2012年6月6日水曜日

『ジェネラル・ルージュの伝説』v林田力Wiki

『ジェネラル・ルージュの伝説』は『ジェネラル・ルージュの凱旋』の速水が伝説の存在となった新人医師時代を描く。速水は新人医師でありながら修羅場を指揮した伝説を持つ自信満々の人物である。新人の頃から唯我独尊で天才的な技量を見せつけるが、伝説となったデパート火災の大惨事に際しては悩み、逃げようとする等身大の人物として描かれる。伝説は話に尾ひれがついて虚像が作られた面もある。
速水以上に看護師の猫田が恐るべき存在である。田口公平をアシストする藤原看護師を含め、桜宮サーガでは看護師の存在感が強い。著者は医師であり、医師の視点が強い。医療過誤で訴えられた産婦人科医を扱った『極北クレイマー』では臭いものに蓋をする行政に憤り、真実を知ることを求める死亡患者の遺族をクレーマーのように印象づけるなど医師の立場を代弁する立場が露骨である。これは医師であるが故の限界である。一方で医師とは異なる職種である看護師を切れ者に設定する姿勢は貴重である。異なる立場の者を理解する深さがある。自分の立場を唯一絶対とする偏狭さが支配する中で貴重である。林田力

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