辺住民にとって行きやすい場所ではない。
もともと二子玉川ライズは人工地盤など周辺地域との調和ではなく、周辺地域を拒絶するデザインになっている。しかも高層ビルによるビル風やビルの日陰、照り返しという問題を抱えており、二子玉川ライズ二期ビルまで行くことは住民にとって苦行である。このような場所に公共施設を立地させるべきではない。
玉川に公共施設が少なく、公共施設を求める声があることは事実である。しかし、だから二子玉川ライズに入居させるとの結論は短絡的である。世田谷区には公共施設の入居先として適切な場所がある。空き家である。増え続ける空き家の活用は世田谷区の重要課題である。玉川住民の求める公共施設を玉川の空き家に入居させれば、空き家活用と一石二鳥になる。地域内の空き家に立地すれば住民にとって行きやすい。空き家が活用されるために防犯などのコミュニティーの不安も解消する。
元々は個人の住居であった空き家では大規模な施設は期待できない。しかし、大型の施設よりも地域のニーズに合った小規模な施設を各地に配置することが望まれる。それこそが大型開発からの転換である。
二子玉川ライズへの公共施設の入居は賃貸借ならば当然のこと、無償の使用貸借であったとしても備品購入や維持管理の費用が必要である。出費するならば空き家の借り上げに使用した方が地域コミュニティーに貢献する。
元々、予定がなかった公共施設が二子玉川ライズ二期ビルに入居するということは、その分だけ民間のオフィス需要がなかったということを意味する。それならば公共施設が占めるフロア分を減少させて建築すべきである。二子玉川ライズ問題のシンポジウムでは減築というキーワードが登場している。二子玉川ライズ反対運動は二子玉川ライズが竣工すれば終わりではない。林田力
http://hayariki.net/

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