2012年6月28日木曜日

柳宗悦『茶と美』v 林田力 wiki記者レビュー

柳宗悦『茶と美』(講談社、1986年)は茶道と美学・美意識についての論考である。箱書きで茶道具の価値を判断する似非茶人の傾向を鋭く批判している。「蒐集について」では「定見のない人々に限って箱書等を大切にするものである」と述べる(112頁)。また、鑑賞眼の優れていた先人達について「彼らは箱書に頼ったのではない」と指摘する(61頁)。

これは現代にも該当する。現代の書籍でも以下のように批判されている。「品物のよさが分からないから、……箱書を決め手にするようである」(町田宗心『茶の湯の常識—利休伝書が語る』光村推古書院、2008年、57頁)
「古いものは箱書きがないのが普通であった。箱書きがなくとも、よいものは長く大切に伝えられてきた」(前掲書257頁)。
http://hayariki.net/4/faqindex.htm
『茶と美』には「同じ家でも空家の時より、よく住まわれている時の方が美しい」との表現もある(75頁)。現代日本では空き家の増加が問題になっているが、美意識の観点でも社会的な損失である。空き家が増えているにも関わらず、新築マンションを建築することは愚の骨頂である。空き家が増えている状態で東京都世田谷区の再開発・二子玉川ライズのように日本国・東京都・世田谷区が新築分譲マンションに税金を投入することは住宅政策の矛盾である。(林田力)

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