2012年7月8日日曜日

『信長のシェフ 3』v 林田力 wiki記者レビュー

『信長のシェフ 3』は越前・朝倉氏攻めである。料理人として従軍したケンを待ち受けていたのは、信長の義弟・浅井長政の裏切りであった。絶体絶命の「金ヶ崎の退き口」が描かれる。

後から考えればタイムスリッパーならば長政の裏切りを最初から知っていなければならないと突っ込みたくなるところである。しかし、朝倉攻めに至る展開でのケンの活躍に入り込み、読んでいる最中は気にならなかった。お市の方が浅井の裏切りを伝えるエピソードは工夫しており、一般に流布している小豆の伝承ほど分かりやすくはない。料理人の主人公の知恵を示せる展開となっている。

女忍者が登場し、小谷城に潜入する展開はフィクション色が濃くなる。それでも市に信長を語らせることで、織田信長というキャラクターに深みを持たせた。

『信長のシェフ』では浅井長政と信長の行き違いを丁寧に描いている。浅井の離反は浅井久政主導で、長政自身は父親に従っただけと描かれる傾向がある。これに対して『信長のシェフ』では長政の問題としてまとめている。天才・信長を理解しようとして理解できなかった葛藤が浮かび上がる。(林田力)
http://www.tsutaya.co.jp/works/40827652.html
ブクレコ
http://www.bookreco.jp/books/detail/238533

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